見出し画像

【簡単あらすじ】先祖探偵(微ネタバレ)【新川帆立/ハルキ文庫】


「君は一体、どこから来たんだろうね」


先祖探偵。

その名の通り、先祖調査を専門とする探偵・邑楽風子。
風子の元には「曾祖父を探して欲しい」「家族史作成の手伝いをして欲しい」「呪いの元を突き止めて欲しい」など、様々な依頼が舞い込んでくる。



ーーー

『はじめに』
今年は暖冬と言われていますが、突然雪が降ったりポカポカ陽気になったりと、体調を崩しやすい日が続いております。しかし、部屋で読書に勤しむことはそういった外の気候が全く関係ありませんので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

ーーー

先祖探偵。

世の中には、学生がなったり、超能力者がなったり、猫がなったり、安楽椅子形式だったりなど、様々な方(動物)が様々な方法で探偵として活躍していますが、主人公・邑楽風子が依頼者の先祖を調べ・それに関連して生まれた様々なミステリを解いていくという作品です。

私のような戸籍に関する知識のない人間からすると、先祖探しというのは、戸籍謄本を取り・そこに載っていた名前に有名人がいるかどうかの確認をする、といったことぐらいしか想像できなかったのですが、そこから様々なミステリが紡ぎだしているところが、さすが新川さんだと思います。

ーーー

本作を読了して「棄児・棄民戸籍」「長袖」「六部」など、様々な用語についての存在とそれを取り巻く現状を知ることが出来ました。

また、現在は少なくなってしまったのですが、主人公が全国各地を飛び回り各地のご当地グルメ&観光を堪能する、というトラベルミステリー形式にもなっているため、読者によってはどこか懐かしさをも感じる作品になっています。

以前、西村京太郎さんの小説レビューもしたことのある私は、


トラベルミステリーも好みの形式であるため、大変楽しめる一作でした。

読み進めることで、日本全国の魅力を発見・再発見しながら、新しい言葉の存在を知り、新しい知識を得ることが出来る。

こういうところも読書の魅力の一つですよね!

巻末で新川さんご本人も話していますが、全編を通して「NHKのファミリーヒストリー味」を感じます。

現在放送中の「佐藤二朗さんの先祖探偵」や以前放送されていた「歴史秘話ヒストリア」など、そういったテイストの番組が好きな方にもおススメの一作です。

その他、新川帆立さんと辻堂ゆめさんの「東大法学部出身作家」同士の巻末特別対談も必見です。

ーーー
★同作者の他作品レビュー★



★他の小説レビュー★


この記事が参加している募集

読書感想文

休日のすごし方

記事を読んで頂いた方に、何かしらのプラスを届けたいと考えています。