一瞬で消えた一目惚れ
怒っているのか
哀しいのか
寂しいのか
怒るのは期待したから。
悲しいのは理解できないから。
寂しいのは私とあなたに共通点がなくなったから。
どうしたらよかったのかわからない。
もっとうまくできたのかもしれない。
どこで間違えたのか誰か知ってたら教えて欲しいな。
あまり覚えてないけど、断片的に出逢った時のことを思い出す。
笑い合った時間のほんの一部がよみがえる。
というより、断片的な風景や表情しか思い出せない。
横顔、しぐさ、声、少し照れた笑顔…。
名前をつけるなら、「久しぶりの初恋」みたいな感じだったよな。
* * * * *
大学時代、英文学にかじりついていた私の思い出に
『夏服を着た女たち』アーウィン・ショー著
がある。
本当に切ない、男と女の切ない性(さが)が細かーーーく描かれている。
絶妙な描き方。洗練されている作品。多くの男女がきっと一度は考えたことがある異性の本能を鋭く描いている。
最初はコミカルな夫マイケルの浮気性な言動。すれ違う女性がいかに綺麗かをわざわざ分析して妻フランシスにあーだこーだと聞かせてしまう。
奥さんフランシスからすれば、憎いのに嫌いになれない。
女性らしくも自分がいかに相手を愛しているか懸命に表現する。
しかし、物語後半で男女の本性がより本質的に描かれる。
男はできれば気になる女性はすべてを手に入れたい、見つめる女の子を自分のものにしたいと言うマイケル。
感情のない声で呟いた後、一度は感情をあらわに泣きじゃくるも、夫の態度を伺ってもう感情を露わにはしないフランシス。
そして、物語のエンディングは、マイケルがもはや他の女性と同じようにフランシスの脚を綺麗だなと思考する描写で終わりを迎える。
愛する女性を傷つけた次の瞬間でも、綺麗な女性に目を輝かせる男。
愛する男性の本心を知った瞬間、無表情になる女。
本作の魅力は、いわゆる男女それぞれのどうしても分かり得ない孤独が描かれている点かもしれない。
* * * * *
怒っているのか
哀しいのか
寂しいのか
今でもよくわからない。
でも、『夏服を着た女たち』のマイケルに出逢ったことがあるから、私の孤独は重症ではないのかもしれない。
ただ言えるのは、怒り、哀しみ、寂しさは今でも愛する相手でなければ湧かない感情に思う。
たとえネガティブな感情でも、想いがある限りはその人がまだ心の中にいると思いたい。私は女だから。
* * * * *
唐突な文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今回の記述も、LGBTQ、男女という垣根を超えて活動されている方に対し、不快な部分があったかもしれません。
いち文学、心理学の考察として、ご容赦いただけますと幸いです。
今後も、自分らしさという名目で、気ままに文章を書いていくと思います。
わがままにお付き合いくださる方はぜひまたお会いしましょう。
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