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「女性」という言葉に違和感を感じ、たどり着いた場所

※この記事は、2019年時点でのものです。


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「あなたには女性 or 男性として扱われると、どこか違和感を感じることはありますか?」

私にはある。あるのだ。幼い頃から少しずつ膨れていた違和感。今まで決して誰にも言わずにいたもの。

そういえば、子供の頃。公的な用紙にある性別欄で男・女の間にある「・」に丸をつけたことが一度あった。だが、そこに丸をつけないだとその時に教えられて以来、そのまま「女」に丸をつけることが当たり前だと思っていた。

私はシスジェンダー女性として、身体的にも社会的に女性として、これまでずっと女性として生きている。周りの人たちからは声が高いからか、女性の中でもふわふわとした雰囲気で、恋愛が好きそうな人物だと勝手に思われているらしい。けれど、女性と文字を見るたびに違和感を感じてしまうのは何故だろう。なんとなく感じてきた違和感と、ここ最近向き合うことが多い。



そうして、改めて性別や性自認について考え直すことにした。

私は女性の身体には違和感はないが、女性としてという表現が苦手だ。「私は女性だ。」と自分に対してハッキリと言うのも好きじゃない。「女」という言葉も、自分を表現する言葉として出来れば使いたくない。だが、使いたくないが相手から求められれば、「女」という言葉を使う。

ならば、そういう私には何の表現が一番合うのだろうか。答えは身近な人物の一言で表されていた。

そう、それは宇宙人。



20代半ばのころ、今から数年前。私は発達障害で変わっている自分にと向き合い、ずっと悩んでいた。普通=良い女性として生きると思い込んでいた頃である。この頃はほんとうの自分を抑えてまでも、普通に生きることが普通以下の人間として目立たないように生きるために必要なことだと勝手に思いこんでいた。

「何故、こんなにも変わっているのが目立つのかな…?普通じゃないからだよね。もう生きるのが嫌だ…。」

妹の前で変わっている自分に対しての泣きそうになりながら、愚痴をこぼしていた。そしたら、妹がこう言ったのだ。

「え?宇宙人だと思えばいいんじゃない?地球にいると思うから辛いのだよ。ほら、火星人とか!火星人とかいいんじゃない?」

この妹が何気なく言ったおもしろい言葉が、私の普通への拘りが少し壊れていく良いキッカケでもあった。

それ以来、私は変わってる自分=宇宙人的な要素で自分のことを見つめることができた。そういう宇宙人的な考え方をすることによって、普通への拘りが徐々に減っていく。そのキッカケもあり、理想の「普通」という壁が崩れる。

理想の「普通」の壁が崩壊した後、私は宇宙人的な要素を持つ自分を好きになってきたのだ。もはや、「普通」というある種の呪いの言葉は、宇宙というレベルで考えるとどうでもよくなるほど、宇宙人にはその言葉は通じない。通じなくていいのだ。それが宇宙。

でも、宇宙人も地球にたまに来ては地球人として周りに求められる私の格好をする。地球人ファッションと地球人としての役割。だが、地球にあまりいると色々なものに縛られて疲れるから、嫌なときは自分の星に戻る。そして、何にも囚われない自分の星から、遠く離れた地球に向けて自分の想いを発信する。そんな宇宙人な生き方が、私は好き。

未確認生命体的な。誰にもまだ知られていないような。孤独とは違う感覚。好きなときに自分の世界にいられるような。好きなときに殻にこもれるような。


誰にも自分のことなんて100%はわからない。理解できない。それが当たり前だと私は思っているからこそ、その生き方がとても合う。今まで散々「変わり者」扱いされ、時には障害者だからって向けられる言葉や視線を浴びて、社会的に否定された自分が本当に生きていていいのかわからなくなった時が多かったからこそ、なのか。

もう、周りに惑わされたくない。だから、性別なんかに囚われたくない。

けれど、女性の身体で生まれている以上、性別で色々と決められてしまう世の中で生きているのもまた事実だ。「女性だから」「男性だから」の壁はなかなか崩れないのが今の社会。しかし、自分の性別を公の場所以外での自分から表現する言葉くらいは、自由でもいいはず。

世の中は、見た目は男性だったり女性だったり2種類の人間しかいないように見える。しかし、一方では見た目は女性だけど、宇宙人だと思って生きている私もいる。男性と女性。マジョリティとマイノリティ。ついつい、人びとは見た目や属性だけでジャッジする。けれど、人それぞれの背景があって、「あの人は男性でマジョリティ属性だから…!」なんて、ひとは決めつけられない。だが、人びとはついつい決めつけて答えを出したがる。そんな私も、女性という言葉をある意味では決めつけて見ているのかもしれない。けれども、そういうのから少しでも逃れたい、そういう気持ちも込めて宇宙人という言葉に縋っているのかもしれない。私は一体なんだんだろう。その答えを求める旅はまだまだ続く。


そして、女性という言葉に対して違和感を感じる旅は次へ向かう。



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