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田舎娘が考える、自由に生きるために必要なこと

田舎娘、NewsPick系の人の言葉に悩まされる。


ひょんなことから、いわゆるNewsPick系の実業家さんが「地方にずっといる人は、出会いも経験も少なく、危機感もなく、視野も狭い。レベルが低い。」という内容の話をしているのを見かけてしまった。
これを見たとき、非常に強い憤りを感じた。

これに憤りを感じているという時点でお察しの通り、私は田舎娘である。
この世に生を受けてから24年間、山梨で暮らしている。
地元の大学を卒業して1年経った現在は、県内では比較的都会的だが、全国的に見れば十分、田舎に分類される地域に暮らしている。
4月からは、同じ県内ではあるものの、さらに田舎の方にある小さな会社に入社し、会社の近くでひとり暮らしを始める。
つまり、田舎から、さらに田舎に移り住むわけだ。

先のNewsPick系の方がこれを聞いたら、鼻で笑うだろう。

ただ、本記事で問題にしたいのは彼の主張でも、彼の人間性でもない。

自分の意思で、地元に残り、田舎で暮らすことを選択したにもかかわらず、彼の主張を受けて、心がざわざわしてしまっている私自身の方が問題なのだ。

私の心のざわつきの背景を今回は考えていきたい。

経済活動の観点から見た、地方と都会


まず、彼の主張の正当性について。

経済活動という点に絞れば、彼の主張はあながち間違ってはいないと思う。
誰もが知る大企業や競争力の高い企業は、みんな都会にある。
もちろん、山梨をはじめとする地方の企業だって、企業努力は行っているが、都会にある強い企業とは比べ物にはならないだろう。

そもそも、都会と地方では人口があまりにも違うから、事業の種類も、内容も、戦略も、同じというわけには絶対にいかない。だから、安易に比べること自体に無理があるのかもしれない。
いずれにせよ、やはり、資本主義経済の中で大きな成功を収めたいのであれば、都会にいる方が間違いなく有利だ。
都会に強い企業が多く集まっている以上、都会にいたほうがそういった企業で活躍する方と出会い、影響を受ける機会も得やすい。いわば、出会いの質が高くなる。
もちろん、本人の行動力に大きく左右されるが。

人間生活全体から見た、地方と都会


ただ、これはあくまでも、経済活動という点に絞れば、の話である。
人間生活そのものまで視野を広げれば、地方にだって、当たり前ながら出会いはある。人がいないわけじゃないんだから。

経験に関しては、都会でしかできない経験もあれば、地方でしかできない経験もあるから、何とも言えない。これに関しては、議論に値しない。

私が求める自由な生き方

経済活動の観点から見れば彼の主張は間違いとは言い切れないことは、いったん認めたうえで、次は、私の理想の生き方から、本件について考えていく。

私の理想の生き方は
・住んでいる地域に愛着を持てる
・人間らしい生活を送れるだけのお金と時間がある。
・ある程度、仕事にやりがいを感じられる。

の3つがそろった状態を維持できることだ。

対して、NewsPick系の彼は、ZOZOTOWN、リクルート、ライブドアなど、名だたる有名企業でトップに立って活躍してきた人物である。

これはもちろん、素晴らしいことだ。私には絶対にできないことだから、そういう意味では尊敬に値するとさえ思う。

ただ、私は別に彼みたいにはなりたくない。

私は上に書いたような自分の理想を叶え、維持するために必要な成長はしていく必要があると考えている。だが、彼のような大企業のトップに立つレベルの成長は、私にとっては過剰な成長なのである。

要は、私と彼とでは、求めているものが根本的に違う。
だから、彼の言葉に心をざわつかせる必要など、みじんもないのだ。

心のざわつきの背景


…にもかかわらず、私の心はざわついている。

なぜ?

きっと、私には、自由に生きるのに必要な覚悟が足りないからだ。

過剰な成長は求めていない、自由に生きたいと言っておきながら、どっかで「それで将来は大丈夫なのか」とか考えてしまう。

自分が求めているものに忠実に、自由に生きる。
これは実はとても難しいことだ。24歳にして、初めての気づきだ。
頭では自由に生きようと思っていても、心のどこかで不安を感じる。
その不安のせいで、他者のうるさい声に、嫌でも反応してしまう。
不安や社会の目が、自由に生きることにストップをかける。

自由がこんなにも難しいのなら、自由なんかあきらめて、不安や他者の批判を解消するために働きまくればいいじゃん。
なんて声も聞こえてきそうだが、やっぱり、私は自由がほしい。
生まれてきたこと自体が強制的で、自由もへったくれもないのに、生まれてきてからも自由に生きられないなんて、納得いかない。割に合わなすぎる。

