Reunion

音楽原作「V系」×「キャラクター」×「仮想」バンドプロジェクト、Reunionです。 …

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音楽原作「V系」×「キャラクター」×「仮想」バンドプロジェクト、Reunionです。 運営理念:V系の人が作り、V系の人が演奏するキャラクターバンドを作る。ファン一体型コンテンツを作る。 Twitter:https://twitter.com/Reunion_offi

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  • Reunionライトノベル

    Reunionのライトノベルのアーカイブです。

最近の記事

ライトノベル第二弾序章(原作)

 Reunionが結成されて一年。この一年間、主に対バンイベントに参加し、Reunionの知名度を広めたり、他バンドやライブハウスとの交流、情報交換、などをしていた。だが、いつまでも対バンイベントに出ているわけにもいかない、そう詩音は考えていた。どのバンドも対バンから、主催ライブ、ワンマンライブと活動の幅を広げ、将来、全国ツアーやホール、ドームでのライブを成し遂げることを夢見ている。Reunionももちろん、他のバンドと同じように全国ツアーやホール、ドームでのワンマンライブに

    • ライトノベル第四章十二話【明日へと響く旋律】

       一曲目から激しい曲を出し会場の熱を高める。ヘドバンが多い曲をセレクトした。続いて、二曲目、三曲目とDOOMSDAYの時に定番となっていた曲で会場の熱を更に持ち上げた。  そして三曲目が終わった後、観客に向かい話し始めた。 「次の曲はReunionとしての初の楽曲『Farewell』をやります。この曲には俺の思いが込められています。過去との決別。俺はもう過去を振り返らない。過去と比べることはしない。今までのことは、今、この瞬間のために必要なこと。遠回りしたことにも意味がある。

      • ライトノベル第四章十一話【Reunion初ライブ】

         ライブ当日。その日は朝から意外にも落ち着いていた。いつもならなにかしら気負ったような感覚があった。失敗はできない、絶対に成功する。意気込みのような感情だけが、やたらとあったような気がしたが、今はない。なにより、楽しみたいという気持ちが強い。  それぞれが指定した時間に「HEAVEN」に集まり、バンド単位で軽くリハーサルをする。その後、照明の確認や舞台装置の最終確認などを終えると、用意された楽屋で待機となる。ライブハウスのようなところであまり舞台装置を設置するバンドは少ないが

        • ライトノベル第四章十話【Reunion結成】

           俺のソロバンドDOOMSDAYとサポートメンバー三人という構成から、俺たち四人のバンドReunionが結成されてから一週間が経過した。各々この一週間、曲作りに専念した。編曲はみんなで相談しながら作り上げていくことで、音楽の一体感の幅がでると思ったからだ。ひと足先に、いつものスタジオに着くと、相楽さんに声をかけられる。 「詩音、最近、いい顔になったな。」 「・・・なに、急に。」 「いやさ。バンド組み始めの頃って、みんなそんな顔するんだけどさ。詩音の場合は結成をしてもなんだか盛

        ライトノベル第二弾序章(原作)

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        • Reunionライトノベル
          35本

        記事

          ライトノベル第四章九話【新しい四人の道】

           一週間が経過した。その間、三人と連絡を取ることはなかったが、唯一、相楽さんからは連絡をもらった。奏たち三人がスタジオの前でたむろっているが、なにかあったのか・・・という流れから、今日の予約どうするつもりだと時間が過ぎていることへの確認へと変わり、俺は諸事情でキャンセルでいいと返した。ただ、既にいる三人が使いたければ使わせてやってほしいと伝えたが、彼らが使うことはなかったらしい。  三人があれからなにを思い、どんな行動をとったかは、相楽さんからのこの情報だけになる。だからだろ

