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業界レポート 不動産賃貸・管理業

 こんにちは、佐々木正人です!
今回は不動産賃貸・管理業について学んでいってみましょう( ´艸`)
是非、最後まで読んで持って帰って下さい!!
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まずは、業界全体の市場規模を見ましょう。

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(1)市場概要

① 営業種目
・不動産賃貸業 ・ 貸家業・貸間業
・不動産管理業 ・駐車場業

② 業界規模
65 兆 7,526 億円
上場企業数 40 社
非上場企業数 157,388 社

③ 業界サマリー
不動産業は、フロービジネスである「不動産取引業」とストックビジネスである「不動産賃貸・管理業」に大別されます。「不動産取引業」は、土地・住宅の売買や仲介業、マンション分譲業を含んでおり、「不動産賃貸・管理業」は、貸家・貸間業、不動産賃貸業、不動産管理業、の3つから構成されます。

「貸家・貸間業」
・住宅及び室を賃貸する事業。
・マンション賃貸業、アパート業、ウィークリーマンション賃貸業など。

「不動産賃貸業」
・主として事業所、店舗、土地などを賃貸する事業所、及び土地に定着する施設を賃貸する事業。
・貸ビル業、貸店舗業、貸倉庫業、地主、貸会議室業など。

「不動産管理業」
・主に、建物の所有者から委託を受け、経営業務や保全業務等の管理を行う事業所。
・ビル管理業、マンション管理業など

(業界としての特徴)
・不動産賃貸業は、保有不動産または投資不動産から賃料収入(リターン)を長期にわたり獲得することで利潤を得る事業である。
・賃料収入を安定的に得るためには、適切な家賃設定、入居率の維持・改善、清掃、警備、設備のメンテナンス、修繕工事などが必要となる。
・賃貸向け不動産投資を行う際は、多くの場合において事業資金を金融機関から調達することが前提となる。金融調達依存が高まるに連れて、利回りや必要となるリターンの水準も高くなるため、自己資金の保有量によって、経営の安定度合が変わる
・不動産管理業は、一度管理契約が締結されると長期間契約が継続されるため、業績が安定しやすい傾向にある。
・賃貸業、管理業とも、賃料収入や管理料収入に大きな波が生じにくいため、資金繰りは安定しやすい

(2)ビジネスモデル

不動産賃貸業者は、賃貸用不動産を不動産販売・仲介業者から取得、または、建設会社に建設依頼し、企業や個人に賃貸することで、賃料収入を得ています。

不動産賃貸業者は、主に個人を対象として住居を提供する貸家・貸間業者と、主に法人を対象として貸ビル・オフィスを提供する狭義の不動産賃貸業者に分類されます。

賃貸住宅の物件数は、個人所有が8割以上となっています。施設取得にかかる初期投資を銀行から借入する場合が多いため、建築費の高騰や金利上昇による影響を受けやすいです。賃料が収入源であるため、入居率及び賃貸料の維持が重要となります。

不動産管理業者は、ビルやマンションの所有者(管理組合含む)から委託を受け、会計業務や設備の保守・清掃といった保全業務を実施することで管理収入を得ています。管理件数の増加が売上の増加につながるため、建築物や住宅物の着工状況と密接な関連があります。

参入障壁が高くなく、類似・模倣が発生しやすい業種であるため、サービスの差別化など業界内の競争は激しいです。

(3)業界動向

賃貸ビル(オフィス)の空室率は、近年右肩下がりで推移し、各主要都市とも空室率は2%程度まで低下しています。これは足元の景気が堅調であることで人員増強に伴う増床のニーズや、好立地への移転需要が増加していることが主因として考えられます。

オフィス賃料は全体的に上昇傾向で推移しており、特に東京の上昇は著しいです。日本経済の中心地である東京において需給が逼迫する中、丸の内や日本橋、渋谷、虎ノ門等の超一等地の都心市街地での大型再開発が賃料上昇の一因と考えられます。

