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[第7回] 自転車部品のNo.1ディストリビューター宣言!

2022年秋、リンエイは「自転車部品のNo. 1ディストリビューター」になることを、高らかに宣言しました。全社員が心を一つにして、目指すは5年後、取り扱い商品40000SKU※!。なんと現在の4倍です。「本当にできるのでしょうか?」という問いかけに「できる!」と言い切る3名の社員が、実現までのロードマップを熱く語る今回。営業促進部 営業1課 課長 堤 直樹さん、営業促進部 営業2課 課長 河田幸康さん、商品管理部 課長 熊澤圭紘さんの、言葉の熱量にご注目ください。

※SKU:ストック・キーピング・ユニット(Stock Keeping Unit)の略で、受発注や在庫管理を行う際の最小の識別単位。40000SKUとは40000品目を指す。

自転車部品のNo.1ディストリビューターに、リンエイは、なる!

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営業促進部 営業2課 課長 河田幸康(左) 営業促進部 営業1課 課長 堤 直樹(中) 商品管理部 課長 熊澤圭紘(右)

ーー40000SKUという、すごい目標を掲げたわけですが、今回の「No. 1ディストリビューター宣言」に至るまでの経緯は?

堤 課長(以下 堤):その目標が出てきたのは、四半期(3ヵ月)ごとの営業会議の場でしたね。今後リンエイがどうあるべきか話していて、もっと取扱商品を増やそう、業界で 1 番を目指してみようと。

河田課長(以下 河田):営業四半期会議、ね。目標が決まるまでの話をすると、長くなりますけど…(笑)。

ーーぜひ、お願いします。

河田:いいですか(笑)。以前は、それぞれの担当が、ただ売り上げを伸ばすために販売戦略を立てていました。ただそのやり方だと限界があるんじゃないか?と…。個人でバラバラの目標を掲げてるから、営業全体がひとつの方向を向きにくい。

:営業もだし、他の部署でもそうでした。CS課、商品管理部、広報企画部も、自分の部署の問題点だけを見て課題を設定していて、会社全体としてひとつの方向を見ていない。そういったことを俯瞰して、上司からアドバイスがあったんです。一度、売り上げとか粗利とか、経費とか、そういうことを一切考えないで、リンエイのビジョンを実現するための目標をつくってはどうか、と。

河田:リンエイのビジョンは「あらゆる時代の変化を先回りできる企業」。それが実現できたと証明するために、「リンエイが日本一」と言える具体的な目標をつくろう、ということですね。それが達成できたら「自分たちのビジョンを実現したぞ」って、周囲の人にも胸を張れる。で、そこで、みんなで考えたわけです。時代の変化を先回りするっていうけど、どんな変化が起きるのか?

ーー時代の変化を、まずつかもうとしたわけですね。

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河田:そうですね。注目したのは、業界でどんな変化が起きているか。今、私たちのお客様である自転車の小売店さんが、どんどん減っているんです。2008年には20000店あったのが、2015の時点で4分の3の15000店まで減って、そこから毎年900店ずつ減っている。これがデータとして出ています。

熊澤課長(以下 熊澤):僕は基本的に内勤ですが、小売店さんが減ってるっていう話は聞いてます。古くからお取引している店舗さんが廃業されたとか、やめられたとか…。

:店舗をつくる資材も高騰が続いています。そうすると、仮に新しい店舗ができても、店舗自体がどんどん小さくなっていく。するとお店のストックヤードがどんどんどんどん、なくなってくる。つまり、多くの店舗さんが、商品の予備を持たなくなる。そうすると…

河田:いずれ、自転車販売店が、ユーザーに自転車部品やパーツを供給できなくなる、という変化が起きる。そこに先回りして対応するために、「日本一の商品点数を揃えて、即座に供給できる体制をつくる」という目標を立てました。

:これが「あらゆる時代の変化を先回りできる企業」を実現できたことを証明する、我々の目標なんです。営業課員全員で話し合って、ここに行きつきました。

河田:リンエイの強みは何か?って考えると、自分たちがナンバーワンを目指すなら、やっぱり商品点数。同業の各社さんもそれぞれ商品カタログを出していますが、掲載商品を全部在庫で持っているところって、実は少ない。取り寄せ商品が多かったりしてね。でも、リンエイでは掲載商品は基本的に全部在庫して、できる限りはやくお客様の手元に届けるという体制を取っています。その商品点数を業界一にすれば、よりお客様のお役に立てるはず。

