【簡単あらすじ】NO推理、NO探偵?(微ネタバレ)【柾木政宗/講談社文庫】
『 推理って、別にいらなくない?』
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女子高生・取手ユウは、女子高生名探偵・美智駆アイが大好き。
そして、そのカッコ良い姿を近くで見る為、そしてもっと有名にする目的のために、探偵の助手になっている。
いつものように、アイの推理で犯人が突き止められ事件は解決したのだが、その犯人がアイに対してはなった「死んだ馬に鞭を打っても無駄だ」というセリフで、アイは推理が出来なくなってしまった。
それを好機?として、ユウはアイを「推理をしない探偵」つまり、事件を推理ではなく、「足」「運」などで解決させる名探偵に育て上げることを宣言する。
本作品はテーマであるユーモアと、度々挟まれるメタ的な視点を根拠とした、普通のミステリでは考えられないロジックが展開されます。
事件の犯人を思いもよらない角度から絞り込んでいく流れは必見です。
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ほんタメ・2024年1月6日「探偵が不利すぎるミステリ3選」で紹介された作品で、以下の五編の連作短編になります。
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プロローグ 女子高生探偵物語のエピローグっぽいやつ
女子高生名探偵・美智駆アイの名推理でいつものように事件は解決したのだが、犯人の捨て台詞が催眠術のような効果を持ち、アイは推理が出来なくなってしまった。
助手・取手ユウは、それを奇禍として、アイを「推理をしない名探偵」としてプロデュースすることを決意する。
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第一話 日常の謎っぽいやつ
ある日の放課後、アイとユウがいつものように下校していると、街路樹の横に「ぴかぴか光る石が、地面に等間隔で置かれていた」。
朝には無かったこの不思議な光景が、ちょこっと顔をのぞかせたところで、二人は「日常の謎」をテーマにした事件に取り組む。
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第二話 アクションミステリっぽいやつ
アイとユウの下校中、突然空からヤンキーっぽい人間・月田が落ちてきた。
近くのビルに人影を見つけたため、二人はビルの内部を調べたが逃げられてしまった。
幸い命に別状は無かったものの、二人は「月田の復讐+アクション」をテーマにした事件と認定する。
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第三話 旅情ミステリっぽいやつ
警察官でアイの兄・レイジから「埼玉県警から捜査協力を受けた殺人事件」について意見を求められた。
しかし、アイの推理能力はまだ回復していないため、二人は殺人事件の現場である埼玉県川越市に向かい、「旅情ミステリ」をテーマとした事件が始まる。
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第四話 エロミスっぽいやつ
二人はレイジから、ある金持ちが殺されたため現場を見に来て欲しいと依頼される。
その犠牲者は、「密室の真ん中」で「全裸で首を吊っていた」状況だった。
そこで、「エロミス」をテーマに事件解決に突き進む。
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最終話 安楽椅子探偵っぽいやつ
二人で寄った店を出た後、二人はいきなり襲われ意識を失ってしまう。
謎の人物は「―もうお前たちも私も、できることは少ない」というセリフを残していた。
気が付いた二人は、部屋に閉じ込められており、絶体絶命のピンチだ。
しかし二人の会話の途中で、アイの推理能力が元に戻り…
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上記ほんタメ動画内でヨビノリたくみさんが話した、
「スベリ気味の漫才をずっと見せられてる感じ」
「最後まで読むとすべてが許せる!……人もいる笑」
という感想がとてもピッタリ合った作品です。
私は…許せる人間でした笑
※この回のほんタメでは、本作以外の「探偵が不利すぎる他の作品」も紹介されていますので、お時間ある方は是非youtubeチャンネルもご覧ください。
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本格ミステリが好きな方からすると、本作品は「邪道」扱いされるかもしれません(されることは間違いないでしょう)が、こういった、ユーモアミステリも多くの方に読んでもらい、ユーモアミステリにはユーモアミステリとしての楽しさ・美しさがある、ということを感じて頂きたいです。
しかし、本作品には、私だけでなく皆さんも好きであろう「多重解決ミステリっぽいやつ」も含まれていますので、ただのユーモアミステリと侮ってはいけません。
初読みの作者さんでしたが、追いかけていきたい作者さんでした。
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