第1回「FIREへの憧れ」調査
今回は弊社独自で行っているリスモン調べ「FIREへの憧れ」分析を取り上げたいと思います♪
「リスモン調べ」とは、リスクモンスターが独自に調査するレポートのことです。「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでおります。
こんにちは、佐々木正人です。
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■ はじめに
「FIRE」とは、Financial Independence(経済的自立)とRetire Early(早期リタイア)の頭文字を組み合わせた言葉であり、仕事を早期退職し、毎年の生活費を賄えるような貯蓄と節約を意識しながら、資産運用により経済的自立を目指して豊かな人生を送る考え方のことである。
近年、耳にする機会が増加した「FIRE」への意識調査として、リスクモンスターが独自に「FIREへの憧れ調査」(2022年5月23日~5月26日実施)を行ったところ、800人から回答が得られた。
今回の調査において、FIREを「実現したいと思う」または「実現した」人は4割弱に留まり、6割超はFIREへの憧れを抱いていないことがわかった。また、FIREを「実現したいと思う」人のうち、「実現の目処が立っている」と回答した人は3割程度となっており、FIREを現実的に可能なものとして捉えている人は全体の1割程度に過ぎない結果となった。
FIREの実現を現実的に考えているのは、「20代」と「30代」の若年層が多く、彼らはFIREの実現に向けて投資を積極活用することでFIREの原資となる資産構築を図っており、「20~30代」のうちにFIREを実現したいと考えていることが傾向としてうかがえる。また、既に「FIREを実現した」人についても、全回答者が2.4%であるのに対して、20代においては4.0%と多い。
中・高年層におけるFIREへの意識が高くない要因として、「終身雇用」や「生活のために労働が必要」という従来からの意識が根強く、FIREに対する現実味が乏しいことが考えられる一方で、若年層においては、「車離れ」や「ブランド品離れ」などと言われるように、贅沢志向や物欲が高くない傾向があることに加え、「お金を稼ぐこと」と「仕事をすること」の意識の分離が中・高年層よりも進んでいる可能性が考えられる。
FIREは、手元の資産を投資等で運用し、その利回り内で生活することを前提とした考え方であるため、「生活費を稼ぐこと」と「仕事をすること」の意識の分離が、FIREの実現に向けて必要と言え、FIREの実現は、ワークライフバランスを向上させ、より豊かな人生を送るための手段となり得るのかもしれない。
とはいえ、日本経済の発展のためには、生産活動などの労働力の確保は必要であり、企業の立場としてもそれは同様であるため、その点が今後の課題と言えるのではないだろうか。
[Q1] あなたは「FIRE」を実現したいと思いますか?
FIREの実現に対する意識調査を行ったところ、FIREを「実現したいと思わない」(回答率 63.8%)が、FIREを「実現したいと思う」(同 33.9%)を大きく上回り、6割を超える人がFIREへの憧れを抱いていないことがわかった。
男女別においても、全体回答率と同様に、いずれも「実現したいと思わない」が6割を超えるものの、男性の方が、FIREの実現に意欲的であることが表れている。
世代別では、「実現したいと思う」が「30代」(同 38.5%)、「20代」(同 37.0%)において全体回答率(同33.9%)を上回り、若年層の方が「FIRE」への意識が高い様子がうかがえる。
年収別では、「300万円以上」において、FIREを実現したいと考える人が4割程度存在するのに対し、「300万円未満」(同 70.2%)では4人に1人に留まっており、十分な収入を得ていないためにFIREが現実的ではないと考える人が多いと推察される。
[Q2] いつ「FIRE」できると思いますか?
[Q1]にてFIREを実現したいと思うと回答した人に対して、FIREを実現する目処が立っているか調査したところ、「目処が立っていない」(回答率 66.8%)が「目処が立っている」(同 33.2%)を大きく上回り、FIREを実現したいと思っている人のうち、具体的な目処が立っているのは3人に1人程度であることが明らかとなった。
さらに、「目処が立っている」と回答した人に対して、実際に「いつFIREを実現できると考えているか」調査したところ、「5年以内」(同40.0%)、「10年超20年以内」(同28.9%)、「5年超10年以内」(同 22.2%)、「20年超30年以内」(同 8.9%)となり、約4割の人が「5年以内」にFIREを実現できると考えている結果となった。
世代別の傾向に着目すると、特に「20代」と「30代」において、「目処が立っている」(20代 37.8%、30代 36.4%)の回答割合が高くなっており、実現までの年数を考慮すると、20~30代のうちにFIREを実現したいと考えていることが傾向として表れている。
[Q3] どのくらい金融資産が確保できたら「FIRE」しますか?また、「FIRE」するために実行していることはありますか?
[Q1]にてFIREを実現したいと思うと回答した人に対して、どのくらい金融資産が確保できたらFIREを実現するか調査したところ、「5,000万円超1億円以下」(回答率 28.9%)が最も多く、「1,000万円超3,000万円以下」(同 21.1%)、「3,000万円超5,000万円以下」(同 16.7%)の順となった。
また、FIREを実現するために具体的に実行していることを調査したところ、「投資」(同 64.2%)が最も多く、次いで「特になし」(同 38.0%)、「貯蓄」(同 36.2%)と続いた。
男女別では、「投資」(男性 同80.7%、女性 同45.2%)がともに最多となる中、男性の方が女性を35.5ポイント上回っており、積極的に資産運用を行っている様子がうかがえる。
また、女性は「特になし」(同44.4%)が全体(同38.0%)を上回っており、FIREに憧れていても実際に行動に移している人は男性ほど多くないと言える。
世代別では、「20代」、「30代」の若年層において、「投資」の割合が「40代」、「50代」よりも20~40ポイントほど高く、若年層ほどFIREの実現に向けて金融資産の運用に積極的であることが表れている。
年収別では、「300万円未満」において「特になし」(同 49.1%)が最多回答となっており、2人に1人はFIREに対して憧れるものの、実際の行動に移していない状態と考えられる。
一方、「500万円以上」においては、「投資」が8割前後の回答となっており、資金に余裕がある年収層においては、余裕資金を投資に回し、FIREの実現に向け資産運用している様子が表れている。
本日の内容は以上になります。
次回もお楽しみに!では!
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