今さら聞けない【債権保証サービス】
こんにちは、佐々木正人です!
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今日は債権保証サービスの概要(分類)とビジネスにおける重要性について話していきます。
国内でも上場企業の業績下方修正が相次ぎ、早期・希望退職の募集が増えていますね。
2019年のリストラは、“黒字リストラ”が主流でしたが、これは新たな事業分野への進出やいびつな年齢構成の是正を目指す、本来のリストラクチャリングでした。ところが、新型コロナで急激に業績が悪化すると、悪しき慣行の“リストラ”、すなわち業績不振による人員削減が再び横行してますよね。
業績が厳しい中で、月末に入る予定の売掛金が入らなかった場合、財務体力の無い企業は、資金繰りに窮して最悪、自社が倒産してしまう事だってあるんです。最悪の事態に備え、本日のテーマである「債権保証サービス」があります。
個人で利用するサービスではないため、企業に勤めていても直接携わったことがある方は少ないのではないでしょうか。特にコロナ禍で特定の業界に関わらず、近年問合せが爆増している事から、取引先の業績や動向には平常時以上に注視している事も見受けられます。
そんな意外と知らない債権保証サービスについて、分かり易く紹介していきます。是非、最後まで読んで持って帰って下さい❕❕
債権保証サービスとは?
債権保証サービスとは、取引先の倒産や資金不足によって、販売代金の貸倒れ(いわゆる「焦付き」)や回収遅延が発生した際に、あらかじめ契約しておくことで回収予定金額の全部または一部を保証してくれるサービスです。
主にサービスは3種類あります。
1.取引信用保険
2.保証ファクタリング
3.個別債権保証
1.取引信用保険
取引先企業が倒産などにより販売代金の回収が不能になった場合、保険金によって損害をカバーしてくれる保険です。基本的に売掛金全体が対象になります。保険なので損害保険会社が取扱っています。
2.保証ファクタリング
ファクタリング会社が貸倒れ等による損害をカバーしてくれるサービスです。リスクを分散させるために、10社以上まとめて申し込むことが必要です。主要なファクタリング会社は銀行系が多いです。
3.個別債権保証
「2.保証ファクタリング」に近いサービス内容ですが、1社単位や1ヶ月単位からの保証や、信用力の低い企業への保証や少額保証など既存のファクタリング会社では取り扱わなかった領域でも積極的に保証を引受しているのが特徴です。個別債権保証を取扱っている独立系もあります。
債権保証サービスは、売掛債権である「売掛金」や「受取手形」の回収を確実とするためのサービスです。
取引を安全に行う方法としては、「保証金の取得」「前金取引」「商流の変更」などありますが、相手との交渉の必要がなく、手続きも簡単なところがメリットです。
次に実際に「どれくらい利用されているのか」、また「利用が増えているのか」について説明します。
債権保証サービスの市場規模と普及率
日本の企業間信用取引における売掛金は幾らくらいか知ってますか❓
なんと、ざっくり200兆円になります。受取手形も含めると220兆円以上になります。(出典:野村総合研究所「中小企業・ベンチャー企業の資金調達環境」)
では、220兆円の売掛金・受取手形のうち、「取引信用保険」「ファクタリングおよび債権保証サービス」で保証されているのはどの程度でしょう❓
ファクタリングおよび債権保証サービス:1兆7600億円(主要5社のみ合計)
取引信用保険:推定約3兆円(※私の推定)
※推定は、信用保険の保険料296億円を、想定料率1%で割り戻して試算した数値(出典:日経新聞、損害保険協会「種目別統計表」)
合計4兆7600億円の債権について保険・保証が掛けられていると考えますが、それでも法人取引における掛け取引全体の2.2%に過ぎないということになります。
残りの97.8%の債権回収は大丈夫なのか心配ですね。
日経新聞の2020年12月11日の記事によると、ファクタリング主要5社の保証残高は昨年同月比で8%増加したそうです。倒産件数は増加していませんが、今後の倒産増加を予想して早めに対策を講じている企業が多いという事が伺えます。
実際に倒産が増えると、保証・保険の申込が増えますので、早めに保証を申し込んで希望保証先の保証枠を確保しておくことは有効だと思います。
▼信用・保証保険の元受け保険料の伸びと企業倒産
債権保証サービスの利用は、「早い者勝ち」のようなところがあります。
実際に倒産企業が増えてから検討するのでは手遅れで、既に他社が保証を掛けたい先に対して保証利用をしている場合、引受保険・保証会社の引受保証枠の上限に抵触してしまい、審査結果でNGだった等は多々あります。
また、各業界や取引状況によっても適合する債権保証サービスは異なりますので、今後の投稿で話していければと思います。
本日の内容は以上になります。
次回もお楽しみに!では!
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