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44歳お母ちゃんゼロからのフランス語|お母ちゃんにとっての上達 【3年半】

2017年夏3人の子供を連れてヨーロッパフランス語圏にやってきた我が家。家族全員がゼロからフランス語を学ばなければなりません。といっても、お父ちゃんは英語のみで仕事をするので、フランス語を学ぶ気配なし。一方お母ちゃんは「ボンジュ〜ル」と「メルシ〜」しかわからないフランス語で、これから家を切り盛りしていかねばなりません。

そんなお母ちゃんが到着からの3年半を振り返ってみると、フランス語がどうしても必要な場面は、とにかく子供たちの学校まわりでありました。学校からのお知らせや連絡といった書面は、翻訳アプリくんたちのお陰でどうにかなるものです。でも、毎年やってくる↓3大任務は、まさにお母ちゃんがフランス語を学ぶ理由でもあり、自分のフランス語力の成長(しない)具合が痛感できる評価軸でもありました:

お母ちゃんの3大任務(X3人分)
① 新学年度の学用品リストに基づいた物品調達
② 新学年度に開催される教育内容説明会
③ 年3回の個人面談

[1年目]現地校小4/小2/年少

学用品リスト
フランス語でずらりと並ぶ学用品、当たり前ですが、フランス語ゼロでは何ひとつわかりません。想像もつきません。よって、ひとつひとつ翻訳アプリやらGoogle画像やらを総動員して入念に調べ、いろいろと書き込んだリストを握りしめ、全てが揃うまで(おおよそ20回)店に出向くという手の他ありませんでした。必要ないものも間違ったものもたくさん買ってしまいましたが、2週間かけて任務完了した時の達成感は格別でございました。

教育内容説明会
新学年度初めに各クラスの保護者が集まり行われる説明会は、内心半べそ緊張マックスの状態での参加でした。言語がわからない環境に入ることは恐ろしく、また、この国の学校の仕組みや教育における価値観などの一般常識がないので、とにかく心細いのです。先生が話す内容も、もちろんのこと全く理解できません。「○○の母親です。よろしくお願いします。」のご挨拶さえできません。無力です。とにかくその場にいて、礼儀を尽くして、一言でもわかるように誠意を尽くすこと。それくらいしかできることはありませんでした。

個人面談
フランス語が話せない=個人面談が成り立たないので、策を講じるしかありません。お母ちゃんが打った手は、ご近所さんを通じて、こちらで育ったイギリス人高校生にフランス語/英語の通訳アルバイトをお願いすること。期待以上にしっかりとした通訳のお陰で、それぞれの担任の先生と無事にやりとりができました。初年度は子供たちは大変な思いをして新しい環境に順応しています。先生とコミュニケーションが取れるように手筈を整えると、親だけではなく、先生や子供から余計な不安を取り除くことができ、おまけに現役高校生からもいろいろと話が聞けるのでなかなかいい案でした。

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[2年目]現地校小5/小3/年中

学用品リスト
お母ちゃんのフランス語はまだまだ超初級。でも、去年一通りやったというだけでハードルはグッと下がりました。学用品リストの半分はイメージがつきます。子供たちもフランス語の基礎がついてきていて、学校で周りを観察しながら「あのペンが書きやすい」「このフォルダーがいいらしい」といった欲も出てきたので、であれば、上の二人をお店に連れて行き、学用品リストを渡して揃えさせてみました。しめしめ、これで8割揃ったぞ。残りの解らないものや売っていないもの、プラス一番下の子の分は後日お母ちゃんが調べて調達という作戦で成功。子供が動いてくれると助かります。3回お店に足を運んで完了。進歩だ。

教育内容説明会
去年も行ったとはいえども、これに関してはまだまだ気が引け、内心半べそ緊張マックス。ただ、1年の流れが何となくわかったので、フランス語がわからないままでも、去年に比べるともう少し見当がつく。けれども、ご挨拶もままならず、先生や保護者が言う冗談もさっぱりわからず、1年経ってもこれか、と肩を落としてしょんぼりと家路につきました。

