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それ、プールの監視員じゃない?

介護の現場は、利用者にとっての暮らしの場。

スタッフたちは、安全安心の暮らしを保証するための必要な資源を揃え、サービスを提供する。

そして、その現場で必要になる技術がある。
それは見守り。

見守りとは
常時目を離さず、危険がないように気を配ることを意味する語。 小児および高齢者を保護することを指して用いられることが多い。

この見守りは、食事、排泄、入浴などの各場面に始まり、日中提供する作業やレクリエーションにも必要になる。

この時に陥りやすいイケてない態度がある。
それは、監視。

監視とは
不都合な事の起こらぬように警戒して人の動きなどを見張ること。

心当たりはないだろうか。
スタッフが定位置に居座り、そこから、利用者の様子を見守る状況。突発的な動きはしないか、転倒しないか、不測の事態に備えている人。これって監視じゃん。

見守りと監視は、見た感じ似てはいるが、この決定的な違いは

「気を配る」のと、「見張る」ことである。

つまるところ、気配りと見張りの態度を使い間違えると、見守りにもなりうるし、監視にもなりうるということだ。

では、監視にならない見守りの型とはどういったものなのか。

結論、「五感で360度観察」だ。

詳しく解説する前に人間の視野には限界があり、視界も同様に限界がある。当たり前だが、その場でじっと居座り、目の前の様子を眺めているだけでは、「見えない範囲」が出てくる。

監視の肝である「見張る」には、この「見えない範囲」の根本的解消は望めない。
「見えない範囲」は、気配りで解消しなければならない。

例えば、立っているあなたの目前に、ソファへ座っている利用者。その利用者は顔を伏せ、ブツブツ呟いている。

ここで気配りするためにやることは、シンプル。

「動く」こと。

隣に行く。
かがむ。
覗き込む。
離れてみる。
周囲の環境を観察してみる。などなど。

すると、表情や目線、ブツブツ呟いている内容が分かるはずである。気配りして、見えない範囲も知り得たことで、適切な支援の手が打てる。

動いて五感で360度観察が、見守りというわけだ。

動こう。聴こう。

監視員になるな。支援員であれ。


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