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第1回「借金王ランキング」調査

今回は弊社独自で行っているリスモン調べ「借金王ランキング」調査を取り上げたいと思います♪

「リスモン調べ」とは、リスクモンスターが独自に調査するレポートのことです。「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでおります。

こんにちは、佐々木正人です。
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■ 調査の概要

1.  調査名称:第1回「借金王ランキング」調査
2.  調査方法:決算書の分析結果に基づく調査
3.  調査対象決算期:2021年6月2日時点で開示されていた2020年4月期決算以降の最新決算
4.  調査対象企業:決算短信提出企業
5.  調査対象企業数:3,151社(金融機関を除く)

1.調査結果

[1]  ランキング結果

決算短信記載の有利子負債を基に集計したところ、ランキング1位は「トヨタ自動車」(有利子負債25兆6,596億円)であった。

次いで「ソフトバンクグループ」(同18兆5,130億円)が2位、「本田技研工業」(同7兆7,210億円)が3位となり、以下「日本電信電話」(同7兆6,243億円)、「日産自動車」(同7兆4,802億円)、「オリックス」(同7兆419億円)、「ソフトバンク」(同5兆6,926億円)と続いた。

上位20社の業種としては、自動車製造業、物品賃貸業、通信業、各種商品卸売業、電気小売業が3社ずつランクインした。また、自動車製造業と通信業においては上位7社までに3社ずつランクインしており、有利子負債の多さが目立つ結果となった。(図表A)

また、上位20社において売上規模と有利子負債を比較したところ、上位20社のうち12社が年商以上の有利子負債を有する結果となった。上位企業には装置産業が多く、設備投資に要する借入金が嵩みやすいことが要因といえる。

なお、トップ100については、図表Bにまとめた。

[2]  上位企業 安全性分析

有利子負債上位20社の「現預金」、「借入依存度」、「自己資本比率」について分析したところ、現預金では「トヨタ自動車」、「ソフトバンクグループ」、「本田技研工業」、「楽天グループ」、「日産自動車」が上位となり、上位20社中9社が1兆円超の手元資金を有していることがわかった。

現預金と月商を比較した現預金回転期間(現預金÷月商)は、リスクモンスターの倒産確率分析において高リスクが表れる「1か月未満」の企業は20社中2社のみであり、上位にランクインした企業の安全性がうかがえる。

借入依存度(総借入÷総資産×100)は、業種特性として借入金が嵩みやすい物品賃貸業と不動産業に該当する4社を除いて集計を行ったところ、リスクモンスターの倒産確率分析において高リスクが現れる「50%超」の企業は16社中1社のみであった。

借入依存度が50%を超過した場合に、金融機関からの追加融資が厳しくなるケースが多いことを考慮すると、上位にランクインしている企業においては、資金調達余力を残した状態で借入を行っている様子がうかがえる。

自己資本比率においては、リスクモンスターの倒産確率分析において高リスクが表れる「30%未満」の企業は20社中12社あり、自己資本比率の面では高リスクの企業が半数を超える状態となっているが、言い換えれば、財務レバレッジ(総資産÷自己資本)を効かせることで収益拡大に繋げているという見方もできよう。(図表C)

[3]  EBITDAランキング

上場企業全体の収益力を図るため、EBITDAを集計したところ、ランキング1位は「ソフトバンク」となり、「トヨタ自動車」が2位、「日本電信電話」が3位、以下「ソフトバンクグループ」、「KDDI」と続いた。

有利子負債企業ランキング上位企業と、EBITDAランキングを比較したところ、12社が両方にランクインしており、借入金と収益力との間に相関性がうかがえる結果となった。(図表D)

※EBITDA=営業利益(税引前当期純利益+特別損益+支払利息)+減価償却費

[4]  前年同期比分析

ランキング上位20社における前年度との有利子負債増減額を集計したところ、増加が15社、減少が5社となった。

有利子負債の増減ランキングを集計したところ、増加先には「ソフトバンクグループ」、「トヨタ自動車」、「日本電信電話」が上位となり、有利子負債企業ランキング上位企業が8社ランクインした。

一方、減少企業上位は「武田薬品工業」、「三井物産」、「キヤノン」が上位となり、有利子負債企業ランキング上位5社がランクインした。(図表E)

また、上場企業においては、有利子負債が増加した先(1,965社)は減少した先(1,186社)を上回っており、全体の62.3%の企業で有利子負債が増加している。先行きが不透明なコロナ禍において、運転資金確保のほか、不測の事態に備える企業が増加したことが要因と思料される。(図表F)

2.総評

企業が借金をする目的は、事業拡大運転資金確保の2つに分けられる。一方、返済の目途が立たず資金繰りが限界に達すると倒産に至ることから、借金の多寡は倒産リスクに直結するといえよう。

本レポートは、企業が保有する有利子負債を集計し、安全性・収益性の観点から分析を実施したものである。

第1回借金王ランキングのトップは「トヨタ自動車」であった。トヨタ自動車は、分析対象とした3つの財務指標(現預金月商比、借入依存度、自己資本比率)において、いずれも安全性の高い水準で推移しており、多額の借入金を有しつつ高い安全性を維持していることが分かる。

借金王ランキング第2位の「ソフトバンク」は、3つの財務指標のうち自己資本比率のみ倒産リスクが高まる30%未満であったものの、トヨタ自動車の1.8倍となるEBITDAを獲得しており、財務レバレッジを効かせた高い収益力を有している。

無計画な借金は倒産リスクの上昇につながることから、綿密な事業計画のもとで、計画的な資金調達を行うことが重要である。

その観点では、本ランキング上位企業は、借入金額は多いものの、安全性の低い企業はほとんど見られず、調達した資金を活用してキャッシュの創出につなげている点で、借金を上手に運用している企業といえよう。

上場企業だけでなく中小企業にとっても、資金調達の方法・金額・タイミングは極めて重要な経営判断である。

各企業が倒産リスクを見極め、適切な借入によって安全性と企業価値を高めることで、停滞した日本経済を活性化することに期待したい。

本日の内容は以上になります。
次回もお楽しみにでは

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