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こうりん (降臨)

30
女神アマテラスと青年とのお話し。連作作品にはファンタジーあり、エッチあり・・。一話一話が長くなりがちですが、よろしくお願いしますね。 アマテラスのモチーフは私自身です。
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#女神

こうりん(降臨)30

あるスーパーのバイトのメモ 5

10月のある日、朝から少し熱っぽかったけど、大丈夫だろうとバイトに出かけた。
10時の休憩の頃から、体がだるくなってきて、熱も急に上がってきたみたいだった。

接客もするから、コロナ以降ずっとマスクはしていたのに。
いま、インフルエンザとコロナがダブルで流行ってるらしい。
インフルエンザかな、まさかコロナじゃないよね。
店長に
「体調が悪いので帰ってもいいですか?

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こうりん(降臨)29

あるスーパーのバイトのメモ 4

10月に入ると、9月まで熱中症に注意って言ってたのが嘘みたいに、朝晩冷えてきた。
昼前でも、日陰だと少し肌寒く感じる。

店内は、さすがに冷房じゃ無くなったけど、まだ暖房を入れるほどじゃない。
けど、寒がりのあたしは、もうヒートテックを着てる。
なんなら、モコモコ毛糸のセーターも着たいくらい。

尼さんは、というと、いつもの定番のワンピースで来てる。
さすがに、長

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こうりん(降臨)26

それからしばらくして、樋口さんからラインが来た。
ようやくゴルフ場が完成したらしい。
それで、王さんが完成披露パーティーをする、と言っているので、今度の土曜日にゴルフ場に来て欲しい、との事だった。

僕とアマテラスは、ダックスで樋口さんのゴルフ場に向かった。
バイクの二人乗りでも十分行ける距離だったので助かった。
冬になると厳しいかもしれないけど。
アマテラスは、パーティーが王さんの主催と言うこと

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こうりん (降臨) 18

コマの霊を天に送った翌日の午後、大家さんが部屋に来た。
アマテラスの服を作るのに必要な、アマテラスを採寸するためだ。
部屋に上がってもらって、ドアに鍵をかけてから始めた。
大家さんはアマテラスのワンピースを脱がせると、ショーツ一枚の姿にして、セカンドバッグからメジャーを取り出した。
「教室で使っているメジャーの中で一番長い物を持って来ましたのよ。」
と言って伸ばしたメジャーの目盛りを見ると、5メー

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こうりん (降臨) 17

突然のことだけど、大家さんが亡くなった。
詳しくは知らないけど、持病が悪化したらしい。
一応、店子としてお通夜には参列した。
アマテラスも実体化を解いて僕と一緒にいた。
この部屋はどうなるんだろう、と心配していた矢先、部屋に来客があった。
「いらっしゃいますか?」
とドアをノックする。
「どちらさまですか?」
「秋川ですが。」
と大家さんの苗字を名乗った。
「はい、ちょっと待って下さい。」
ヤバい

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こうりん (降臨) 16

女神の日常 2
我がスーパーに買い出しに行く時の話をしよう
彼と我が住まいしておる部屋は、女人禁制で女子の出入りを禁止しておる。
これは、大家の意向らしい。
我は女神じゃが、外見は女人なので、大家に分からぬよう、部屋の出入りの時は、彼の容姿を借りる事にしている。
念の為じゃ。
スーパーに行く途中で、彼の容姿から我が姿に戻る。

道路での難関、その一。
道路には、歩道と車道がある。
歩道は、読んで字

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こうりん (降臨) 14

女神の日常

彼は朝からバイトに出かけた。
部屋から歩いて10分とかからぬコンビニじゃ。
我が来てから散財が過ぎたようで、申し訳ない気がする。

朝起きてまず朝食の準備をしながら洗濯。
朝食を食べ終えると洗い終えた洗濯物を干す。
それから朝8時から昼12時までバイト、帰ってから、バイト先で買ってきた弁当を食べ、朝食の片付けと洗濯物の取り込み、それが終われば勉強。
夕方から夕食の準備、夕食を食べてそ