自由に生きるための、覚悟とは


となるとやはり、覚悟しなくてはならない。

将来の不安というのは、生への執着からくる。
まずはこれを捨ててみることだ。

仮に将来、経済的に困ったとしても、何とかなる。何とかならなきゃ、そこでおしまいでいいやっていう覚悟をする。
おしまいでいいやなんて…不謹慎だし、投げやりな感じもあるけど、私はこういうあきらめのような考え方は必要だと思っている。

よく煽り系のSNSなどで「~しないと生き残れない」なんて言って、大衆を煽っている人たちを見かけるけど、「生き残る」ということは、そんなに重要な事なのか?
人生って長ければいいというものではないんだから、生き残れなかったら、そこが自分の寿命だったってことで、別にいいんじゃないかな。

そして、他者の声をシャットアウトする覚悟も要る。
自分の選択に自信がない時ほど、他者の言葉に右往左往する。
自分の選択が間違っていたら、それはそれで仕方ないとあきらめ、自分の選択をいったん信じてみるしかない。
これも結局、突き詰めれば、生への執着を捨てることの重要性につながっていくわけだが。

…とまあ、カッコつけたようなことを言ってはいるけど、それができてないから、今こうしてnoteに書いて、自分の心を奮い立たせているわけだけどね。

自由は難しいけど、その難しさを凌駕するほどの価値があると私は思っている。
今は、自分を貫いてみようと思う。


番外編:NewsPick系の彼への、田舎娘からの反論(閲覧注意)


最後に、田舎娘としてやっぱり悔しいから、彼の主張にちょっとだけ反論してみる。
ここから先は、ちょっと攻撃的になるから、読みたくない人はここまでで。

まず、経済活動の観点だけで、地方を悪いところのようにいうのは、
それこそ‘’視野が狭い‘’
人間って、みんながみんな、経済活動を優先して生きているわけじゃないから。

そして、地方=レベルが低い/都会=レベルが高いっていう、あまりにも単純すぎるラベリングで論じることに無理がある。
百歩譲って、地方=レベルが低い、は認めるとして
都会=レベルが高い、は飛躍しすぎ
都会って一言で言っても、東京だけでも814万人以上の人が働いているわけで、その人たち全員が足並みそろえてレベルが高いなんてことがあるはずもない。
そもそも、都会という言葉が抽象的すぎる。東京を例にとっても、いろんな地域があって、いろんな企業がある。そのうちのどこにいるかで、見える世界は変わってくる。
都会という言葉でひとまとめにするのは、無理がありすぎる。それくらいに都会は広い。物理的には狭いが。

きっと、彼は高いところしか見ていないから、都会はレベルが高いと思い込んでいるんだろう。
なんとも視野の狭いことだ。
それでよく、人に視野が狭いなんて、言えたもんだ。

こんな人に、日本の大企業たちが頼っているということに、山梨の田舎娘は、開いた口がふさがらない。

そもそも、さっきもちらっと言ったけど、都会と地方では人口や人々の価値観、生活様式が全く違う。となると、求められる企業努力もガラッと変わる。
都会だからこその厳しさもあれば、地方だからこその厳しさも絶対にある。

例えば、小売業を例にとると
先日、田舎娘の私が東京を訪れたときに感じたことがある。
2日間、東京で過ごす中で、コンビニを4,5件利用したのだが、東京のコンビニのレベルの低さには驚いた。
接客もさることながら、レジ打ちや品出しの作業もびっくりするくらい遅い。立ち寄ったどのコンビニもだ。
おそらく彼ら彼女らはアルバイト店員だろうが、それを指導する立場にある社員あるいはオーナーも必ずいるはずだ。
あのレベルを変えようとしないということに唖然とした。
また、陳列や掃除にも、努力が全く見えなかった。

正直、あのレベルは山梨だとありえない。
山梨であのレベルのコンビニは、よほど車通りが多い立地か駅前でもない限り、確実につぶれる。いや、下手したら駅前でも厳しいかもしれない。
山梨のように人口が少なく、閉鎖的な地域では、いい評判も悪い評判もすぐに広まる。
また、山梨は車社会だから、消費者は自分の家や職場からちょっとくらい遠くても、店員の感じがよかったり、品ぞろえがよかったりと、自分にとって良いコンビニを訪れるから、立地に甘えることもできない。

要は、地方だからやっていけている事業もあれば、都会だからやっていけている事業も絶対にあるということ。
そこに安易に上下をつけるのは、いかがなものかと。

ちょっとだけのつもりが、かなり長い反論になってしまった。

まあ、結局、一番よくないのって、こういうNewsPick系の人の攻撃的な言葉を鵜呑みにして、地方の人たちが卑屈になったり、腐ったりしてしまうことだよね。
こういうのを気にせずに、自分がいる場所で、できることを全力でやる。
それが一番大事かなと思う。
この記事を最後にNewsPick系の彼のことは忘れるように頑張ってみる。


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