こうりん (降臨) 10

僕がアマテラスと出会っておよそ一週間か、と思っていると、テレビを見ていたアマテラスが僕に言った。
「このような服が着たい。」
僕がテレビを見ると、そこにはアイドルグループが映っていた。
「こんな服って?」
「このヒラヒラした服じゃ。」
アマテラスはアイドルの着ている衣装を指さして言った。
「これ、アイドルの衣装だよ。」
「それが何か?」
「これは言わば、仕事着みたいなもので、普段は着ない服だよ。」
「でも、着てみたいのじゃ。」
けど、サイズがあるのかなぁ
と言いかけたけど、真剣な顔で見つめてくるアマテラスは言えなかった。
「じゃ探してみようか?」
「そうこなくてはの!」
早速パソコンでネット検索を始める。
探し始めると結構あるもので、中には男性の女装用まであった。
でもやっぱりアマテラスに合うサイズが無かった。
女装用のものでも小さかった。
「うーん、無いなぁ。」
「何故、我に合うものが無いのじゃ?」
「アマテラスの胸がね、大きくて合わないんだ。」
「乳房か?」
「そう、胸だけ。」
「では、上だけ合わぬのだな?」
「そうだね。」
「下はどうじゃ?」
「下?」
「そう、一番ヒラヒラしてるものじゃ。」
「下ってスカートのこと?」
「これじゃ、これ!」
と指さした画面を見ると、衣装のスカート部だった。
「スカートなら何とかなるかも。」
「本当か、偽りでは無かろうな?」
「見に行こうか?」
「参ろう!」
と言うわけで、僕たちはまたショッピングモールに出かけた。
モールに入るなり一番アマテラスの言うスカートがありそうな店に直行する。
先日、モール内を見て回った時の記憶を頼りに向かう。
確か10代の女の子がターゲットの店だったと思う。

売り場に行くと、担当の女性が目ざとく僕たちを見つけて近づいてきた。
この前にも見た事のある店員さんだった。
店員さんも僕たちの事を覚えていたみたいだった。
実際は、アマテラスの事を覚えていたんだろうけど。
この前見た時よりも数段大きくなった乳房を見て、凄く驚いていた。
売り場の棚や吊り下げられた服を見ていく。
僕一人だと居心地が悪いんだろうけど、アマテラスと一緒だったので平気だった。
アマテラスは、目を輝かせて売り場を見ていく。
この店のメインターゲットの中学生のような顔をしている。
そう言えばアマテラスの表情はよく変わる。
夜は大人びた艶っぽい顔になるし、昼間は僕と同年代の女の子の顔になる。
年齢不詳なところがある。
「今いくつなの?」
って聞いて見たら、
「およそ2,000歳になるかのう。」
と答えが返ってきた。
そんな事を考えていると店員さんが
「何かお探しですか?」
と声をかけてきた。
アマテラスは、ちら、と店員さんを視線を送っただけで、すぐに売り場に並んだスカートに夢中になった。
「スカートなんですけど。ほら、アイドルが穿いてるようなフリルがいっぱい着いたミニスカートってありますか?」
「あぁ、ドレスラインのスカートですね。」
「そのドレスラインのスカートにミニスカートってありますか?」
「ございますよ。こちらになります。」
と言って店員さんは、今いる売り場から少し離れた売り場に案内してくれた。
「こちらになります。が、ミニ丈となりますと種類が少のうございますので。」
「ありがとうございます。ちょっと見て見ます。」
「ごゆっくり」
そう言って店員さんは離れていったので、僕はアマテラスを呼んできた。
「ここみたいだね。」
アマテラスは、売り場の商品を見る前に、ちら、と店員さんを見た。
その時、気のせいか一瞬アマテラスの顔が能面のように無表情になった気がした。
でも、すぐに売り場に商品に視線を戻すと、子供のように目を輝かせて見ていた。
結局、ここで3枚のスカートを買った。
薄いピンクのミニ丈のドレススカートと真っ白なギャザーのミニスカート、それと何故か濃いグレーのタイトミニスカートの3種類だった。
さっきの店員さんにレジで会計をしてもらっていると、店員さんが僕に言った。
「お客様、この白いスカートは生地が薄くて透けてしまいますので、下着には十分にご注意くださいね。なるべく色の濃いものは避けられた方が無難ですよ、と教えてあげて下さい。」
「分かりました。ありがとう。」
と、商品とお釣りを受け取って売り場を後にした。
店員さんは、お釣りを渡す時に名刺も一緒に渡してくれた。
商品をアマテラスに渡して、お釣りを財布に入れる時に、一緒にもらった名刺も財布に入れた。
その時も、アマテラスの表情が能面のように無表情になった気がした。
「じゃ、行こうか。」
「参ろうぞ。」
と明るく応えたアマテラスの表情は、何事の無かったように無邪気だった。
ちなみに、アマテラスのウェストは、59センチでスカートのサイズはSでも入るんだけど、腰がちょっと窮屈そうだったのでMサイズにした。

アマテラスが早速「穿きたいのう。」と言ったので、多目的トイレで穿かせた。
多目的トイレから出てきたアマテラスは、薄いピンクのドレスミニスカートを穿いていた。
超ミニ丈になったワンピースの裾を、スカートの中に入れている。
普段でも長い脚がより長く見える。
それにしてもきれいな脚だなぁ、とついつい見とれてしまう。
これで、目立度200%から300%にアップしたな。
周囲から送られてくる視線も確実に増えた気がした。

その夜、いつものようにベッドインしようと、アマテラスの服を脱がせた。
ショーツだけにして、抱き上げてベッドに寝かせた。
それからショーツを脱がせて素っ裸にした。
その間、アマテラスはずっと無表情だった。
いつもなら、恥じらいと共に目を輝かせているのに。
今度はアマテラスが僕の服を脱がせる番なのに、一向に動く気配がない。
「どうしたの?」
と聞いても無言のまま。
「何か怒ってるの?」
僕をじっと見てアマテラスが言った。
「汝れは我のことをどう思うておる?」
「大好きだよ。世界で一番大好き。」
「あの女はどうじゃ?」
「あの女って?」
「今日服を買う時に話しておった女じゃ。」
「店員さんのこと?」
「そうじゃ、どう思うておる?」
「あ、アマテラス、もしかして妬いてるの?」
「我が嫉妬など。」
「あれは普通の店員さんとのやり取りだよ。特別な感情なんて微塵も無いよ。」
「そうか、ならば良い。ただ・・・。」
「ただ?」
「今宵は我が上じゃ。」
「はい?」
「我が汝れに跨る体位のみじゃ。良いな?」
夜、アマテラスは宣言通り、騎乗位しかさせてくれなかった。
アマテラスの乱れぶりは凄まじいものがあった。
アマテラスの乳房が、またどんどん大きくなって、僕は危うく腹下死ならぬ乳下死するところだった。

翌朝、アマテラスの乳房は元の大きさに戻っていた。
ほぼ一晩中していて、明け方に1、2時間寝ただけだった。
アマテラスの乳房は、この1、2時間のうちに元に戻った事になる。

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