          ライトノベル第四章九話【新しい四人の道】

          ライトノベル第四章八話【過去との決別】

           俺はベッドの上で仰向けになり、目を閉じる。俺のバンド人生はいつも結成と解散の繰り返しで、それに疲れ、諦め、ソロバンドとして活動していくことを選んだ。そんなバンド人生だが、すべてが失敗だったわけじゃない。  初めてのバンドはまるで家族のように親しみ、時にはメンバーと真正面からぶつかり合ったバンドだった。このメンバーが永遠だと信じて。  誰だって最初からこのバンドはダメだと思って活動はしない。  だが、永遠ではなかった。  解散するとメンバーとも疎遠になる。わだかまりがなく解散

          ライトノベル第四章八話【過去との決別】

          ライトノベル第四章七話【自分と向き合う時】

           俺は視界から三人が消えるまで、その場に立ち尽くし見送った。あたり前になっていたことが、突然一人になり取り残されることの恐怖がヒタヒタと近づいてくる。 「参ったな・・・。」  俺は独り呟いた。いつかは突きつけられるだろうと予感はあったが、それに気づかないようにしていた。奏に甘え過ぎていた。律にも美琴にも。彼らがサポートでいいと言ってくれることに。  だが、律が本当にバンドをやってるみたいだと言った時、彼なりにサポートを越えて俺に歩み寄ったのだろうか。他の二人も言葉には出さなか

          ライトノベル第四章七話【自分と向き合う時】

          ライトノベル第四章六話【三人での待ち合わせ】

           いつもの曜日、いつもの時間、いつものスタジオについたのは、予約の時間の一時間も前だった。さすがにそんな時間から使用するのはまずいだろう。相楽さんなら「構わない。」というだろうが、今日は十中八九、詩音不在での練習になる。詩音の顔で優遇してもらえている面がある以上、本人不在ならそれなりの謙虚な心構えでいなくてはいけない。中に入る前に踵を返すと、真後ろに美琴がいた。 「うわあっ、声くらいかけろよ〜美琴。」 「すみません、奏さん。考え事していたので・・・。」 「詩音のことか?」 「

          ライトノベル第四章六話【三人での待ち合わせ】

          ライトノベル第四章五話【三人の帰路】

           三人だけで帰るのは初めてのことかもしれない。今の四人になってからは、なにかと四人で行動することが増えていた。その状態が当たり前だと思っていた美琴は何度も後ろを振り返っては「詩音さん、大丈夫でしょうか?」と気にかけていた。  俺、ギターの奏としては、詩音と一番長い付き合いだからこそ、心を鬼にしなくてはいけない時期だと心に決めた。 「こればかりはな・・・。」  律は続けて 「バンドやろうぜって集まったわけじゃないからな。いつかは詩音自身が向き合わなくてはいけないことだ。」  と

          ライトノベル第四章五話【三人の帰路】

          ライトノベル第四章四話【DOOMSDAYにはないモノ】

           ワンマンライブではなく対バンの場合、自分たちの出番が終わればそのまま撤収して帰っても問題はない。ほかのバンドのライブを見る必要性があるかないかは個々の判断だ。俺と奏はできるだけほかのバンドのライブも見るようにしているため、おのずとそれにつき合う律と美琴という関係になる。  DOOMSDAYのライブが終わり撤収作業も済み、機材をバンに詰め込み終えたら解散だが、俺たちはライブハウスのフロアに戻った。残りの対バンのライブを見終わり、「HEAVEN」の店長に挨拶をして帰ろうとした。

          ライトノベル第四章四話【DOOMSDAYにはないモノ】

          ライトノベル第四章三話【今までになかった成功の感覚】

           四人の初ライブとして用意されたステージは、マイナーバンドの登竜門といわれているライブハウス「HEAVEN」。前回のライブを見ていた関係者が「HEAVEN」の店長に俺たちを推薦してくれたのだ。 「お客さん、すごいですね・・・。」  と美琴。俺たちの前のバンドの演奏がかなり盛り上がりを見せている。舞台の袖で待機をしていると、感じることは人それぞれだろう。律に至っては、やる気満々で緊張の欠片も感じられない分、美琴がそれを背負わされているようだ。  はじめは客の入り具合に感動し、盛

