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Japan made our childhood memories.

スペインに留学に来てから約2ヶ月。毎日大学へ行き授業を受けているうちに、たくさんの留学生と友達になった。ここではやはりヨーロッパ各国からの留学生が多く、日本人ましてやアジア人は少数派だ。(とは言っても、彼らはとても優しく、アジアンヘイトのようなものはこれまで一切ない)

その中で、ぼくはスウェーデン人とノルウェー人のグループと仲良くなった。スウェーデン人が4人、ノルウェー人が1人、そして日本人のぼく。いつもこの6人(男女比は3対3)で行動することが多い。

この6人でマドリードに旅行に行った時のできごとだ。


2日目の夜、イタリアンレストランで夕食を食べていた。パスタやピザを食べながらワインを飲み、お互いの国の文化や人柄などたくさん話をした。なんでもスウェーデンではフィーカといって、1日の中で何度もコーヒーブレイクをする文化があるらしい。

「国によって文化も違うもんだなぁ」と思いながらワインを1口飲み、フィーカの話もひと段落すると、ノルウェー人の彼女が『子供の時に熱中したもの』という新たな話題を持ち掛けた。

すると即座にスウェーデン人の1人が『Tamagotchi!!』と答えたのだ。

その回答を予想打にしていなかったぼくは『たまごっち!!?』と驚いた。

そこにいたみんなたまごっちを知っていた。

しかし、ぼくは普段ゲームをあまりしない。日本の周りの子供たちのように幼少期からゲームをして育ってきていない。たまごっちに至っては、あの卵型装置を触ったことすらなかったのだ。

日本人の僕が触ったことすらないたまごっちについて北欧人の間で会話が盛り上がっている、というなんとも不思議な状況だった。

しかし、ぼくが『それは日本発祥だよ!』と伝えると、彼らは驚き、『懐かしい!』『めっちゃ遊んだよ!』『ほっておいたら私はたくさん殺しちゃった!』などと、話してくれた。(「あ、たまごっちのキャラクターって死ぬんだ、、。」と、心の中でぼく。)

すると、スウェーデン人の彼が『Nintendoも日本だろ?』と尋ねてきた。ゲームをあまりやってこなかったぼくでも、任天堂はさすがにわかる。彼らもぼくたちと同じようにDS、Wii、スーパーマリオなどを友達の家に集まっては毎日のようにやったらしい。任天堂のゲームについて明らかにぼくより詳しいのだ。


"Japan made our childhood memories." 


ノルウェー人の彼女が何気なくこの言葉を放った。とても嬉しかった。自分が開発したわけでもないが、日本人として誇らしかった。

遠く離れた地にも日本の文化が浸透していること。日本のゲーム文化が海外の子供たちを笑顔にしていること。そして、大人になった今でもその会話で盛り上がっている。その現実が、とても嬉しかった。これがゲーム大国日本か、と。

これはスペインに滞在し始めてから2週間ほどのできごとだが、日本から遠く離れた地で1人で生活し、不安や孤独を感じていたぼくには、とても心に残る言葉だった。


そして、ぼくはある言葉を思い出す。


”ここではないどこかへ旅に出るということは、ここの美しさを見つけるということでもあるのだ”


これは、『君の名は』なども手掛けた、川村元気という映画プロデューサーの言葉だ。

前から好きな言葉だったが、『この言葉肌で感じてんじゃん!!』そう思った。ぼくは、日本ではないこのスペインという地で、日本の素晴らしさを見つけたのだ。


そんな貴重な体験ができたマドリード旅行だった。留学期間も残り4ヶ月。「これからも、ここではないどこかでここの美しさをたくさん見つけていこう。」

そう心の中で誓った。



つづく、、かも。



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