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国語屋のひとりごと

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「冬」で自由作文の授業をしたので講師の作品例を供養しようと思う

とある専門学校の非常勤で、今年の夏から「論理学」の講義を担当している。

まあ、要は「書くこと」の力を付ける授業なのだが、あれやこれやと、学生相手にとりあえずなんでもやってやろうの精神でコンテンツを考えている。

今日は15回シリーズの14回目。

ここまではわりとかっちりとした、フォーマットにしたがった書き方をトレーニングしてきた。だからそろそろ良いかなあと、思い切って自由作文をやらせてみること

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政治家の言葉の力 —日本・英国・ドイツそれぞれの首相演説を比較して考えた—

政治家の言葉の力 —日本・英国・ドイツそれぞれの首相演説を比較して考えた—

1. 安倍首相の演説はそんなに「悪い」のか? 世界規模の流行を見せているコロナウィルス。各国が対応に追われる中、国のトップが国民に向けてメッセージを発出する機会も多い。

 日本でも、緊急事態宣言の発令が決定し、安倍首相が会見を開き、国民に自ら説明を行っていた。

 リーダーというのは「何かあったとき」のためにいるものだ、と私は考えている。そして、それは案外、具体的に指示を出すことよりも、部下の判

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公開シンポジウム「国語教育の将来―新学習指導要領を問う」(8/1@日本学術会議)で考えた

公開シンポジウム「国語教育の将来―新学習指導要領を問う」(8/1@日本学術会議)で考えた

先日、日本学術会議主催の公開シンポジウム『国語教育の将来 ——新学習指導要領を問う』に参加してきた。

訳あって全ては参加せず、パネリストの発表のみを聞いて中座したのだが、そこで聞いたことから、ふと、考えたことがあった。

古典文学を学ぶ意義はあっても、古文を学ばせる意義はあるのだろうか。

人文学滅亡の危機?:主戦場は「国語教育」昨今の風潮の中で、人文学というのはたいへんにわりを食っている。

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倍率4.6倍を余裕で突破する現代文の勉強法

倍率4.6倍を余裕で突破する現代文の勉強法

倍率4.6倍という数字を突きつけられたとき、あなたならどうするだろうか。びびるだろうか。

もう無理だと思うだろうか。

おとなしく来年に向けて頑張ろうと気持ちを切り替えるだろうか。

私の生徒は違った。

「怖いけど、たぶん大丈夫だと思います」

そう言って、本番に臨んでいった。

そして見事、合格を勝ち取った。

そして私も、

「あの子なら大丈夫だろう」

と、確信を持って送り出した。

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