          ライトノベル第四章三話【今までになかった成功の感覚】

          ライトノベル第四章二話【言葉巧みな奏】

          「最近の美琴は、自信がついたせいか、音のメリハリがはっきりでていい感じだな。細かい注文にもすぐ対処できる器用さは群を抜いている」  奏が最近の美琴の成長は素晴らしいと語る。それは俺も思っていた。美琴があまりにも簡単に注文通りの音やリズムを出すから、こちらもつい難易度を上げ細かい注文をしてしまう。俺たち四人の初ライブは、美琴にとって人生初のライブ演奏でもある。技術的なものばかり成長させてしまって、果たして本番は大丈夫だろうか。舞い上がる程度ならまだいい、極度の緊張で失神してしま

          ライトノベル第四章二話【言葉巧みな奏】

          ライトノベル第四章一話【徐々に見えてくる三人との距離】

           俺は奏と律、美琴という固定のサポートメンバーと出会うことができた。今までと違い、これから先はずっとこのメンバーと一緒に、ライブができるんだと思った律は 「なんかさ、こうやってずっと同じメンツでライブのパフォーマンスだったり、楽曲のアレンジだったりしていると、本当にバンドやってるみたいだな!」  ライブ本番を想定した練習の休憩時間、DOOMSDAYが一体となってきているのを感じ、律は口にしたのだと思う。 ・・・だが、俺はなんて返したらいいのかわからなかった。確かにサポート同士

          ライトノベル第四章一話【徐々に見えてくる三人との距離】

          ライトノベル第三章七話【次はもっと最高のライブに】

          「よし。この調子でもう一曲やろうぜ!」  律が流れを変える言葉を発する。美琴のことを迎え入れる初セッションだ、と一人でテンションが高い。奏はそんな律を「暑苦しいヤツ」と軽く軽蔑をする。いつもならこれでひと騒動になるが、今回はならなかった。奏は律のことを軽蔑しつつも、「だが、それはいい案だ」と考え事態は悪くないと受け入れたからだ。 「美琴はほかになにがイケる?」  奏はなるべく美琴に威圧を与えない距離感と口調で聞く。美琴は今、憧れの俺とDOOMSDAYに認められつつあることに感

          ライトノベル第三章七話【次はもっと最高のライブに】

          ライトノベル第三章六話【これからのサポートドラムはおまえだ】

          「マジかよ・・・。」  しんっ・・・と静まるスタジオに律の声が響き、それぞれが我に戻る。 「本当にバンド未経験だったのか?」  奏も想定外以上の出来上がりに驚く。 「えっと・・・あの?」  美琴は俺に答えを求めるように訊ねてくる。本人もまさかいきなりセッションになるとは思っていなかったのだろう。俺たちもそのつもりはなかった。  だが突き動かされた。それだけの力が美琴にはあるということだ。 「合格だ。」 「え? あの、なんの? なんの合格ですか?」  キョトンとしている美琴。律

          ライトノベル第三章六話【これからのサポートドラムはおまえだ】

          ライトノベル第三章五話【最高の演奏】

           週末の連休明けに美琴から連絡が入る。俺は、近いうちに時間を作れないかと返事をした。美琴からは週末以外ならいつでも都合はつけられると返ってきた。週の半ばの夜に、奏たちとスタジオで練習をすることになっていたため、そのことは伝えず、日時だけを指定する。彼らがいるとわかれば、引っ込み思案の美琴は身構えてしまうだろう。とくに、律のことを怖がっているところがある。知らずに来たとしても状況は変わらないと思うが、緊張感がずっと続く中で過ごされるよりはいい。美琴からは、あれから自主練を重ねた

          ライトノベル第三章五話【最高の演奏】