【映画レビュー】アナザーラウンド
こんにちは。映画大好きマヒロです。
見たい映画は山のようにあるのですが、時間に限りがあるので限度ってあるよなともどかしい思いになっている今日この頃です。
さて、今回見た映画は「こんなこと、しちゃって良いの?」とハラハラ感が溜まらない映画です。
第93回アカデミー賞で「国際長編映画賞」を受賞した今作。
あらすじ
高校で歴史の教師をしているマーティンは冴えない日々を過ごしていました。
堅苦しい授業は生徒に不評で、授業内容を把握出来ない生徒の保護者も集まりマーティンの授業内容に不満を募らせます。
奥さんは夜勤ばかりなのでコミュニケーションが取れず、子ども達は反抗期でマーティンの言うことなどどこ吹く風状態。
そんな時、同僚教師3人と飲むことになります。
飲み会でノリの良いニコライがこんな話をします。
「ノルウェー人哲学者のフィン・スコルドゥールがこう言っていた。人間の血中アルコール度は0.05%に保つのがベストだ」
ニコライが話した、たわいのない世間話。
後日、マーティンはニコライから聞いたフィンの主張を自信で試す為、飲酒をして授業をしてみます。
そのことを同僚3人に話してみると、みんなノリノリ……
止める人など一人もいません。
「せっかくやるならどうなるか論文に残そう!」ということになり、4人で朝から20時まで、血中アルコール度が0.05%を保つように飲酒することにします。
どの先生もマイボトルにお酒を入れてフィンの理論を証明する為の実験開始です。
アルコールに対してノリノリのこの4人衆、一体どうなることやら……
飲酒が人体に与える影響
今作は「人間は生まれつき血中アルコール度が0.05%不足している状態である」というフィンの主張を元に、「だったら0.05%に保ったら良いパフォーマンスが出来るよね」というのが今作の題材です。
酒を飲むと何故酔うのか
人間がアルコールを摂取すると酔うメガニズム。
それは「アルコールが脳の神経細胞に作用して麻痺させる」からなんです。
酔う=麻痺だったんですね……
アルコール血中度で見る人体への影響
どれくらいのアルコールを摂取すると血中アルコール度がどのようになり、人体にどのような影響を与えるのか調べてみました。
血中アルコール度が0.02~0.04(爽快期)
ビール 中ビン1本(500ml)
日本酒 1合
ウイスキー・シングル 2杯
血中アルコール度が0.05~0.10%(ほろ酔い期)
ビール 中ビン1~2本(500~1000ml)
日本酒 1~2合
ウイスキー・シングル 3杯
血中アルコール度が0.11~0.15%(酩酊初期)
ビール 中ビン3本(1500ml)
日本酒 3合
ウイスキー・ダブル 3杯
血中アルコール度が0.16~0.30(酩酊期)
ビール 中ビン4~6本(2000~3000ml)
日本酒 4~6合
ウイスキー・ダブル 5杯
血中アルコール度が0.31~0.40%(泥酔期)
ビール 中ビン7~10本(3500~5000ml)
日本酒 7合~1升
ウイスキー・ボトル 1本(700~750ml)
血中アルコール度が0.41~0.50%(昏睡期)
ビール 中ビン10本超(5000ml超)
日本酒 1升超
ウイスキー・ボトル 1本超(700~750ml超)
作中に出てくる血中アルコール度が0.05%ってビール500~1000ml程度です。
お酒強い方とかだとあっという間にこれくらい飲んでしまえるのではないでしょうか?
中ジョッキが大凡500mlらしいので、一気に飲み干して「もう一杯」とおかわりしたら血中アルコール度が0.05%程度になる状態です。
どれだけアルコールに強いかは個々で違いもありますが、ビールの中ジョッキ2杯くらいって丁度ほろ酔いで良い気分の状態じゃありませんか?
フィンの法則で言う「人間は血中アルコール度が0.05%足りていない」というのを補う為に0.05%アルコールを摂取し続けるってずっとこういった「ほろ酔い」状態であるってことになりますよね。
周りの人間がみんなほろ酔い状態の世界になったら少し面白くもあり、怖くもありますよね。
お酒についてのあれこれを勉強させていただいたサイトです。
日本と諸外国の飲酒事情の違い
主役であるマーティンを演じたマッツ・ミケルセン。
デンマーク出身のイケメンです。
「北欧」って感じの顔ですよね。
マッツは体操選手を目指してトレーニングをしていました。
スウェーデンの第2の都市でもあるイェーテボリのバレエ・アカデミーでダンスを学び、スウェーデン語も堪能になったそうです。
1996年に演劇を学んで俳優を志すまではプロのダンサーとして活躍されていたんですって。
今作でもダンスを踊るシーンがあります。
そんなマッツが母国デンマークのアルコール事情をインタビューで答えている記事をみつけました。
デンマークのアルコール事情
仕事の日でも昼食に飲酒するって日本では許されない行為ですよね。
ボトルワインがあったら空くまで誰も帰らないって少し笑ってしまいました。
帰らないの何故だろう? 礼儀とかの問題? 勿体ないから?
