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りんご完売のご報告

※この記事は2020年3月4日時点のものです

2020年1月からはじめたりんごの販売ですが、皆さんのおかげで無事に完売することができました。応援してくれた方、購入してくれた方、ご紹介してくれた方、ご縁のあったすべての方々に心から感謝しています。

ここからは長くなりますが、あらためて台風19号の被災から今までをお話させていただきます。もしよければ読んでいただき、私達のことを少しでも知ってもらえると嬉しいです。



1.キタイチ果樹園について

2019年10月13日の台風19号の影響により、長野県長野市の千曲川の堤防が決壊。自分の実家と両親が営むりんご農園「キタイチ果樹園」は決壊地点から約1kmにありました。実家の住居とりんご畑は浸水し被災。今も実家には住めず、仮住まいにいる状況です。


2.台風19号の被害

私はというと、普段は東京に住み仕事をしていたので、堤防が決壊した映像をニュースをはじめて見た時は信じることができませんでした。生まれ育った民家に千曲川の水が凄まじい勢いで流れこんでいたのです。すぐに家族と友人に連絡をとり、連絡がとれて命の無事が確認できた時、どんなに安心したことか今でも覚えています。両親が無事だったのは、母親の友人からの避難勧告のおかげでした。深夜2時に電話をもらい、助言の通りにすぐに車で家を出て近くの学校の体育館に避難。その1時間後の深夜3時には千曲川の堤防が決壊し、深夜4時頃には実家の住居は浸水したと推測されます。同じ地域に住む友達の中には、避難が遅れて家から出れずに家の2階に逃げヘリで救助された友達、車で避難してる最中に水が押し寄せてきたために車から降り近くの家まで泳いで助かった友達もいます。身近な人が被災してしまい、想像もつかなかった恐ろしいことが起きてしまいました。しかし、みんなの命が無事であったことが救いでした。

実家の住居のすぐ前にあるりんご畑
(2019年10月19日の写真)

りんご畑


キタイチ果樹園の荷造り場
(2019年10月19日の写真)

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3.復興活動

被災後は長野に戻り、復旧活動に尽くしました。実家の住所である長野市の赤沼地区や穂保地区の被害は甚大で、住居はほとんどが浸水し半壊、全壊。りんご農家が多いこの地域の農地は壊滅的な状態でした。北澤家の住居やりんごの作業小屋は約1.7m浸水してしまったので、1階にあったものは廃棄。農機具や軽トラック、車など泥や水にかぶったものが使えなくなりました。畳やフローリングもはがして、泥出し。子供の頃の遊び場だった赤沼公園が臨時のゴミ廃棄場所になったので、ゴミの山で埋めつくされました。また私自身、小学校からバスケをずっとやっていたのですが、その時の練習場所だった長沼体育館は決壊地点の真横にあり、壁や床は破壊され悲惨な状態になってしまいました。大好きな地元がこんな状態になってしまうなんて思いもしませんでした。それでも、落ち込んでいる時間はなく、北澤家の復旧作業は、家族や親戚の方などのご協力があり進んでいきました。

庭にあった軽トラック
(2019年10月19日の写真)

スクリーンショット 2020-09-19 23.34.25

そんな中12月頃から、無事だった高台にあった泥を一切被っていない畑のりんごがあったので、収穫することを決めます。例年だと「ふじ」は10月下旬から収穫ができますが、12月からやっと手がつけられる状況で、年末までにはなんとか収穫を終えることができました。

高台にあり被災の難を逃れた「ふじりんご」

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4.りんごの通販

そして年明けの1月から、りんごの販売をはじめました。自分にできることを考えて、FacebookとTwitterなどのSNSを通じてりんごの販売を開始しました。友人やネットを通じてはじめて知っていただいた方に買っていただくことができました。購入した方には口コミを広げていただき、続々と注文が入るようになりました。親戚、ご近所、職場など親しい方にお勧めしてもらえたことは嬉しい限りでした。八百屋,洋菓子店,パン屋,喫茶店,こども食堂,居酒屋,展示会,イベントなどでもお客さんに提供してもらい、ご支援していただきました。こうした活動をみてテレビ,新聞,ネットメディアから取材が入り、取り上げていただくこともありました。

SBC信越放送 2020年1月9日 生出演

SBC信越放送出演2

また、この3月中にも新たに私達のりんごを使った食べ物を発売するお店もいくつか決定しています。今季のりんごの在庫は終了しましたので、食べれるのはそのお店のみになります。こちらの発表はまた投稿させていただきますので、ぜひご期待いただけますと幸いです。


5.今後について

これから先のことについてですが、来季はどれくらいのりんごが収穫できるのか、今後農業をどのように継続していくか、住居はどうするのか、など見通しがつかないことがまだ多いです。しかし、今回の販売を通じてご支援いただいた方から希望をもらいました。現時点では、来季も今季のようにご注文を承りたいと考えています。ネットでの販売は今季が初めてのチャレンジでした。今季を学びにして、来季は皆さんにもっと喜んでもらえるよう、りんごをお届けしたいと思っています。


6.感謝の言葉

最後になりますが、販売を頑張れてこれたのは、皆さんの応援があったからです。DMや投稿をみて、いつも元気をもらっていました。皆さんからの声は家族にも伝えていたので、北澤家の力の源でした。あらためてになりますが、りんごの販売にご協力いただきまして本当に感謝しています。これからも私達をどうかよろしくお願いいたします。


信濃毎日新聞 2020年1月31日 掲載

信濃毎日新聞掲載

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