熊澤:自転車の小売店さんは減ってるけど、自転車ユーザーは増えてるんですよね。

:日本の人口は減ってるから、当然通学用自転車のユーザーは減ってる。でも趣味や街中での移動手段としてはまだまだ需要が増えてる。コロナの影響もあって。

熊澤:自転車部品の供給ルートがなくなったら、みんなが困ることに…。

河田:その通り。だからリンエイは、自転車のマーケットで商品を増やすぞ、って。他ジャンルの商品も増やしつつはあるけど、メインはやっぱり自転車。その共通認識があったから「自転車部品の扱い点数ナンバーワン」っていう言葉が、課員みんなから自然に出てきましたね。

参考記事
コロナ禍の「自転車ブーム」追い風 (帝国データバンク プレスリリース)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000339.000043465.html

電動アシスト車が牽引、堅調な自転車産業(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20210728hitokoto.html

目標40000SKU!どう集める?どう配置する?

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ーー取扱商品点数を増やして40000SKUを達成するには、どんな取り組みが必要でしょうか。

:営業としては、ウチがまだ扱えていない商品を、扱えるように交渉する。基本的にはそれが仕事ですね。そして、市場にない商品はメーカーさんと協力して新しくつくる。ただ、ずっと取引がなかったメーカーさんに「御社の商品を仕入れさせてください」とお願いしても、すぐにオーケーというところばかりじゃない。他の問屋さんとのお付き合いもありますしね。

河田:メーカーさんによって方針が違うし、出荷や金額の単位が決まってたり、販売エリアが限定されてる場合も。販売方法の指定があったりもするね。1課と2課で情報共有しながら、協力して仕入れ先を開拓しています。

:お願いしても、毎回断られたり(笑)。でも諦めずに交渉するうちに先方の方針が変わって、「やってみますか」って歩み寄ってくれることも。

河田:展示会でお声がけしたり、今お付き合いのあるメーカーさんからご紹介いただいたり、出会い方は色々。でも初めての会社さんとお話させていただく機会が、今すごく増えてますね。

:今まで絶対無理だろうって思ってたメーカーさんにアプローチしたらうまくいって、商品の仕入れができて、その商品があるならっていうことで、今まで取引がなかった自転車店さんとも取引ができて。関係がガッと横に広がってきた。それがいくつもあるので、自分たちの方向性が間違ってない自信はある。

河田:リンエイの基幹システムも改修されて、メーカーさんの要望に合わせた出荷の設定ができるようになったしね。

:小売店さんの側も、リンエイに発注すればなんでも揃う、ひとつのカートで発注を終了できるから、楽だと思う。お客様満足度が確実に上がってる手応えはありますね。商品点数ナンバーワンを目指す意味はそこです、お客様に満足していただく。

河田:そのために、全社で、「自転車関連商品の総合商社」を目指す。

ーーなるほど、そうなっていくにあたって、商品管理部としての課題は? 40000SKUという目標を聞いて、熊澤さんはどう思いましたか?

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熊澤:今、リンエイの取扱商品はほぼ10000SKU。それプラス30000を5年間で達成するんですよね。現状では、倉庫のスペースにそこまでの余裕がないので、いやあ…って(笑)。でも目標を掲げた以上、クリアするために考えなきゃいけない。まず全部の商品を倉庫に置くこと。そして、全ての商品を置いた状態でも、リンエイの看板である当日出荷をちゃんとこなす。この2点が、僕の部署にとってはいちばん重要です。

:そうだよね。僕たち営業はとにかく商品を集めるんだけど、集めた商品をどうするのか。

熊澤:はい、というところで、新規の商品の置き方をまず考えてまして。倉庫の海外商品在庫備蓄エリアをまず真っさらにして、そこに配置しようかと計画しています。とにかく倉庫の場所を確保しないと、今のままでは、増えた分の商品は入りきらない。ただ、多いのは基本的に自転車の…なんていうんでしたっけ?

