わたしはいきなり 当事者 になった。
違和感を感じたのは、
周りと違う、と感じたのは、
ここ最近の話だ。
先に言っておくが、
わたしはたぶん、アセクシュアル だ。
アセクシュアル 、とは
いわゆる、LGBTQ+ 当事者だ。
そんなこと考えたこともなかったのに、
遠い世界の話だと思っていたのに、
ある日起こった1つの出来事をきっかけに、
点と点が線でつながってきた。
***
バイト先にいる、年下の男の子。
そう、前記事で話が合わないと言っていたあの男の子。
3回目の食事の帰り、私は告白された。
前記事にも書いた通り、話は相変わらず 合わないような、合うような。話すたびに楽しくはなっていたし、「ほんまかわいい。」と毎回言ってくれることに悪い気もなかったし 断る理由もなかったので、お付き合いしてみようか、と彼の気持ちに応えた。
このとき、私は特に 好きだ という気持ちはなかったけれど、だんだん好きになれるかなー、とたかをくくっていた。
だけど、結局 私は彼を好きになれなかった。
いや、違う。
好きな気持ちがわからなかった。
…あれ、好きになるってどんなことやっけ。
大学1年の夏、友達だと思っていた男友達と花火大会に行ったとき
人混みの中 突然手を繋がれた。
…とっさに手を離してしまった。
高校生のとき、仲良くなった男友達と
何度もご飯に行ったけれど 恋愛関係にはならんかった。
中学生のとき、はじめて付き合った男の子のこと
…私はちゃんと好きだっただろうか。
あれ、
私 異性のことちゃんと好きになったことないんじゃない?
恋愛してるようで、してなくない?わかってなくない?
小学校1年生の学校初日、突然話しかけてきて
6年間 隣にいた男の子のことは、好きだったし、
何なら今も好きなんだけど。
それは、中学卒業まで近くにいた安心感と
小学校の時に話していた将来の夢を、
追いかけ続けて、今 まさに叶えようとしている姿に尊敬するから。
推しも男の子だけど、
一目惚れではなくて、性格が世界でいちばん良いと思うような 優しさと芯の強さを持つ 人間性に惹かれて、人として尊敬するから。
そうだ、
私は人のことを 「尊敬できるか」という指標で見ているんだ。
それに男も女も関係ない。
そんなことに気づいてしまったのだ。
***
それから調べてみると、
アセクシュアル という言葉を見つけた。
これだ、と思った。
新聞にもアセクシュアル に関する記事を見つけた。
共感できた。
化粧も服も興味がない。
一般の女子のように異性によく見られたいとか思ってないからじゃない?自分が満足していたらそれでいいから。
恋愛ソングやドラマもあまり得意ではない。
なんだか、遠い世界のようで。共感ができないから。
女性の幸せが「結婚」だと言われることに違和感がある。
「結婚」がすべてじゃない。
仕事だって、趣味だって、自分の名字だって、
変えたくない。
人の幸せは、その人それぞれでしょ。
私の考えと行動が、
今までの違和感の点と点が1つの線になった、
そんな気がした。
今までの違和感が、ストンと落ちた
そんな気がした。
私は、アセクシュアル だ。
これからどうなるのかわからない。
もしかしたら、好きな人ができるかもしれない。
だけど、今のところはそうらしい。
そう、私は突然 LGBTQ+の当事者となった。