アメリカのアルコール事情
州によって異なりますが、飲酒可能な年齢は21歳からの所が多いようです。
レストランやバー以外の公共の場での飲酒は禁止。
言われてみると、アメリカの映画とか見てもお酒を飲みながら道を歩くとかないかもしれないですね。
ニューヨークではキリスト教徒の安息日でもある日曜はアルコールの販売を禁止しているそうです。
その他、南部でもニューヨーク同様に日曜にアルコールの販売を禁止している所もあるので注意が必要ですね。
何気に緩そうなアメリカが規制が厳しくて以外です。
イギリスのアルコール事情
法的購入最低年齢(購入可能な年齢)は18歳から。
ワインやビールなどの発酵酒は大人同伴の元、食事と一緒であれば16歳から飲める。
アルコール度数の高い蒸留酒は18歳から。
イギリスの面白い所は、親が同意していれば5歳になれば飲酒が可能な所です。
そんな法律がある癖に「ライセンスを与えられている所で(バプやバー)酔っ払うことは禁止」なんですって……
後、アルコール事情とは関係ないのですが、イギリスに旅行に行った際に気を付けなければいけないなと思ったルールをみつけたのでご紹介。
「放置された荷物を拾うことはテロ行為にあたる」んですって。
テロ対策としてこのようなルールがあるそうです。
親切心から拾って「警察へ届けよう」としない方が良いですね。
フランスのアルコール事情
発酵酒は16歳から飲酒も購入も出来る。
蒸留酒の飲酒・購入は18歳から。
お酒の種類によって年齢が違う所がイギリスと似ていますが、フランスは発酵酒なら16歳から購入が出来る所がイギリスに比べて緩いですね。
イタリアのアルコール事情
16歳から。
うん、なんかイタリアらしいなって感じしませんか?
自動車事故の45%が飲酒運転によるものだそうです。
日本でも20年くらい前まで飲酒した後に平気で運転したりしていましたよね。
イタリアでは飲酒運転をすると「車を没収される」というのも面白いですね。
効果てきめんなような気がします。
中国のアルコール事情
長らくアルコールに対しての法律がなかった中国は2006年に販売は18歳以上というルールが出来ました。
2006年まで法律で規則がなかったって所が驚きですよね。
しかも飲酒や喫煙に対しては法律はありません。
販売だけ規制しているんだ……
ちょっと危ないような感じもしますが、調べてみると中国では酔い潰れる程飲む若者が少ないという記事もみつけました。
言われてみれば日本人のように酔っ払って「千鳥足」に中国でなるのは危険な行為かもしれません。
「タクシー」を利用しなくても千鳥足で着たく出来る日本って安全なんだなーと再実感です。
アルコール飲料消費の高い他国では「10代後半から20代」で飲酒量のピークを迎える所、中国では年齢層が上がるに連れて飲酒量が増えるって所も面白いですね。
ここは日本と似ている所かもしれません。
サウジアラビア
禁止。
イスラム教では飲酒事態を禁止しています。
ウイスキーボンボンのようなチョコに少しアルコールが入っているものを摂取することも禁止されています。
アルコールが全て禁止されている訳ではなく、怪我をした所を消毒するような時に使う「飲料を目的としていないアルコール」を肌に付けて使用することは可能なようです。
どうやら「飲酒用」になると不純物とみなされて使用禁止となるみたいですね。
モルティブのアルコール事情
サウジアラビアと同様にイスラム教徒圏のモルティブではやはり飲酒は御法度ですが、観光客はホテルなどで飲酒が出来るそうです。
感想
「匂いで飲酒したことばれない?」とずっと心で思いながら見ました。
が、それは置いておきましょう。
高校教師4人衆がとても大好きだなと思いながら見ました。
中年がそれぞれ抱いている日常に対する憤り……
そんな憤りを感じながらも、どうする術もないので受け入れて生きていく。
そんな中でフィンの理論に興味を抱きます。
フィンの理論、みなさんはどう思われますか?
私はもしも血中アルコール度が0.05%に保たれた方が良いパフォーマンスをすることが出来たとしても、終始ほろ酔いでいるのは少し嫌かな。
後、仲の良い同僚に「フィンの理論を検証してみよう」と言われたら絶対に止めます。
絶対にですっ!
ちょっと良いつまみ(生ハムとか?)を買って、サングリアと一緒に見たい映画だなと思いました。
梅酒しか家になかった…… 生ハムもなかったよ…… 残念。
スミノフも出てくるのでスミノフも飲みたくなったな。
ビールがお好きな方はビールをグビグビ飲みたくなるかもしれません。
おつまみとお酒をご準備してまったりと見ていただきたい映画だなと思いました。
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