河田:自転車の補修部品かな。バスケットだったら、それに付随している取り付け金具とか。

熊澤:というような、要は小さいものが多いと聞いているので、それならなんとか。例えば今は鉄の商品ラックをメインで使っていますが、それだと、フロアにびっちり置いたとしても3000種から5000種の商品しか入らない。弱ったなぁと思っていたところ、最近段ボールのラックを見つけたんです。ある業者さんの倉庫で見学させていただいたんですが…。

:段ボール製のラックを。

熊澤:はい。それだと、細かいものしか入れられないけど、ケースと引き出しがセットになってて、どんどん組み重ねていけるし、ホコリも被らないし、コストが7割カットできるし。

河田:7割コストカット、それはすごいね。それならいける?プラス30000SKU!

熊澤:いや、計算上はプラス12000です。まだ足りなくて、またちょっと困ってたら、メーカーさんからアイデアをいただきました。人が入る隙間をつくらなくてもピッキングができる、薄型のラックをダーっと積み上げていけば、25000種超えるぐらいまでは置けるんじゃないかと。こういうのを色々組み合わせていけば、なんとか収まるんじゃないかと計画中です。資材メーカーさんとか、仕入れ先さんとかのネットワークを広げて、スペースの活用法を教えてもらっているんです。

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スペースを有効活用できる、段ボール製の商品ラック。湿気さえなければ耐久性もあり、軽くて扱いやすいのもポイント。

河田:南山大学さんの力を借りて、ロケーションを変えたりもしてるよね※。

熊澤:そうですね。発注点の整理とか。数学的に商品のロケーションを見直す取り組みもしています。例えば、過剰に在庫があるものは場所をとってしまうので、そこを見直したり。でも備蓄場所が遠くなれば、取りに行くのが難しくなるし。お客様が欲しいものがその日に取り出せない、そういう状況が起こらないように、バランスを見ています。

※リンエイでは南山大学理工学部データサイエンス学科 三浦研究室に依頼し、商品管理の課題解決に取り組み中。
RINZINE 第6回「産学共創で新しい道をひらく」 https://note.com/rinei/n/na0e2483729db

ピッキング、検品、梱包。一つひとつの作業を効率化する。

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ーー何万種類の商品の中から、ご注文いただいた一つのものを間違いなく探す。それって、すごい管理のプログラムですね。

熊澤:そうですね。その辺りも、作業スタッフが困らないように、仕組みを作っていかなきゃと思っています。商品数が多くなれば、探す作業は増えるので、それが出荷処理の時間に影響してはダメですから。商品を細かく分類しすぎても探しにくかったりしますしね。

:僕ら営業は、商品を獲得していくのは結構頑張れるんです。それを間違いなく出荷するところまで持ってくのが、実はすごくハードルが高い。

河田:新しい仕入れ商品をシステムに登録すれば、価格もすぐわかるし、お客様対応はできるようになるからね。だけど、商品の大きさを考えながら保管場所を決めて、ピッキングや検品や、梱包出荷のフローに乗せるまでとなるといくつも手順があるから…。商品管理部さんは大変だと思います。

:一つの商品に対して登録する情報が色々あるから。商品の画像がなければ撮影も必要だし、JANコードをこちらで設定したりも。一つの商品を登録して出荷するまで、1ヵ月はかかるのかなぁ。

熊澤:仕事量が増える部分もある。だから、この秋から組織が変わったんですよね。そうした仕事をやる部隊ができたんです。

:会社として、その動きは早かったですね。新体制を作ろうっていう。ただ漠然とできるぜ、頑張ろうぜっていうんじゃなくて、ナンバーワンになるために組織も変えて、本気で取り組んでる。会社の意気込みも伝わってきました。


ーーナンバーワン目指して、リンエイは常に変わっていく、動いていくんですね。組織も、商品管理のしくみも。

熊澤:管理の面では、例えばもうメーカーさんが扱わなくなった商品をある場所に固めるとか、常にロケーションは見直してます。

:中には、せっかく場所を覚えたのに!って言う人も…。

河田:もういなくなったよ(笑)。だって覚えなくていいんだから。指示書を見れば、初めての人でもピッキングできるんだから。

熊澤:前のやり方から変えるときは、慣れてないから、仕方ないですよ。でも「出荷の効率が上がったよ」と数字で説明すればわかってくれます。1日に50件だったのが、70件になったというように。あとは、隣の建物まで行かなくてよくなったし。ただ、1日に作業できる件数が人によって違うので、作業ごとに目標を決めてクリアできるようにしたい。次の課題ですね。

河田:そうか。取扱点数を増やしても、出荷処理数が上がらないと、お客様に商品をお届けできないよね。ピッキング、検品、梱包のなかでも、工程をさらに分けていって、細分化して効率をあげていく、ということ?

