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メジャーでありマイナーな作品~「リバー・ランズ・スルー・イット」

家族って、なかなか難しい間柄である。
親と子の葛藤・愛憎が描かれる作品は多いが、今回はきょうだいの葛藤について描かれた作品である。1992年公開「リバー・ランズ・スルー・イット」

ロバート・レッドフォードが監督を務めた作品。
なんといっても映像美がすばらしい。牧歌的で、これといった事件も起こらない。ただただたおやかに移り行く時間を大事に収めたような作品である。

主人公はクレイグ・シェイファー演じるノーマン。その弟がブラッド・ピット演じるポール。このポールが天衣無縫というか天真爛漫というか。よくある”おとうとキャラ”なのである。自分が久しぶりに実家に戻っても、両親は帰ってこない弟を心待ちにしていたり。

そんな弟に対し愛情は抱きつつ、どこか羨望であり嫉妬のような感情も抱いている兄ノーマン。とてもマジメでガールフレンドからも少々飽きられそうになるほど。
でもやはり仲の良い兄弟であることには変わりはなく、ともにフライ・フィッシングを楽しんだりして時間を過ごしていく。

ストーリーは淡々とというか静かに進んでいき、最後の最後に弟が殺害されるというところで終わる。よく釣りにいった川の流れになぞらえ、人生の移ろいや人の死さえも混ざりあった”その中”を川は流れゆく、と締めくくるのだ。

最近の映画にもあるのだろうが、こういう何もない文学的な映画が、ハリウッドで堂々と作られていた時代って、なんだかすごいものだと思う。メジャー商流でありながらマイナー路線。今ではなかなか陽の目を見なさそうな作品ではないだろうか。

それにしてもブラッド・ピット、なんと可愛らしいこと。。

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