個人面談
この年も、フランス語現地校に通うイギリス人中高校生に通訳アルバイトをお願いして乗り切りました。2年目は先生への冒頭のご挨拶「こんにちは。○○の母です。彼女の名前はXXです。私はフランス語がうまく話せないので、彼女に通訳をお願いしました。」は、何度も練習しできました。どの先生も「通訳がいるから何でも話せてよかった」と好意的で、先生方が私に合わせてゆっくりと簡単な文章でお話しくださったお陰で、4割ほどわかる感じでした。でも、質問をしたり、質問に答えたりは、限られた10分程の時間で試みる勇気はないお母ちゃんでありました。

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[3年目]現地校小6/小4/年長

学用品リスト
3度目の調達でございます。2年が経ち、子供達も基本的なフランス語と学校生活の経験値もついてきました。もう下調べは必要なく、子供と店へ出向いて、たちまち調達完了。感無量。

教育内容説明会
まだ緊張はします。初年度は「私は宇宙人?」と思うくらい全く何も理解できませんでしたが、この頃になると、こんな感じの理解度となりました:
年長クラス:7割わかる。
4年生クラス:5割わかる。
6年生クラス:3割わかる。
もしかしたら、これはただ図太くなっただけかもしれません。

個人面談
先生がわかりやすく話してくれるお陰で、こんなお母ちゃんでも先生の話の7割方理解できるようになってきました。ただ、少し込み入った話や、何か説明しなければならないとなると難しい。ということで、3年目からは、小6と小4の上の二人は自分の個人面談に同行し、お母ちゃんの通訳をすることに。末っ子の個人面談には小6の息子がアルバイトで同行。これで、どうにか滞りなく完了。

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[4年目]現地校中1/小5/小1

学用品リスト
学用品張達はついにお安い御用になりました。フランス語は未だにろくに話せないのに、学校のお手紙類は、翻訳アプリくんがいなくてもほぼ理解できるようになってきた、という奇怪現象も起きています。習うより慣れろ、とはこのことか。

教育内容説明会
COVIDのためマスク着用、窓全開での開催となりました。小1の息子の先生の話は実に分かりやすく、ほぼ全て理解できた気分です。私のようなフランス語勉強中の者も、ピカピカの1年生と同じように、この「わかった感」が大事なのでしょう。お母ちゃんも1年生の教室に通わせていただきたいくらいです。「子供には間違えたり失敗する権利がある」という先生のお話が印象的でした。小5と中1の説明会は、半分理解できるくらいです。

個人面談
引き続き、上の二人(中1と小5)は、自分の個人面談には自分が同行して通訳係です。お母ちゃんの理解度も段々と上がっていますが、やはり何かを聞かれた時の説明がうまくできません。個人面談は一番難しい任務で、想定される質問と模範回答を事前に練習をしてから挑んでいますが、緊張と、子供の前で話すとなると少々恥ずかしく、うまくいきません。個人面談の後には、決まって子供から「お母さん、頑張った。しょうがないよ。大丈夫。」と励ましの言葉をいただきます。

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というこで、お母ちゃんのフランス語力は、検定やCEFRよりも、これらの3大任務達成度で身をもって感じることができています。早くこれらを自立してこなせるようになりたいというのがモチベーションでもあり、目標でもあります。

石の上にも3年。とりあえず学用品のフランス語ならかかってこい✌︎('ω')✌︎。最初はミッションインポッシブルだと思ったフランス語でも、お母ちゃんペースで非常にゆっくりではありますが、少しは生活に役立てるようになってきました。世界のどこかで、慣れない言葉で奮闘している皆さんに、エールを送ります!!

おまけの一枚:ロシアスーパーで売っているタラコの缶詰(2€)をnoteで知りました。コンビニで100円前後で売っているタラコおにぎりの、あのペーストのようなお味。これで作るタラコスパゲティーが美味しい。

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お母ちゃんゼロからのフランス語奮闘記:時系列↓


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