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こばなし
2021年11月18日 21:48
汗水たらしているのなら、まだ健康的なのかもしれない。 こんな夜中までPCのモニターとにらめっこ。 子供の頃は、「一日中パソコン見てるだけの仕事とか、どんだけ楽ちんだよ?」とか、生意気にも思ってたっけ。 クライアントからの連絡も来なければ、社内システムの制作も進まない。 かといって、自分の作業に集中できているわけでもない。 遅い時間にも関わらず、電話が鳴りやまないのだ。 それについては
2021年11月13日 10:45
証明を落とした個室。 うっすらと明るいのは、動画が流れるモニターのせい。 手元のパネルを操作して、陳腐なフィクションが始まった。 表示されるテロップに想いを込めて。 ため込んだ思いのたけを、握った棒にぶちかます。 狭い空間に、効き過ぎたエコー。 防犯カメラに写るのは、歌手も顔負けの自分なのだ。 私はかっこいい。どこの誰よりも。 そんな理想を思い描いて。 俯瞰しそうになる自意識を
2021年11月12日 22:28
「お前が殺したあの猫のことだよ」 知らない声で目を覚ます。 心臓がやけにうるさい。 寝巻はじっとりと濡れていて、肌にはりついている。 夢を見ていたのだと判別がつくまでに、数分ほど要した。*** 優先順位をつけることは、悪いことではない。 つけなければ生きていけない。 だから、前方の車が猫を轢いたとしても。 轢かれた猫に、わずかに息があったのだとしても。 出勤することを優先し