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散歩中に作った歌を絵本に取り入れてみる

即興で歌う

私は昨年度は1歳児クラス、今年度は2歳児クラスの保育に関わっている。

天気が良い日には散歩に出かけ、外を楽しみに行く。

子どもたちには何が見えているのだろうか・・・
彼らの目に映る外の世界は、新しいものだらけなのだろう・・・

散歩中、よく歌を歌う。


明るい響きと軽快なテンポ感は子どもたちだけではなく、保育士たちにとっても無意識のうちに足を、そして心を弾ませるはずだと仮定する。


散歩の序盤は問題ない。元気溌剌。輝きに満ちた瞳。子どもたちからも歌が響く。

問題は帰り道。足取り重く、疲れが出る。それは大人も一緒だ。

「しっかり歩くよ~」とどんなに明るい口調で言っても、全く心に響かない時間である。

そんな時こそ、軽快な音楽の出番だ。

大雑把に言って、1~2歳児は乗り物や色に興味がある。自我の芽生えに欠かせない「○○ちゃんの!」という主張が飛び交う。

散歩中も、何か目にすれば、「○○ちゃんの赤!」「○○ちゃんのバス!」と訴え続ける。


私の思考は単純だ。この主張を歌に変えておこう。さらに終点を感じさせることで、「到着」に前向きな気持ちを抱かせよう!あくまでも「潜在意識の中に」がポイント。


そして、歌う。

あーかい くるまに のってます
○○ちゃんが うんてんしゅ
びゅーん びゅん
びゅーん びゅん
あーかい おうちに つきました

ぷっぷー しゅうてんでーす!


※ 楽譜はこちら

すきなのりもの すきないろ2

※ 音源として動画にしました。


初めて聞く歌に、最初は耳なじみない様子だが、自分の名前が歌に登場すると、目つきが変わる。

すぐに「もう一回!」「○○ちゃんも!」と反応してくれる。

「何色が好き?」「ピンク!」

そして、歌う。

ピンクの くるまに のってます~

そのうち、「○○ちゃんのバス!」と違う乗り物のリクエストが出る。当初は何も考えて作っていないが、この歌は、他の色、別の乗り物、様々な名前に変更可能である。

歌の応用

さて先日、保育室で遊んでいた時、「これ読んで~」と『どろんこ ももんちゃん』が運ばれてきた。


子どもと向き合うように座って、いつも通り読み進める。自然と近くで遊ぶ子どもたちが集まってくる。

ももんちゃんは、金魚とサボテンと、オバケと一緒にどろんこをこねて、自動車を作る。それに乗って、みんなで海へ出かける。

その時、「ももんちゃんが運転してるじゃん!」と絵を見て気づいてしまった私。完全に私のペースで歌い始める。

ちゃいろい くるまに のってます
もーもんちゃんが うんてんしゅ


ここまで歌うと、絵本を見ていた子どもたちは「知ってる歌だ!」と共に歌い始める。運転手がハンドルを握るポーズを取りながら、体をゆらして。

びゅーん びゅん
びゅーん びゅん
あーおい うーみに つきました

ぷっぷー しゅうてんでーす


すると、一人の男の子がすかさずツッコミを入れる。

「アオじゃなくて、みずいろー!!」

「おー、確かに、海は水色で描かれている・・・(笑)」


この歌を通してわかったこと

子どもたちは新しい歌と、昔からある歌の差を知らない。「耳なじみのある歌」というのは、大人が馴染んでいるだけの話。新しいものに苦労するのは大人の方なんだろうな。

子どもたちがどんな感覚で歌を歌うのかはわからないけれど、実際に身近な空間で歌に触れることで、音楽と実体験が重なることが想像できる。

そして、音楽がもつイメージを感じたりや、歌詞を楽んだりする力が育まれたらいいなぁと思う。

「知っている」という感覚は嬉しさを生むので、「知っている歌」を大人が歌うと、誇った様子で一緒に歌い始める。

「歌いなさい」
「大きな声で」
「口を開けなさい」
「楽しみなさい」
「笑顔で」
「歌詞をイメージしなさい」

こういうのは、教育せずとも子どもたちの感性の中で自然と培われていくものであってほしいなぁと願う。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました🧡


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