FAR1-3 11.Notes Receivable and Payable

〇金銭貸借に手形が用いられるとき
→手形を用いる時は支払期限が1年未満のものか、1年より先のものかによって会計処理の方法が異なる。

1年未満
→現金の貸手が受取手形(notes receivable)、借手が支払手形(notes payable)を計上する。
※現在価値の概念は適応しない。

1年より先
→社債(bonds)に準じた会計処理を行う。
※現在価値の概念を適応する

例外として、手形が用いられる特別なケースとして「明示されていない権利(unstated rights and privileges)」が伴う場合がある。
→お金を貸してあげる代わりに、「通常の価格よりも安価に商品を供給してもらえることとする。」というような文言が明示されていない権利である。
この場合、受領した現金の一部が金銭貸借であり、一部は商品代金の前受け(deferred revenue)と考える

ローン設定手数料(loan origination fee)はDiscount on notes receivable として計上される。

〇金銭貸借以外の取引で手形が用いられる場合
→手形はサービスや商品に対する支払いとして使うことができる。額面(face amount)が設定されているが、市場における取引は必ず時価(fair value)をベースに行われる。したがって、サービスや商品の時価とその手形の額面が等しくない場合はプレミアムやディスカウントが計上されることとなる。

手形の価格を決定するルール

手形の利率が合理的とされている場合
手形の額面は現在価値に等しいと考え、プレミアムやディスカウントは行わない。

手形の利率が合理的でない又は明示されていない場合次の優先順位で決める
商品やサービスの公正価値とし、額面との差額はプレミアムやディスカウントで調整する
→商品やサービスの公正価値が存在しない場合は、手形の公正価値とする
→商品やサービス、手形にも公正価値が存在しない場合は購入者の限界借入利子率(incremental borrowing rate)を帰属利子率(imputed interest rate)として手形の現在価値を計算する

※Zero-interest-bearing noteは金利表示のない手形のこと
 Non-interest-bearing noteは無利息の手形のこと

〇問題債権の再構築-有利子負債の決済
→現金による通常の形態での負債の返済が不可能になったため、土地などの現金以外の資産を債権者に引き渡すことで決済を行うこと。

会計処理としては次の2ステップ
→①債権者へ引き渡す資産を時価に評価替えする。ここで生じた利得又は損失は継続事業による利益にカテゴライズする。
②有利子負債の決済を行い、ここで生じた利得又は損失については①同様に計上する。

〇問題債権の再構築-返済条件の修正(Modification of terms)(債務者側)
→返済すべき元本の減額や返済期日の延長などの返済条件の修正を行う。
2ステップで行う
→①返済条件修正前の有利子負債の勘定の残高をすべて除去する。
②返済条件修正後の支払うべき合計金額を負債として計上する。ここで生まれた差額は経常項目(ordinary item)として計上する。
※現在価値の概念を適用しない。

〇問題債務の再構築-返済条件の修正(Modification of terms)(債権者側)
→債権者側では、従来の債権勘定を継続して使用する。
元本及び金利をそれぞれ現在価値に直した金額の合計で社債の発行価格の算出方法と同様である。
※現在価値の概念を適応する。
→現在価値の割引率に関してはもともとの利率を使うことに注意。

〇コベナンツの遵守
→債務者が特定の規定条件に違反した際に債権者が講じることのできる措置について規定する条項のこと。

債務者はコベナンツに対する遵守状況を定期的に債権者に対して証明しなければいけない。

財務諸表に関連したコベナンツの一例
・流動比率(current ratio)が規定値を下回った場合、、、
・運転資本(working capital)が規定値を下回った場合、、、
・各種利益指標(income measures)が規定値を下回った場合、、、
・インタレスト・カバレッジ(interest coverage ratio)が規定値を下回った場合、、、



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