A Dark Soldier Rises
【scene 1】
ディーゼル機関車が進む
燻した銀の色
黒煙に
闇の また闇
甲冑も同様
燻した銀の色
着たまま
顔も見せない
君を 傷付けないため
そう言った
甲冑の下は
深い闇色
眼も 白眼も闇色 時折赤色
紳士なのだろう
隣にいたら 硬い鈍い色に
精巧な腕の関節に 胸当て
兜の目隠しの 縦線
座る 所作に
眼差しに
綺麗だと思う
行き先は
危ないのだろう
深水の淵
甲冑を脱いだら
その姿は
美しいままなのだろうか
【scene 2】
窓の闇
揺らぐ白色灯の波
老婆の皺枯れた手が伸びる
私は崇高だ
錆付いた棘
黒い荊 吐いた毒
腐食した黒炭
刺青の女が笑う
極楽鳥の極彩色
愛の在りか 終点を抱く
歯は既に朽ち落ちている
黴滲む肌
乗り込む者は皆
常軌を逸している
争いの種撒く
黒い男が蠢く
心を読まれたら 取り込まれるだろう
夥しい数
廃人の灰巻き部下を携える
滲み出す 黒い穀物酒
ホワイトスネークが笑っていた
背に濃い茶色のそばかす
ニューフェイス
愛嬌のある
乗り込む前に現れた
この子を
思い浮かべたら
拠点にしたら
ここから脱せるのだろうか
いつの間にか無音の空間に
甲冑の銀色
鎧だけ置いていくのは
反則
燻した光に
賭ける方を
残しておいて
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