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思い出でも補正されず~「天と地と」

よく「それは映画の観方がわかっていない」と言う人がいる。
映画とはストーリーの面白さだけではない、構図や撮影技法の巧みさを味わうものだと。
でも、やっぱり映画はエンターテイメントであって芸術ではないと思う。と、改めて思わせてくれたのが今回の作品。1990年公開「天と地と」

公開当時、角川映画特有のメディアミックス戦略で盛んに宣伝やら原作本の売り出しがなされていた。自分は当時小学生。今から思うとまだ早かったように思うが、戦国時代にハマり始めていたこともあって、全5巻の文庫本を友人たちと競うように読んでいた憶えがある。
その流れでこの映画も、劇場へ足を運んで観たはずなのだが、今回改めて観てみるとまるで覚えていなかったことに気が付いた。

まあ、そもそも。。この内容では記憶にとどめておくというのも酷なことか。正直面白くない。
なんとなく、絵的には黒澤の「乱」や「影武者」を意識しているのか、スナップ的にさも美しげな絵がところどころに入り込む。
でも、あまりにストーリーはぶつ切り過ぎていて、前提知識がない人が観ても何もわからないだろう。

上杉謙信役をもともとは渡辺謙が務める予定だったのが、病気のため降板、榎木孝明に交替となったことはよく知られているが、仮に渡辺謙であったとしても対して変わらなかったのではないだろうか。

やっぱり、ホンなんだな。
そう思わせてくれた作品であった。

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