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高速戦隊ターボレンジャー、第48話「流れ暴魔の秘密」

「小夜子を助けてやってくれ…。流れ暴魔の本当の心を分からせてやってくれ…。頼む。あの若い流れ暴魔たちをな…。」

これは流れ暴魔の始まりのストーリー…。
※以下、カシムのセリフ。

左から流星 光、月影 小夜子、そしてカシム
カシムの愛ある昔話がここから始まる。


遠い遠い昔の事じゃ。

暴魔百族が人間や妖精たちと戦を始めた時、1人の傷付いた暴魔を1人の美しい娘が救ったんじゃ。

暴魔百族で一番凶悪な暴魔獣キメンボーマは、その優しさに驚き、たちまち心を打たれてしまったんじゃ。

その娘は暴魔の中にも心の通じる者がいる事を知ったが、人々はキメンボーマを許さなかった。

そこで娘とキメンボーマは、深い深い山奥へ身を隠した。

いつの日か人間と暴魔が仲良くなれる事を願ってな。

やがて、子どもが生まれた。

2人はその子どもが海のように広い心を持った優しい子に育つ事を祈ったんじゃ。

それが、流れ暴魔一族の始まりなんじゃ。

流れ暴魔とは、人と暴魔とを繋ぐ者なんじゃ。
人と暴魔とが仲良くする事。
それこそが、キメンボーマと美しい娘の願いだったんじゃ。


テーマは”海のように広い心で…”

流れ暴魔の生き残りだというカシム。
ヤミマル・キリカに近づき、闘いを止めるように諭し続ける。善・悪の繋ぎ人へ導く為に…。

「流れ暴魔とは、戦うものにあらず!本当は、この世に愛と平和をもたらす者なんじゃ!」

カシムの助言に聞く耳を立てようとしないヤミマルもキリカ。
再び変身する能力を再び得る為に自らに試練を与え続ける。

悲しみすら感じられる、二人のシーン。
試練=変身への近道と思い、雷に打たれようとしている。


「稲妻よ!我を撃て!稲妻よー!」
「嵐よ来い!稲妻よー!俺を変身させてくれー!」

暴魔大帝ネオラゴーンはヤミマルのそんな声も聞き漏らさない。
”そんなに変身したいのなら…”と
ネオラゴーンはゴムゴムボーマを利用し、ヤミマルを暴魔獣へ変化させてしまう。

憑依するモノにより完全体になる特殊な暴魔獣。
ヤミマル、キリカ、さらにはズルテンにまで憑依する。


何とか人間の姿に戻そうとする小夜子キリカだったが、反してゴムゴムボーマの技を受け、自身もゴムゴムボーマへ変化しそうになってしまう。

彼らの気持ちの中の争いをしないという優しさは完全に消えていた。

そんな彼らを見ても、カシムは2人を助け、人の姿に戻し、そして再び諭す。

カシムを動かしていたのは”愛”。

カシムの正体は、実はキリカの父親(キメンボーマ)であった。
彼が親として小夜子にあげた、最後の”愛”。

尚、今話の神セリフはそんなカシムの親としての想いと愛が込められた、小夜子へ向けた最期のことばを選ばせて頂いた。

神セリフ

「違うぞ!流れ暴魔は、人と暴魔をこそ繋ぐ者なんじゃ!」

by.カシム(キメンボーマ)

”海の様な広い心で”カシムと小夜子の母の願い。

海は大陸と大陸を唯一繋ぐモノ。
人間界と暴魔界を繋げる存在になってもらいたい。
カシムも小夜子の母も、そう思っていた。

しかし、ヤミマル・キリカ小夜子の闇は深かった。

海は広いが深い…。

彼らに光が届く為には、彼らが人間に近寄るしか無い。

だから、カシムは暴魔獣として全力の優しさ、そして愛で彼らに伝えた。

”暴魔でも優しさを持つ事ができる”という事を。

そんな優しさはキリカに僅かに届く。

彼女がターボレンジャーに放った月光剣のビームからは哀しみも感じられた。

どんな人でも優しさは届く。

近づこうとする想いがあれば、優しさは性格という大陸も超えられる。

いつか、全ての人が浅瀬で遊べる日が来ますように。

カシムへの追悼の意を込めて。

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