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徒然草とともに

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徒然草をひもといて中世、京の都と、変らぬ人の心を 味わい楽しんでみませんか。
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2023年6月の記事一覧

徒然草をひもといて 5章㉒174段

 「世には心得ぬことの多きなり」  174段、いきなり、法師のこんな嘆きを聴くと、なるほど、…

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章㉑173段  小野小町がこと

 小野小町といえば、古くから、日本では絶世の美女として伝えられていて、現代でも「小町娘」…

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章⒆続171段

 この段も、貝覆い、という当時(平安朝末期)に流行した遊びに托した、人生訓とでもいうよう…

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章⑱170段171段172段

 まず最初に”さしたることなくて人のがり行くことは・・”、たいした用もないのに、人のとこ…

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章⑰167段、168段

 167段、やっとここまで辿りついた、とくに注目する話ではないかも、という気もするけれども…

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章⑯164段、165段、166段

  兼好法師、このところ、虫の居所が悪いのか、世間一般の人々の習性を見る目が厳しい。  …

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章⑭159段、160段

 漢字の読みは、古くからのしきたりとか、読みかたの歴史なども絡んで、今もなかなか厄介だが、鎌倉末期から室町の時代でも、やはりなかなかうるさかったようである。  しかし、これは、法師の、ある意味、得意とする分野だったのでは?と思うが、漢字の読みの伝統的な作法は、現代でも、いまだしっかり残っていて、クイズなどでは、いい材料になっている。  しかし、この種の約束事は、漢字の読みだけでは済まされない。159段は、糸の結び方の形容で、仕上げた形が海中の蜷(ミナ)という貝のねじくれたさま

徒然草をひもといて 5章⑬157段  筆をとれば・・・心は必ず事に触れて来たる・・…

 筆を手にとれば物を書こうと思い、樂器を手にすると何か音を出したいと思い、盃をとると酒を…

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章⑫続世にしたがわん人・・・

 生と死、この人生の大問題について、法師はこの章の最後に、つねづねの持論を示して、しめく…

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章⑪155段   世にしたがわん人は・・・

 155段に進む。”世にしたがわん人というのは、註解によれば、世間に順応して生きる人、とい…

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章⑩151段ある人のいわく、年五十になるまで・・・

 この段の趣旨は、二十一世紀には、もう通用しないような言説ながら、二十歳うわのせして、七…

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章⑨150段  能をつかんとする人

 145段から149段は、観相の術と生の本質、灸治の話、ウイルスともいえる害毒菌の話、すべて見…

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章 ⑧144段 栂尾(とがのお)の上人

 例年より早い梅雨の始まりで、蒸し暑い日が続いています。暑さと云えば、このnoteに日記随…

高沢英子
1年前
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徒然草をひもといて 5章 ⑦143段 人の臨終の有様

  人の臨終の有様、といえば、命ある限り遅かれ早かれ、誰しもいずれ迎えることになる、今生との別れの場だが、ここでは、とくに生前、知名の人物だった人について、しばしば愚かな人によって、あやしく大仰な終焉の様相が語り継がれているが、それが果たして真相を語っているのかどうか、と疑問を呈している。というのも、法師によれば、そうした人々の臨終の姿のあるべき理想像は「静かにして乱れず」で、”怪しく、異なる相を語りつけ”、云った言葉も挙動も、"おのれの好きなように方向づけて誉めあげる”とい