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レシピ、産みの苦しみ【ヒレカツ】編

レシピ開発と実際に作って見せる仕事

簡単にできるものと、そうでないものがある。
何事もそうだけど、レシピを仕上げることもそう。

一発で「うまっ!!」と完成するレシピもあれば、
何度作っても「これじゃない( ;∀;)」と絶望するレシピもある。

最近、「こんな料理を簡単にできませんか?」というオファーをいただきました。
ご家庭でなかなか作らない料理たちを「これならできそう!」と思ってもらえるレべルのレシピ開発です。

大きな声じゃ言えませんが、私だって料理が得意でも豊富な知識もないくせに・・・です。
でも逆にそれこそ私の強味でもあり、「できない人目線」「めんどくさいと挫折するポイント」が我が身のこととしてわかるのです。

つまり「私に出来るんだから、皆さんだってできますよ!」って胸を張って言えるのであります。

でも、そこに達するレシピに仕上げるまで。すんなりいくときもあれば、ヒーヒーフーと何回も苦しむときもあります。

まずは「ヒレカツ」レシピの宿題です


実は私は「無水調理なべ」を使っているので揚げ物全般は蓋をして作ることができます。

そのメリットは、
少量の油で「蒸し揚げ」できる
油跳ねを防げる
しっとり仕上がるなど・・・いいとこだらけなのですが、
かといって実演販売でもメーカーの回し者でもないので「同じ調理器具を用意して下さい」とは言えません。

ですから、皆さんのご家庭でいつも使っているフライパンを使うことが前提です。
そしてそこから、私がいつも食べているような美味しい揚げ物をどうやったら再現できるか・・・
最近ずっとお試ししていました。
ここ何日、何度ヒレカツ(失敗作も含め)食べ続けたか・・・(遠い目)

「揚げ物」を敬遠するポイントとは?


小麦粉・卵・パン粉の準備→めんどくさすぎる
揚げ油の処理→大量の油はもったいない&片づけの手間
揚げ時間がわからない→ちゃんと火が通ってる?
美味しくできない→パサパサ、ベットリなど

これらの「敬遠ポイント」について
奥さん!
全部(というのは語弊がありますが)ほぼすべて
失敗や後悔がなく解決できました!


試作した後の食卓にて・・・
(一部ヒレカツを切っているのは、火の通りを確認したためであります)

ひれかつ

【ヒレカツ レシピ】
<材料>2~3人分
・ヒレカツ用豚肉・・・200~300g程度(1.5センチ幅に切る)
・塩コショウ・・・適量
・小麦粉・・・適量
・卵・・・1個(油小さじ1を足して溶く
・パン粉・・・適量(私は乾燥パン粉を使用)
・揚げ油・・・フライパンに5ミリ

<作り方>
・ヒレカツに塩コショウを軽く振って小麦粉→油を溶いた卵→パン粉を付ける
・フライパンに深さ5ミリ程度の油を熱し中火で加熱し、パン粉を落としてシュワシュワ浮き上がるまで温度が上がったらカツを入れる
(この時カツは半分油に使っていればOK)
3分30秒揚げたらひっくり返して2分揚げる

という手順であります
このレシピ、名付けて「半身浴ヒレカツ」
半分だけ油に使っていればそれでOKだからです。

ポイントは・・・

小麦粉、卵、パン粉の王道はやはり捨てがたし!
実はこれを省きたくて、バッター液と言われるものやマヨネーズで代用などためしてみましたが、私はどちらも美味しく感じませんでした。
また揚げている時に衣がはがれてしまうこともあり不採用。
結果、王道スタイルに戻りました。

ただ問題なのはそれぞれ「微妙に余って捨てるのに気が引ける」「何かに再利用できないか?」ということです。

→小麦粉は肉めがけて大さじ1程度、軽くまぶす程度なのでロスも少ないと思います。逆に卵とパン粉は微妙にあまりがちです。

あまった卵とパン粉の有効活用
一番おススメは「両方ともひき肉に混ぜてハンバーグにする」です。
ただし、溶いてしまった卵は劣化が早いのでハンバーグ種にして冷蔵か冷凍保存まで同時にやってしまうのがおすすめです。
無理なら溶き卵とパン粉は翌日まで冷蔵で保存し、翌日には必ず使うようにしましょう。
要は、溶いた卵はその日のうちに使い切るのがベスト。冷蔵保存しても翌日までがベター、その後は必ず加熱調理に使う事!です。

もう一つの方法は・・・
溶き卵は味噌汁などに入れてその場で消費。パン粉はフライパンで乾煎りして塩コショウ(あればガーリックやハーブをまぜて)「パン粉の乾燥ドレッシング」としてサラダやシチューにかけて使えます。
オイルベースのパスタのトッピングやポテサラの具としても、マジで使えます!「パン粉の乾燥ドレッシング」は瓶に入れて常温で1か月は余裕で使えるのでぜひお試しを♡

溶き卵には油を入れて、しっとり柔らかな仕上がり!
これは小さなことですが、大きな違いを生み出します!
ちなみに生肉の段階で筋を切ったり包丁でたたいたりもしていません。
切ってそのままでもこの工程を取り入れれば、ビックリするほど柔らかく仕上がります!

揚げ油は5ミリでいい
26センチフライパンなら200mlあれば十分すぎます。
当然小さければ小さいほど、使う油は少なく済みます。
一番小さなフライパンで2回に分けて揚げるのもおすすめです。
私は一度使った油の再利用はしません。酸化した油を摂りたくないからです。ですから、使い終わった油は「吸い取る派」です。

私はこんなのを使っています(1個で十分です)
1個当たりの単価は15円程度なので、リッチな気分な時は2個使って完全に油を吸い取ってしまえば、あとは食器用洗剤をざっと回し入れてシャバシャバさせればフライパンはきれいになります

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中まで火を通すのは時間を計ればいい
私はスマホのストップウォッチを使っています。キッチリと秒単位まで図りませんが、油に入れて3分30秒をそのままその後ひっくり返して追加で2分・・・合計5分30秒たったら取り出します。
2回に分けて揚げる場合でも、2回目も同じ時間でできます。

どうですか?
揚げ物のめんどくささを無くすために、オーブンやグリルでパン粉をくっつけて焼く・・・と言う方法もありますが、やはり揚げ物は油で揚げたいです。

出来る限り簡単にしてみました。
そして想像を超える美味しさです。
実食してみて感動しました。

皆様の食卓のお役に立てれば幸いです♡

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