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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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#コラム

さいきん、怒ったことはなんですか?

さいきん、怒ったことはなんですか?

*質問フェチの僕は、メモにさまざまな質問をリストアップしている。会話に困ったりしたら、そこからいくつか引っ張り出して質問したり、ブームのようにハマっている質問を相手に投げかけてみることも多い。その中でも最近ハマっている質問があるのですが、これがおもしろくってね。

その質問とは「さいきん、どんなことに腹が立ちましたか?」だ。「怒りましたか?」でもいい。そんなもったいぶったくせに、全然ふつうの質問じ

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普通だとか、群れだとかいうこと

普通だとか、群れだとかいうこと

*僕が何かを考えるときに大切にしているポイントのようなものを、ふと思い出した。それは吉本隆明さんがおっしゃっていた「全体のことを考えるときは、中間より少し下の人たちが、どんなふうに考えたり、どんな生活をしているかをきちんと知って考える」みたいなことだったと思う。それはつまり、自分を中心にして考えるのではなく、全体を考える上でのテクニックのようなことだったと思う。

サラリーマンのことを否定したり、

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出雲大社の砂

出雲大社の砂

*さて、島根県に来ています。たぶん、あるミュージシャンの荷物持ちをしていたころに、一度はライブで来たことあるとは思うんだけど、それにしたってちゃんと訪れるのは初めてじゃないかな、島根。こんにちは、島根。

ただびっくりしたのが、関西からのアクセスです。たしか車で4〜5時間くらいだろうから、電車に乗れば、まあ1〜2時間で着くだろう、とたかを括っていたら、電車でも同じくらい時間がかかるんですよね。でも

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体感速度と年齢

体感速度と年齢

*よく「時間」というものを考えるための質問として「人生100年生きるとして、それを1日に置き換えたとしたら、今自分は何時ごろか?」みたいなものってありますよね。逆に「1日を人生に置き換えたとしたら、今の時間は何歳か?」というものもあります。なんかどこかで聞いたことのあるような質問でしょう、僕もこれを聞いたときは、考えたことがある気がするなぁ。

ぼくは今年で30歳になるので、24時間で換算すると、

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自分で掴んだものしか残らない

自分で掴んだものしか残らない

*20歳前後の頃、当時お世話になっていた、全身タトゥーまみれのラッパーの先輩に口酸っぱく言われていたのは「自分で掴んだものしか残らない」という言葉だった。

本を読んだり、映画を見たり、話を聞いたり、何でもいいけれどその中で金言のようなものや、心に響くような考え方を見つけることはできる。できるが、それはあくまで「見つかった」だけで、つまり眼で見えているのだから自分ではない、自分の一部ではないのだと

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ぬいぐるみが好きな人

ぬいぐるみが好きな人

*昨日はあまがさきキューズモールという商業施設で、企画した「ぬいぐるみドリーム!」というぬいぐるみのイベントでした。人通りの多い商業施設の広場に、ぬいぐるみが数百もの数並んで、それはそれは眼福の光景。可愛いって、本当に幸せですよねえ。

数百ものぬいぐるみの展示販売だけでなく、ぬいぐるみ作家さんをお呼びして、ワークショップもいくつか行われてました。これが良かったし、ぬいぐるみ作家さん、みんな素敵な

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顧客満足度は前提なのである

顧客満足度は前提なのである

*僕はボードゲームが好きで、月に二度ほど、友人たちと集まってはさまざまなゲームで遊んでいる。ゲームによっては脳みその使う部分が違ったり、メンツによっても面白さが変わってくるので、毎回新鮮な面白さがある。

ボードゲームをやったからといって頭が良くなるとは思わないが、柔らかくはなるだろうなぁと感じているし、何より慣れてくると、日常のさまざまなことに「ゲーム性」を付与して遊ぶことができるのにも気付く。

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桜井家砂をかけた気持ち

桜井家砂をかけた気持ち

*手伝っている会社の後輩が、資料を改ざんしてあるのを目の前で見てしまった。クラウド化されている資料はリンクさえ知っていれば誰でも編集できる。極端なことを言ってしまえば、後から見積額を変更することだって可能だ(もちろん、ちゃんと調べればバレるのだが)。

ある会議で、言った言わないの水掛け論になっていたとき、資料を確認しようという流れになるのを見越したのか、後輩は水掛け論の最中にその資料を先んじて開

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朝の電車

朝の電車

*朝、珍しく電車に乗っている。通勤ラッシュの時間は過ぎているので、車内はほどよく空いている。前には妙齢の女性が三人、横並びで座っている。ふたりがぺちゃくちゃとおしゃべりし、もうひとりは静かに目を閉じている。友人でこれからお茶でもしに行くのかな、などと考えながらふと足元を見ると、三人ともスニーカーが一緒で、色違いのものを履いていた。三姉妹だろうか、と思う。久しぶりに三姉妹集まってお茶でも、などと考え

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写真を撮ること

写真を撮ること

*どうやら世間では黄金週間なるものが始まっているらしい。フリーランスとは名ばかりの万年社畜のような自分には関係のない出来事すぎて、ついさっきまで忘れていた。町に出ると、どこもかしこも人で溢れている。空高くから見下ろすまでもない、人がゴミのようだ。蠢く大量のゴミたちだ。そして自分もその一部である。

夕方ごろからは中之島美術館で行われている「モネ展」へと向かった。スケジュール的に今日しか行ける日がな

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自分が自覚してない感情には気付けない

自分が自覚してない感情には気付けない

*「自分が自覚していない感情には気付けない」と、会議中に誰かが言った言葉がものすごく印象に残っている。いや、本当にそうだよなぁと思うんですよ。「自分が自覚していない感情」、つまり知らない言葉は話せないようなことだよね。「怒り」という感情を知らなければ、その人が「怒っている」ことに気付けない、みたいなことだよなぁ。

「自分が自覚していない感情には気付けない」、この言葉は何も他人に対して気付けるかど

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いつだって若い人たちが

いつだって若い人たちが

*大人ってそんな偉いもんかね。学生に「これが大人の社会だ!」て言ってくる大人って、俺たちが学生の頃いちばんウザかった大人じゃなかったかね。経験や知識ってそんな偉いもんかね。それでしかマウント取れない大人って、大人のネガティブキャンペーンじゃないのかね。僕はいつだって先輩からより後輩から「おもしろいことしません?」て誘われたい。新しい時代とか、新しいものをつくるのは、いつだって若い人たちだからだ。そ

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意味とか意義とかサービスとか

意味とか意義とかサービスとか

*大阪駅の長いホームを歩いていると、車椅子の男性と、それを押している駅員さんとすれ違った。数十人、数百人とすれ違う大阪駅で、二人を憶えているのにはワケがある。駅員さんがそれは本当に晴れやかな、楽しそうでイキイキとした表情で車椅子を押していた。サッとすれ違っただけなので、本当に一瞬、視界に入っただけだが、その一瞬だけで強烈に記憶に残ってしまうほどの表情だった。

その表情をすれ違いざまに見た僕は、思

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涸れた泉

涸れた泉

*最近、もっぱら文章を書く手が止まってしまう。毎日書いているこの文章もそうだし、毎週書いているエッセイもとうとう書く手が止まってしまい、ストックがなくなって取って出しの自転車操業になってしまった。泉が涸れてしまったかのように、同じ場所を掘っても掘ってもついに何も出てこなくなった。この状態は怖い、怖すぎる。掘っても掘っても自分には才能がないことを、掘れば掘るほど痛感させられてしまうようだ。

昔、大

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