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【簡単あらすじ】死なない生徒殺人事件・新装版(微ネタバレ)【野﨑まど/メディアワークス文庫】




『藤凰学院には、永遠の命を持つ生徒がいる』

不況のあおりを受け、勤務先の高校を解雇された理科教師・伊藤
次に勤務するのは、生徒数二千五百人というマンモス女子校・私立藤凰学院

学園で同じく理科を担当する受村・有賀など同僚に恵まれた楽しい職場で、伊藤は副担任として教壇に立つ。

少しずつ仕事に慣れ始めた頃、伊藤は天名という転入生から「友達が欲しい」という相談を受ける。

そして、その相談が伊藤を不思議で奇妙な世界へ誘うきっかけとなる…

『はじめに』
ついに梅雨入りが発表され、気温がだんだんと上昇することで日常生活が不快に感じることが多くなっています。
私の地域でも最高気温が30度を超えることが増え、不要不急の外出は減らしている時期ですが、エアコンを起動し、自室で飲み物を飲みながら読書をするという、絶好のシチュエーションを得られる時期が到来したとも言えます。ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

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以前、[映]アムリタ新装版で衝撃を受けた野﨑まどさんの作品です。

皆さんが本作品を手に取ると直ぐに題名の矛盾に気づくと思いますが、作品中にも大小さまざまな矛盾が散りばめられています。

当たり前ですが、現在では「死なない生物」ならともかく、「死なない人間」は生物学的にはあり得ない話です。

伊藤も、その噂を初めに聞いた際には「良くある学校の噂話」と考えていたが、そんな伊藤の前に、自称死なない生徒・識別組子が現れます。

自称死なない生徒・識別と、識別と友達になりたい生徒・天名。
そしてあり得ないと思いながら、二信八疑くらいの認識で識別に興味を持つ伊藤。

二人の女子高生?と常識のある大人を中心に物語が進みます。

物語が進むにつれて、「死なない生徒(人間)」についての答え合わせがされることになりますが、私のような文系人間にとって、一番納得し易い答えでした。

前回レビューした斜線堂有紀さんと同じように、「表紙デザインや出版社イメージだけで食わず嫌いをしては損をしている」と言い切れる、野﨑まどワールドを是非ご堪能ください。



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