熊澤:そうですね。全員がいきなりスキルアップは無理だから、何名かプロフェショナルを作って、その人たちを参考に、と考えてます。

:商品管理も出荷も、ほんとに進化してるよね。昔は僕らも手伝ってたけど、今は行くと邪魔だなっていうくらい、システム的に動いてるね。

ナンバーワンは絵空事じゃない。実現に向けて、全員で一つになって進む。

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ーーナンバーワン、40000SKUという目標に対して、スタッフの皆さんの反応は?

河田:まず、40000SKUっていう目標数字ですよね。調査したところ、40000SKUの商品を扱うことは可能だと確認できました。それだけの商品数が市場にはある、つまり登録を増やせる、ということです。そこで、営業部では四半期ごとに3000件のSKUを登録するという目標を立てました。1課2課で話し合って、協力してやっていこう、と。そうすると年間で12000SKU。5年後40000SKUは全然絵空事じゃないんです。

:廃番になる商品もあるから、そのマイナス分も増やしていかないとね。

河田:自転車関連でも、自転車だけに使うものじゃない商品もいっぱいある。メンテナンス用のスプレーとか、工具類もですね。だから、僕は扱い商品を増やしていけると思ってる。四半期で3000SKUプラスは、あくまで目標ではあるけど、今のところ達成できそうな勢いではやれてるので、部内の雰囲気はいいですよ。

:業界で、常備在庫30000種という会社は、まずない。40000種行ったら確実に全国ナンバーワンだと思います。その意味でナンバーワンっていう目標はすごくいい。わかりやすい、みんなが一つの目標に向かって進める。

河田:一人ひとりが売り上げ金額目標を立ててた時は、その数字に意味を感じられなかった。統一性を持たせる意味では、やっぱりこの目標はインパクトがあるね。

: 40000SKU目指してみんなで頑張ろう、と言った方が、ハードルが明確にあって、組織としては進みやすい。

熊澤:会社のビジョン達成に向けて、自分の目標にもコミットしていこうっていうことですよね。40000SKU、No. 1ディストリビューターということなら、商品管理部としても協力できます。というか、全部門で取り組まないと達成できない。他社との差別化もできますし。ほんとにいい目標だと思います。

ーー皆さんが、実際にアクションを起こして前進していて、伺っているだけでワクワクします。

:ナンバーワン目指して、やってみたらできたっていうことが色々あるんです。さっきも少し触れましたが、某有名アウトドアメーカーさんと直接お取引できたりとか。

熊澤:うれしいですね。僕はアウトドアが好きだから。

河田:アウトドア用品全般を出されていて、自転車の部門もあるんだけど、そこが苦戦しておられたんだよね。

:自転車関連のものは専門的な知識が要るそうで、販売に苦戦されていた。自転車に実際乗っている人でないと、買いに来た方にアドバイスできないそうなんですね。そこで、御社のサイクル用品をウチに扱わせてくださいと申し出たら、「ありがたい」と言ってもらえて。

熊澤:色々お声がけする中で、メーカーさんの課題も見えてくるんですね。僕の部門では、その商品を確実にお客様に届けるシステムをつくります。そうやって、協力してやっていければ楽しいですよね。

ーー40000SKU達成の、その先は見えていますか?

堤・河田・熊澤:単純ですよ。次に来る変化を探して、先回りして対応するだけです!!

【インタビュー 控え室】

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リンエイ株式会社 営業促進部 営業1課 課長 堤 直樹(中)
なんのために商品点数ナンバーワンを目指すのかっていったら、お客様のため。商品をあっちこっちから集めるよりも、リンエイ1社で全部発注が終わるように。でないとナンバーワンを目指す意味がないですよね。

リンエイ株式会社 営業促進部 営業2課 課長 河田幸康(左)
販売店さんには「また新しいがのきたの」って言われたり、「これが欲しかった」って言われたり。「こういうのが欲しい」と仕入れ商品のヒントをいただくことも。お店によって好みが違うので、対応するにはラインナップがないと、です。

リンエイ株式会社 商品管理部 課長 熊澤圭紘(右)
僕は、自転車に興味があるかっていうと、実はあんまり…。商品管理を仕事として極めたい。キャンプは好きだから取り扱い商品が増えるのはうれしいけど、一つのものが大きいのでスペースの活用法で悩みますね。

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