こうりん (降臨) 13
朱美ちゃんの事があってから、僕は御神体の鏡を肌身離さず身につける事をアマテラスに提案した。
アマテラスは、特に異を唱える事も無く、賛成した。
どうするのが一番良いのか、考えあぐねた結果、袋に鏡を入れて首から下げるのがオーソドックスで、一番確実だと言う結論に達した。
材質を何にするのか。
肌身離さず身に付けるのであれば、肌に優しい方がいい。
しかも、破れたり切れたりなど破損しないものがいい。
布やナイロン、ビニール、プラスチックなど検証した結果、革製に落ち着いた。
なめしたバックスキンのような皮革を選んだ。
柔らかさと強度、引っ張られても切れたり破れたりしないのが理由だった。
皮革布で巾着状の袋を作り、首から下げる事が出来る長さの革紐をつけた。
早速、アマテラスは、袋に、皮革布で包んだ鏡を入れて、首から下げた。
そして、鏡が入った袋は、バランスボール大の乳房の間に挟んだ。
袋は、完全に乳房の間に埋もれた。
文字通り朝から晩まで一日中首から下げるようにする。
もちろん、夜に褥を共にしている間も例外では無い。
アマテラスの言うところでは、鏡を御神体と言ってるけど、アマテラスが実体化したため、神器と呼ぶのが相応しいらしい。
神器をアマテラスが肌身離さず首から下げているので、お供えも必要無いとの事。
ただお神酒だけは、お供えではなく直接飲みたい、と言うことだった。
「あと、鮑もな。生が良いが乾燥でも構わぬぞ。」
と言い添えられた。
「海産物の干物を肴にお酒を飲むなんて、おやじみたい。」
と言ったら
「失礼な奴じゃ。」
と速攻で返された。
アマテラスは食べられないから、鮑を見ながらお酒を飲むんだけどね。
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