プロジェクト紹介Vol.128：大手SIerの地方銀行向け新サービス創出支援

こんにちは！
ライズ・コンサルティング・グループ広報担当です。

今回は、当社が支援させて頂きました、大手SIerの地方銀行向け新サービス創出支援プロジェクトをご紹介いたします。

大手SIerの地方銀行向け
新サービス創出支援

■プロジェクトの支援に至った背景

　新内閣が発足して以降、再編への圧力が高まっている地方銀行。再編を進める理由の一つに、地銀単体での経営環境の厳しさが挙げられています。実際、2019年3月期決算で貸し出しや預金、手数料サービスといった本業が赤字の地銀は、105行中45行と約4割に上っています。

　地方銀行とそれを取り巻く環境には、2つの構造的な問題があります。一つは、リーマンショックから続く低金利により、地方銀行の主力ビジネスである融資の収益が低迷していること。もう一つが、人口減少に伴う地方経済の縮小で、地方銀行の顧客である中小企業が疲弊していることです。これらの背景から、地方銀行はこれまでと異なる新たな成長戦略を模索する必要性がありました。

　「地方銀行の持続的な成長を支える新サービスを提案する」。長年にわたり地方銀行向けのプラットフォームを提供しており、強固な顧客基盤を獲得していたクライアントは、これを目的にプロジェクトを開始しました。クライアントの他部門で実績のあった弊社は、その立ち上げの支援でお声がけいただきました。

■クライアントのニーズ・課題

　弊社が参画したのはまさにプロジェクトの立ち上げ段階であったため、まずは進むべき方向性を明確にする必要がありました。この場合、週次での定例という典型的なコンサルの報告頻度では間に合いません。主体的に方向性や進め方を提示し、クライアントを巻き込みながら日次レベルで軌道修正していくプロジェクト推進が求められました。

■ライズのアプローチ

　先述の『柔軟なプロジェクト推進』は、弊社の特徴の一つです。これを最大限に発揮し、クライアントと高頻度ですり合わせしながら進めていきました。その結果、短期間で新サービスを具体化し、地方銀行への初期的な営業まで進めることができました。
　具体的には、「成長の方向性検討」、「重点領域の特定」、「基本戦略の策定」、「顧客へのヒアリング」の4ステップで進めていきました。

✓成長の方向性検討
　地方銀行の得意領域と、競合であるメガバンクあるいは信金・信組との関係から、地方銀行が進むべき成長の方向性を「銀行業務以外へのサービス拡充」、「小規模な融資先の拡大」と定義しました。

✓重点領域の特定
　机上調査で地方銀行における取り組み事例を収集し、39の領域を候補として洗い出しました。それらを「地方銀行へのニーズの高さ」、「実現度合」で絞り込みを行い、地方銀行が注力していくべき領域を5つに特定しました。

✓基本戦略の策定
　先述した5つの領域の課題を解決するための基本戦略を策定し、内容の具体化を行いました。ここが本プロジェクトの肝で、「地方銀行にどういう新サービスを提案するのか」の骨格をまとめる活動でした。この活動ではクライアントを積極的に巻き込み、元地方銀行出身者からの示唆、顧客目線での差別化要因の提示など、インタラクティブにサービス案を具体化していきました。最終的に、各サービスの概要とビジネスモデルを作成し、その中でサービスの特長、競合サービスとの差別化要因、マネタイズ方法を整理しました。

✓顧客へのヒアリング
　具体化したサービス概要、ビジネスモデルを地方銀行向けの提案資料に仕立て、クライアントの注力顧客に初期的な営業を実施しました。弊社は、地方銀行向けの営業資料作成、営業担当へのインプット、営業結果のとりまとめを行い、クライアントが営業活動に注力できるようサポートをしました。

　今回のプロジェクトは、クライアントがプロジェクトを推進していくうえで、顧客である地方銀行や社内に対して、幾度となく説明を求められるという特徴がありました。そのため、極力、クライアントが我々のレポートをそのまま利用できるように、報告書をクライアントのフォーマットに合わせ、目線も揃えた内容に仕立てるなどの工夫を行いました。クライアントから、「こういった支援をいただいたコンサルは初めて」と評価をいただいたポイントです。

　新規事業や新規サービスの立ち上げは試行錯誤の連続です。場合によっては、プロジェクトの途中で大胆な方向転換が必要な場合もあります。また、プロジェクトの立ち上げ当初は参加メンバーの関与度、意欲が十分でないことも多いため、メンバーの巻き込みも重要な要素です。加えて、事業・サービス案を「絵にかいた餅」にしないための実行力も必須となります。

　こういった「柔軟なプロジェクト推進」、「メンバーの積極的な巻き込み」、「実行支援」は、まさに弊社の強みです。これらの強みを生かして、今後も多くのクライアントの課題を解決し、真のパートナーとして選ばれ続けるコンサルティングファームとして成長を続けていきます。

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