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自己肯定感と自己効力感 - 『ボヘミアン・ラプソティ』のフレディから

先日、『ボヘミアン・ラプソティ』をTOHOシネマズのDolby Atmosで観てきました。
私はどんぴしゃのqueenファンというわけではないのですが、Dolby Atmosで観れたこともあってか、ところどころに挟まれるライブ映像にぐっと引き込まれ、とても作品に没入できた大満足の2時間でした。

個人的に興味深かったのが、『We Will Rock You』がつくられる、その過程。
ちょうどその前のライブで『Love of My Life』のメインフレーズをファンと大合唱し、会場と一体化するパフォーマンスを大成功させたQueenのメンバーは、同じような熱狂を生み出すことを前提として曲が作れないかと思考錯誤します。
そこで足踏みとクラップをベースに出来上がったのが、『We Will Rock You』。
ライブでの観客のパフォーマンスを中心に曲自体を作り上げるという発想が、当時はとても珍しかったのではと思い、やはり格がちがうなと思わされました。

そんなファンを楽しませる天才、Queenのリードボーカルのフレディですが、自身の出自は気に入っていなかったようで、出身も名前も偽った上で当時はデビューをしていたとのこと。
バンドやレコード会社に対する振る舞いを考えるに、彼がかなり自分に対して自信を持っている状態に思えたので、出自を作り込んでいるという事実は意外で仕方ありませんでした。
だって、自分を偽ることは自己肯定の逆概念である自己否定に繋がりそうだから。

なぜフレディは、自分の出自を否定しながらも、あそこまで自分や自分のパフォーマンスに対して信じ抜く振る舞いができたのか?

そんな疑問を口にしていたら、今の自分を肯定する自尊感情である自己肯定感と、自分の行うことには効力があると信じる自己効力感は、別物であると知りました。

自己効力感 (= self-efficacy) は、カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱したもので、この概念を通じ、人は自分の考えや感情、行為をコントロールしていると言われています。

たとえば、フレディの場合だと、このような方向性でバンドを動かしていくことで、Queenは成功すると信じきっている状態を指す。
この自己効力感を高めることで、ある結果を生み出すために適切な行為を遂行できると信じ抜くことができ、結果的に成功をもたらすことができます。

ちなみに先述したアルバート・バンデューラは「自己効力感」を培う要因として、以下の5つを挙げています。

1. 達成経験:自分自身で目標を達成した経験を積む2. 代理経験:自分以外誰かの目標達成を観察した経験を積む3. 言語的説得:自分にスキルや能力があることを言語的に説明・説得される4. 生理的情緒的高揚:酒などによって生理的に気分を高揚させる5. 想像的体験:自分自身で目標達成することを想像する

やはり、1番は自分自身で試行錯誤しながら、目標を達成した経験を積むこと。
天才までいかないまでも、なにかを成し遂げるためには、2-5を繰り返して、1の達成経験を地道に積んでいくのが肝要なのだなと理解をしました。

photo by Twentieth Century Fox Film Corporation

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