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第2回「借金王ランキング」調査

今回は弊社独自で行っているリスモン調べ「借金王ランキング」調査を取り上げたいと思います♪

「リスモン調べ」とは、リスクモンスターが独自に調査するレポートのことです。「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでおります。

こんにちは、佐々木正人です。
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1.調査結果

[1]ランキング結果

決算短信記載の有利子負債に基づいて集計したところ、ランキング1位は「トヨタ自動車」(有利子負債26兆4,964億円)であった。次いで「ソフトバンクグループ」(同21兆4,574億円)が2位、「本田技研工業」(同8兆1,026億円)が3位となり、前回と同じ順位となった。

また、4位以下に関しては、「三菱HCキャピタル」(同7兆4,616億円)、「日本電信電話」(同7兆3,643億円)、「日産自動車」(同6兆9,978億円)、「ソフトバンク」(同5兆9,995億円)の順となった。

上位20社の業種としては、自動車製造業、物品賃貸業、通信業、電気小売業が3社ずつランクインした。特に、自動車製造業と通信業においては上位7社までに3社ずつランクインしており、有利子負債の多さが目立つ結果となった。

また、上位20社において売上規模と有利子負債を比較したところ、上位20社のうち12社が年商以上の有利子負債を有する結果となった。特に物品賃貸業、不動産賃貸業・管理業においては、上位20社にランクインした全ての企業において有利子負債が年商を上回っており、借入れが嵩みやすい業種であることがわかる。

前回順位との比較においては、イメージセンサー向けの設備投資を2,000億円増強するなど設備投資を強化した「ソニーグループ」(前回33位→今回18位)が大幅にランクアップした。(図表A)

なお、トップ100については、図表Bにまとめた。(図表B) 

※図表Bは一部です。続きはPDFからご確認ください。(6頁)

[2]上位企業 安全性分析

有利子負債上位20社の安全性を調査するために「現預金回転期間」、「借入依存度」、「自己資本比率」について分析したところ、現預金回転期間(現預金÷月商)では、「楽天グループ」、「ソフトバンクグループ」、「三菱HCキャピタル」、「ソフトバンク」、「本田技研工業」が上位となり、リスクモンスターの倒産確率分析(以下、倒産確率分析)において高リスクとなる「1か月未満」の企業は20社中3社のみであった。

また、借入依存度(総借入÷総資産×100)では、業種特性として借入金が嵩みやすい物品賃貸業と不動産業に該当する5社を除くと、倒産確率分析において高リスクとなる「50%超」の企業は「関西電力」、「九州電力」の2社のみとなった。

おおむね借金王ランキング上位企業においては、高い安全性を保ちながら借入を行っていることがうかがえる。

自己資本比率においては、倒産確率分析においてリスクが上昇する「30%未満」の企業は20社中12社あるものの、これらの企業については、財務レバレッジ(総資産÷自己資本)を効かせることで多額の収益獲得につなげている企業と捉えることができよう。(図表C) 

[3]収益力ランキング

上場企業の収益力を計る指標として、「EBITDA」、「営業キャッシュフロー」を集計しランキングしたところ、EBITDAでは、「トヨタ自動車」、「日本電信電話」、「ソニーグループ」、「KDDI」、「ソフトバンク」が上位となり、営業キャッシュフローでは、「トヨタ自動車」、「日本電信電話」、「ソフトバンクグループ」、「本田技研工業」、「KDDI」が上位となった。

借金王ランキング上位20社のうち8社がEBITDAランキングにランクインし、12社が営業キャッシュフローランキングにランクインしており、借入金と収益力との間に相関性がうかがえる結果となった。(図表D、図表E)

※EBITDA=営業利益(税引前当期純利益+特別損益+支払利息)+減価償却費 

[4]前年同期比分析

借金王ランキング上位20社における前年度からの有利子負債増減額を集計したところ、増加が15社、減少が5社となった。(図表F)

上場会社における有利子負債の増減を集計しランキングしたところ、増加企業上位は「ソフトバンクグループ」、「三菱HCキャピタル」、「楽天グループ」となり、借金王ランキング上位企業が12社ランクインした。

一方、減少企業上位は「日立製作所」、「協和キリン」、「日産自動車」となり、借金王ランキング上位3社がランクインした。

また、上場企業において有利子負債が増加した先(1,649社)は全体の51.5%となっており、前回調査の62.3%から10ポイント以上低下した。昨年度はコロナ禍において不測の事態に備えるための借入れの増加がみられたが、今回調査では経済動向を見据えた慎重な借入判断が行われているものと考えられる。(図表G) 

 2.総評

企業が借金を行う目的は、事業拡大と運転資金確保の2つに分けられる。借金によって事業の成長や安定化を図れる一方で、返済の目途が立たず資金繰りが限界に達すると倒産に至ることから、借金の多寡は倒産リスクに直結するといえる。本レポートは、企業が保有する有利子負債を集計し、安全性・収益性の観点から分析を実施したものである。

第2回借金王ランキングの上位3社は前回調査に続き「トヨタ自動車」、「ソフトバンクグループ」、「本田技研工業」となった。

上位3社においては、EBITDAランキングと営業キャッシュフローランキングのいずれにおいても上位6位以内にランクインしているほか、「トヨタ自動車」、「本田技研工業」では、分析対象とした現預金回転期間、借入依存度、自己資本比率のすべてにおいて、優良な水準を保持している点、「ソフトバンクグループ」では、自己資本比率が30%未満と低水準でありながらも、月商の10か月分の現預金を備え、高い支払い能力を有している点で、それぞれ高い安全性を有していることが表れている。

無計画な借金は倒産リスクの上昇につながるため、綿密な事業計画に基づいて、計画的な資金調達を行うことが重要である。その観点では本ランキング上位企業は、借入金額は多いものの安全性の低い企業はほとんど見られず、調達した資金を活用してキャッシュの創出につなげている点において、借金を上手に運用している企業といえよう。

今後、不透明な経済情勢のため先送りしていた設備投資を再開する企業や、円安の進行によって海外から国内に生産拠点をシフトするための設備投資を実施する企業など、企業における資金調達機会の増加が見込まれる中、上場企業だけでなく中小企業においても、安全性や企業価値を損なうことなく、事業を成長させるための適切な資金調達の方法・金額・タイミングを計っていくことは極めて重要な経営判断となろう。

本日の内容は以上になります。
次回もお楽しみにでは

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