一方、地方の都市圏においては、需給関係は逼迫していながらも大型開発案件が東京と比べて少ないため、賃料上昇は緩やかに推移すると思料されます。

最近では、従業員の生産性向上を図るためにワークスペースの変更を検討する企業は増加し、シェアオフィスABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)等の新型オフィスに対する関心は高まっています。

賃貸住宅の市況はオフィス賃貸市場と対照的であり、供給の過剰、空室の増加が目立っています。特に、近年低金利の金融緩和政策が不動産投資を後押する影響で、賃貸アパートに投資する個人・法人が増加する傾向で推移し、賃貸住宅の商品ラインアップが多様化する特徴が窺えます。

しかし、その反面、賃貸住宅の過剰供給で空室率が上昇し、これから賃貸住宅市場の利益率の低下がある程度予想されるのでしょう。

(4)財務指標 分析

不動産賃貸業・管理業においては、賃貸業の方が管理業よりも3倍ほど市場規模が大きいため、平均財務指標には、賃貸業の特性が濃く表れています。

(安全性分析・効率性分析)
不動産賃貸業・管理業は、不動産取引業と比較して、自己資本比率が高く、借入依存度が低い傾向にあります。

不動産賃貸業・管理業は賃貸用不動産の取得時に一次的に資金が必要になる一方で、不動産取引業では販売用不動産の取引のため経常的に資金が必要となるという特徴が両指標によく表れています。

(収益性分析)
不動産賃貸・管理業の売上高総利益率は、63.0%不動産取引業の約2倍の水準です。

固定資産税等の租税公課、建物の管理費・水道光熱費・修繕費などが不動産賃貸業の売上原価に含まれるが、販売用不動産の取得に関わる原価に比べると少額であるため、不動産取引業より高い利益水準となっています。

一方、不動産の減価償却費が多額に計上されるため、営業利益率は、売上高総利益率の水準から大幅に低下しています。

不動産賃貸業においては、空室が多い、家賃設定が不動産の取得価額と見合っていないなどの場合、売上高総利益率を維持できない結果に繋がるため、売上高総利益率の推移に注意する必要があります。

(効率性分析)
賃貸用不動産は固定資産に計上され、販売用不動産は流動資産に計上されるため、不動産取引業の棚卸資産回転期間は6.8か月と長期であるが、不動産賃貸・管理業においては、0.6か月と非常に短期となっています。

(5)与信限度額の考え方

与信限度額とは、取引において自社が許容する信用供与の最大額であり、いかなる時点でも超過してはならないものです。

与信限度額は、「必要かつ安全な範囲内」で設定する必要があります。必要な限度額は、取引実態を基に算出し、安全な限度額は、自社の財務体力や取引先の信用力(格付)を基に算出します。

●与信金額(必要な限度額)

実際の取引において、必要となる与信金額。非鉄金属製造業に対して発生する与信取引としては、鉱物の販売等での「売買取引」が挙げられ、継続取引における必要な与信金額は、以下のとおり算出されます。

与信金額=月間の取引金額×回収サイト

取引を行う際には、自社の取引条件が斯業界の平均水準から大きく乖離していないか、確認すべきです。

買掛債務回転期間の業界標準値が「斯業界の平均的な支払サイト」を表しているため、「月間の取引金額×買掛債務回転期間の業界標準値」によって、与信金額の基準とすることができます。

非鉄金属製造業に対する平均的な与信金額=月間の取引金額×1.5か月

●基本許容金額(安全な限度額)

基本許容金額は、自社の財政がどの程度の貸倒れまで耐えうるかを予め計ることで、自社の体力を超える取引に対する牽制機能を働かせるものであり、自社の財務体力と取引先の信用力を考慮して算出します。

