外食もサステナブルな時代。オランダ・ユトレヒトの循環型レストラン
突然ですが皆さん、最近いつ外食しましたか?
日本の外食率(=家計の食費のうち、外食代が占める割合)は34〜6%とけっこう高いようですが、飲食店で食事をする際には食材調達や調理における安全面、環境面(どんな食材が使われているのか、どれだけのごみが出ているのか、など)において詳しく知ることが難しいことがほとんどではないでしょうか。
今年6月に「日本サステイナブル・レストラン協会(SRA)」が飲食店をサステナビリティの観点から評価する活動を開始し、今後日本でもサステナブルな外食のあり方が広まっていくことが期待されますが、現時点では「ここの取り組みはサステナブルだ!」と言える飲食店はまだ少ないです。
さて、サステナブルな外食のあり方とはどんなものなんでしょう?
オランダ・ユトレヒトにあるレストラン"The Green House"を例として考えてみます。
(ユトレヒトといえば、街のバス停の屋根を緑化してミツバチの蜜源を増やしたことが最近話題になっていましたね。ユトレヒトに限らず、オランダは環境に対する粋な取り組みが色々あるように感じます。)
さて、こちらのレストランですが、"グリーンハウス"という名前なだけあって農業用のグリーンハウスを彷彿とさせるガラス張りになっています。
店内は天井が高く開放的で、壁一面に育つ緑もキレイ!これだけ見ると一般的なおしゃれなレストランのようですが、実は店内や食材には環境に配慮したこだわりがたくさん。3つのキーワード、アーバン・ファーミング/ゼロウェイスト/サーキュラーに沿って、The Green Houseの取り組みを見ていきます。
アーバン・ファーミング
なんとThe Green Houseの店内にはアーバン・ファーム(直訳すると"都市の畑")があります。とはいえ一般的に想像する"畑"とは違って、レストランの2階にあるこちらの室内設備で野菜やハーブを栽培しているんだとか。
都市の食は地方で育てられた農作物に頼りがちで、輸送による鮮度の低下や環境負荷が問題視されることもありますが、ここは店内のアーバン・ファームのおかげでレストランで使用する野菜の1/4をフードマイルゼロで確保できているそう!
↑ハーブティーと、セロリアックという根菜を使ったベジタリアン・シャワルマ(ケバブに似たレバノン料理)。どちらも店内のアーバン・ファームで採れたハーブを使用。
そのほかの野菜も、ユトレヒトから半径5km以内の地域で調達しているようです。アーバン・ファームは、そういった野菜の鮮度を保持する場所としても機能しているんだとか。
(室内栽培にも多くの水やエネルギーが必要となりますが、雨水を集めたり太陽光発電をしたりしているようなので、それでできる限り負荷をおさえているのかと。)
ゼロウェイスト(ごみゼロ)
2つめのキーワードは「ゼロウェイスト」。3R(リデュース・リユース・リサイクル)を徹底して、ごみをできるだけ出さない取り組みです。
キッチン内でのシェフたちの努力だけでなく、テーブルでもそのポリシーを感じることができます。例えばナプキンが紙ではなく布製だったり、
キャンドルまでもが、ピクルスの空き瓶と調理油を再利用したものでした。
サーキュラー(循環)
The Green Houseの取り組み全体を言い表すのが、まさに「サーキュラー(循環)」という言葉。
「To us, circularity is fun and delicious!(私たちにとって、"循環"は楽しくって美味しいこと!)」と言っているように、大切な資源や食材を無駄にすることなく大事に循環させながら、訪れたお客さんに美味しい食事や楽しい体験を届けています。
サステナビリティ、ゼロウェイスト、などの言葉は聞き慣れていなければ「なんだかよく分からない!」と感じる人も少なくないと思いますが、The Green Houseのような素敵な空間で美味しい食事をしながら、これからのビジネスや個人の生活のあり方について考えるきっかけに出会えるといいですよね。
ちなみに...
こちらのレストランのショップカードがまた面白くて、植物の種が含まれた紙製なんです!。
土に埋めると発芽して、植物が育つみたい。循環ですね〜!
以上、オランダ・ユトレヒトのレストランThe Green Houseのご紹介でした。
あなたが理想とする"サステナブルな飲食店"はどんなところですか?
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◉参考資料:外食産業データ集 2018年版
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