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これ好き!:就職活動を救ってくれた本「はたらきたい」

今日は、就職活動が全然うまくいっていなかった自分を、救ってもらった時の本について書きたいと思います。

もう20年近く前になります。(書いてみると自分でもびっくり)。大学3年になり、就職活動を始めると、就職サイトを見たり、イベントに出るようになりました。そこではいつも、自分の夢を見つけよう。それをかなえる仕事をしようというメッセージや、それを体現する先輩の体験談ばかり目にするように。そんな状況に影響を受けたり、自己分析したり、面接の志望動機考えたりしていると、洗脳されたみたいに、夢、やりたい事が実現できない仕事に就職するのは失敗だと思ったりするようになりました。

でも、実際自分は全然就職活動がうまくいかず、希望する仕事につける見込みが全然ありませんでした。書類選考で落ち続けるし、たまに書類選考に通っても一次の面接で落ちるのが常でした。夢をあきらめたくないから、就職浪人だなあと思っても、親は反対するという状態。

そんな時に出会ったのが、ほぼ日の就職論という特集でした。

ここには等身大の就職論がありました。例えば、しりあがり寿さんと糸井重里さんの対談。社会人になって良かった事はという話で

カレー屋に入って、迷いなく「カツカレー」を食えるわけですよ。

はたらきたい

学生の頃は、お金がないからと普通のカレーで我慢していたのに、就職してお金を稼ぐようになると、カツカレーが気兼ねなく食べれるようになった。それがとても幸せだったというのです。

どうでしょうか。就職していない人は、そう言う事じゃないんだよと思うのかもしれない。でも、読んでいた当時よりも今の自分の方が、より深く共感できます。学生時代より、お金を、よりもらえるようになって、出来る事が増えるというのは、確固たる価値です。

あるいは、金井さんという方と糸井さんの対談。

マイケル・ジョーダンがシュート打ったら「仕事」で、ギターを弾けば「遊び」。逆に、エリック・クラプトンがギターを弾けば「仕事」で、バスケをしたら「遊び」になる。だから「仕事」と「遊び」の境界線なんて、「気の持ちよう」みたいなものですね。

はたらきたい

仕事が最も人生で時間をかけることになるのだから、そこで自己実現できないとだめだと、凝り固まった考え方になっていた自分に響きます。

あるいは本には収録されていないのですが、別の対談で、コピーライター界で一世を風靡した糸井さんが、コピーライターになった理由は「食っていかないといけないからさ」です。インタビューとかでは、どうしても、きれいな成功物語を求められるんだけどさ、とも。スターといわれるような人だって、みんながみんな最初から夢をもっていて、それを実現したというわけでもないのです。

新卒の時、自分が希望する業界、仕事につけなかったらそれで人生終わりなんて、今思えば全然そんなことないと思えます(もちろん、まだ日本の就職界隈で、新卒カードが強いのもわかってはいますが)。でも、当時は確実にそんな後ろ向きの凝り固まった概念に囚われていました。それをくずして、まずは社会に出てみるのもいいんじゃないのと、背中を押してくれたのがこの特集でした。

この特集は後に、本になります。それがこの本でした。自分は迷わずその本も購入して、今でも本棚に置いて、折に触れて見返したりしています。

ちなみに。結局、自分は希望した業界は受からず、違う業界で就職。その後も試行錯誤を続けて、会社は2回ほど変わって、ちょっとずつ自分が求めていた仕事には近づいています。年齢や時間的猶予を考えればもう、大学生の時に求めていた仕事に就くことは難しいと思いますが、思った以上に後悔はありません。それなりに自分のできる努力はしてきたからだなと思います。あの時、一歩踏み出してよかった。えらいぞ、自分!

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