一例として、自社の自己資本額に対して、取引先の信用力(格付)に応じた割合を安全な限度額とする方法があります。

基本許容金額=自社の自己資本額×信用力に応じた割合
(例 : A格10%、B格5%、C格3%、D格0.5%、E格0.3%、F格0%)

●売込限度額(安全な限度額)

販売先において、自社との取引シェアが高くなり過ぎると、自社が取引から撤退することが困難となる恐れがあります。

そのため、取引先の信用力(格付)に応じて取引シェアに上限を設けるべく、取引先が抱える買掛債務額の一定割合を売込限度額として設定する方法が考えられます。

売込限度額=買掛債務額×信用力に応じた割合
(例 : A格30%、B格20%、C格15%、D格10%、E格6%、F格0%)

仮に、取引先の売上高情報しかなく、買掛債務額が不明な場合であっても、業界標準値を用いて売上高総利益率(11.3%)と買掛債務回転期間(1.5か月)から、以下のように買掛債務額を推定することができます。

買掛債務額
=売上高/12[月商] ×(1-0.113)[原価率] × 1.5(か月)[買掛債務回転期間]
=売上高×0.111
(例:売上高100億円・A格の場合:100億円×0.126[買掛債務額]×30%[信用力に応じた割合]=3.33億円)

(6)与信管理のポイント

不動産賃貸業においては、金融機関から多額の資金調達を行い、当該借入を長期にわたって投資不動産の賃料収入を原資として返済を行っていく必要があるため、キャッシュフローが投資計画どおりに循環することがきわめて重要なポイントとなります。

投資計画においては、空室率を勘案した賃料収入と不動産取得費及び必要経費(管理費、修繕費、保険料、租税公課など)から利回りを算出し、必要利回りを確保できているかを把握する必要があります。

賃料が主な収益源であるため、空室を抑え、有効に稼働させることが収益を獲得する上で重要となります。現在は、不動産賃貸物件の供給がやや過剰気味であるため、稼働率上昇のために適正性を欠いた賃料設定になっていないかという点にも注意が必要であります。

また、賃貸物件は、経年劣化によって入居状況が悪化するため、立地条件のほか、建物の修繕計画、設備の更新計画もポイントとなります。

個人の賃貸住宅物件の場合は、交通アクセスが良いか、閑静な場所であるか、嫌悪施設がないか、周辺施設(ショッピング施設・学校・病院・公園等)が充実しているか、などがポイントとなります。

ファミリータイプ、単身者用、学生向けなど、居住者によってニーズが異なるため、ターゲットが明確であり、ニーズが合致した設計となっていることが重要であります。

法人向けの賃貸物件の場合は、立地条件や施設設備の優劣だけでなく、景気や企業収益の動向にも左右されます。個人向けよりも長期間の利用が期待される中で、借り手との長期契約を確保するために、施設の安全面維持や老朽化防止を実現しているか否かもポイントとなります。

不動産管理業においては、大手マンション業者による市場競争が激化しており、いかに差別化したサービスを提供できるかが重要なポイントとなっています。また、契約先となるマンション事業者などの信用力にも注意する必要があります。

財務分析上の注意点としては、不動産賃貸業においては、賃貸物件取得のための事業資金を銀行調達することが多いため、返済計画通りの収益を確保できるか否かがポイントとなります。

不動産賃貸業、管理業は、賃料・管理料が安定して支払われ、キャッシュフローがプラスを維持することが一般であるため、マイナスになっている場合は注意が必要です。

参考資料
総務省:総務省「住宅・土地統計調査」(平成30年、25年)
業種別審査事典(一般社団法人 金融財政事情研究会)
中小企業庁:「平成30年度中小企業実態基本調査報告書」
国土交通省;「住宅着工統計(各年)」、「賃貸住宅管理業の適正化について」
三鬼商事:「オフィスマーケットデータ」
CBRE:「オフィス利用に関するテナント意識調査2019」
業界レポート 不動産賃貸・管理業 2019.09

本日の内容は以上になります。
次回もお楽しみにでは

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