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こうりん (降臨) 13

朱美ちゃんの事があってから、僕は御神体の鏡を肌身離さず身につける事をアマテラスに提案した。
アマテラスは、特に異を唱える事も無く、賛成した。
どうするのが一番良いのか、考えあぐねた結果、袋に鏡を入れて首から下げるのがオーソドックスで、一番確実だと言う結論に達した。

材質を何にするのか。
肌身離さず身に付けるのであれば、肌に優しい方がいい。
しかも、破れたり切れたりなど破損しないものがいい。
布や

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こうりん (降臨) 12

最近、ちょっとした事が起こってる。
小さな取るに足らない事なんだけど。
朝起きたら机の上の物の位置が微妙に変わっていたり、本棚の参考書の順番が入れ変わっていたり、食器棚の扉が左右違っていたり。
誰かが触っているみたいで気持ち悪い。
アマテラスに聞いても、触って無いと言う。
「ふーん、思い違いであろう?」
「違うよ、夕べなんか寝る前に写真を撮って、今朝比べてみたらやっぱり場所が変わってるんだ。」

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こうりん (降臨) 11

最近、湿った大気が流れてきてると言うことで、不安定な天気が続いてる。
豪雨、雷、突風がセットでくる。
テレビでも、雨柱の映像がよく流れる。
青空のすぐ隣で、真っ黒な空から無数の白い線が地表に引かれてる映像は不気味だった。

この日、僕とアマテラスは、またまたショッピングモールに出かけた。
お昼前まではきれいな青空だったのに、フードコートでお昼を済ませて外に出てくると、雲行きが怪しくなってきていた。

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こうりん (降臨) 10

僕がアマテラスと出会っておよそ一週間か、と思っていると、テレビを見ていたアマテラスが僕に言った。
「このような服が着たい。」
僕がテレビを見ると、そこにはアイドルグループが映っていた。
「こんな服って?」
「このヒラヒラした服じゃ。」
アマテラスはアイドルの着ている衣装を指さして言った。
「これ、アイドルの衣装だよ。」
「それが何か?」
「これは言わば、仕事着みたいなもので、普段は着ない服だよ。」

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こうりん (降臨) 9

僕がアマテラスと出会った時に、「なぜ祠に入っていたのか、言いたく無い。」と言っていた。
もう話してもいいと思ったのか、ぽつりぽつりと話し始めた。

父イザナギは亡き母イザナミがいる黄泉の国から帰ってきた時に、穢れを祓うため禊を行った。
河の水などで体を洗って、清めるのじゃ。
左目を洗った時、あろうことか父は二度、目を擦った。
一度目に擦って産まれたのが我で、二度目に擦って産まれたのが妹じゃ。
我も

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こうりん (降臨) 8

アマテラスの乳房が直径60センチくらいにまで大きくなって、バランスボールみたいになったので、買ったワンピースが着れるのか不安になった。
アマテラスに着せると、比較的伸びやすい生地のものは着られた。
乳房が目立たないように大き目のサイズを買っていたのが、功を奏した感じだった。
でも、伸びない生地のものは駄目だった。
伸びる生地のものでも、乳房のところの生地は伸びきった感じだった。
また買いに行かなけ

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こうりん (降臨) 7

お昼を食べる時間が無かったので、遅いお昼にした。
冷食のパスタをチンした。
僕が食べるのを見ていたアマテラスが言った。
「実に美味そうに食するのう。それほどに美味いのであれば、夜食は一緒に食べてみたいものじゃな。」
「そうだね、次に実体化できるのがちょうど晩ご飯の頃だもんね。買ったワンピースを着た所を見たいしね。外で食べようか。」
時間が過ぎて、アマテラスが実体化できる時間になった。
部屋で実体化

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