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【視覚情報処理過程】人は何を見ているのか?

こんにちは!

久々の投稿になってしまいましたが、今回もこの場を借りてアウトプットできたらと思います。このnoteはあくまで自己満足です!それでも興味をもって見て頂けたら幸いです!


テーマ
視覚情報処理過程

視覚情報処理過程って聞くと、なんか堅苦しい感じがしますが簡単に言うと、「ヒトがどうやって物事を見ているか」です。


以前からのnoteでも、フィットネスやスポーツに関連した記事を投稿してきました。特に、スポーツをしている方にとって身体の発達は欠かせませんが、それだけで試合に勝つほどスポーツは甘くありませんよね。今回、扱う「見る力」というものはパフォーマンスに大きく関与します。もしかしたら、フィットネスレベルより重要なファクターかもしれませんね。


1.大まかな流れ

感覚情報はまず外界からの刺激を受容器が受け取り、中枢神経系に伝わり、意識的・無意識的に認知となります。そして、判断を下し、α運動神経から骨格筋といった効果器において実行という過程をたどります。

視覚経路においては、眼球(網膜)が受容器となり外界の情報を受け取り、電気信号に変換します。そして、脳内で認知され様々な情報が統合され、判断・実行に至ります。

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2.眼球における視知覚

まずは解剖学的に見てみます。

眼球は以下のような球体で、入ってきた光が網膜に当たります。ただ、直線的に光が入ってくるわけではなく、微調整をしながら光を捉えます。よく眼はカメラのようだと比喩されます。僕も詳しくはないですが、カメラも被写体の距離や明るさによって調整しますよね。それと同じです。

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水晶体はレンズの役割をしています。
近くを見るときは、この水晶体が分厚くなり、逆に遠くを見るときは水晶体が薄くなります。凸レンズは厚みが大きくなると屈折率も大きくなり、近距離で焦点を結びます。逆に薄くなると屈折率は小さくなって、焦点も遠くなります。

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3.視覚情報が脳内へ

次は、知覚された情報が脳内に伝達されます。

網膜にある視細胞は、外部から入ってきた”光の情報”を、”電気信号”に作りかえる「情報変換装置」です。別名を、「光受容体細胞」ともいいます。

網膜の視細胞には、2種類あります。それは、「捍体(かんたい)細胞」と「錐体(すいたい)細胞」です。(「捍体」は「杆体」とも書きます)

桿体細胞…明暗を感じ取る
錐体細胞…色を感じ取る

錐体は主に中心窩付近 10°ほどに分布し,杆体は 20°付近が最大となります。 このため,夜空で暗い星を観察する場合,周辺視で見た方がよく見えることがあります。 

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桿体・錐体細胞がキャッチした光と色の情報は、デジタルな電気信号に置き換えられて視神経に伝わり、脳の視床へと送られます(その際、両眼の視神経の内側半分は途中で互いに交叉します)。脳の視床に到達した信号は、最終的には大脳皮質の視覚野に達し、そこで光と色が合体した像となって結ばれます。

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4.視覚情報の認知

少しざっくりした図になりますが、網膜から大脳皮質への主要な中継部位は視床の外側膝状体であり、この外側膝状体を経由する視覚経路を膝状体系と呼びます。

続いて、視覚情報は外側膝状体から後頭葉の一次視覚野(V1)へと伝えられ、その後、二次視覚野(V2)に至ると、側頭葉へと向かう視覚経路(腹側視覚経路)と頭頂葉へと向かう視覚経路(背側視覚経路)に分岐します。

紫・・・腹側経路
緑・・・背側経路

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〈背側視覚経路(背側経路:dorsal stream)〉
・where system(どこ系、where系)と呼ばれ、外部座標、動きの分析が行われる
・対象の位置や運動の情報を意識に上る形で処理し,それらの知覚や対象の意識化に関わる
・How system(いかに系、How系)と呼ばれ、位置・形・運動の分析(無意識の行為の形成)が行われる
・対象の位置や運動,そして形の情報をあまり意識に上らない形で処理し,適切な行為を引き起こす「いかに系」の働きを担う
〈腹側視覚経路(腹側経路:ventral stream)〉
腹側視覚経路は主に外界の物体の形状を認識することに貢献する
・側頭葉下面へ向かう経路
・what system(なに系,what系)と呼ばれ、物体の形態認知(物体認識)が行われる
・視覚情報を対象の色や形の情報処理を行う。
・ものが何かわかるためには、色や形が重要なので、腹側経路ではそれらの情報を対象の知識(意味記憶)の存在する側頭葉先端部へ伝え、対象の同定に関わる。

背側経路は動きや位置などの処理に関わり、腹側経路は物体の形や色の処理に関わる。


5.眼球運動

簡単に、以上のような経路を経て認知されます。

しかし、スポーツ活動中においては刻々と状況が変化し見るべきものを目でしっかりとらえないと、そもそも認知することも難しいです。

そのため、ヒトは意識・無意識的に眼球を動かしています(頭部運動もあります)。今回は特に扱われることの多い滑動性追従眼球運動(パーシュート)と衝動性眼球運動(サッカード)、輻輳・開散眼球運動について話します。

滑動性追従眼球運動(パーシュート)
・ゆっくりと動く目標を追うときの眼球運動。
・目標の動きが速くなり目で追えなくなると、サッカードに変化する。
・熟練したアスリートでは、その精度が高い。
衝動性眼球運動(サッカード)
・速く動く目標に素早く視線を合わせる眼球運動。
・過去の経験によって予測して起こる。
・野球のバッターは無意識に予測サッカードによって、ボールの先に視線を置く。
輻輳・開散眼球運動
・両眼視を維持するために左右の眼球を逆方向に動かす眼球運動。
・輻輳眼球運動は、近くを見るときに視線が内側に寄るもの。いわゆる、寄り目。
・開散眼球運動は、遠くを見るときに眼が外側に開くもの。

ざっくりですが、こんな感じです。特に運動中は無意識に行われることが多いので、実感はわかないかもしれませんが、このような視覚探索戦略を用いることで目標を眼で捉えます。


6.おわりに

いかがでしたでしょうか?

僕自身もまだまだ勉強中なので、把握できていないことが多々あります。これから少しずつ視覚情報処理や眼球運動などの論文の紹介をしながら勉強できたらと思っています。

今回の記事で少しでも、「興味が湧いた・理解が進んだ」ということがあれば幸いです!

最後まで読んでいただきありがとうございます。




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