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【簡単あらすじ】金田一少年の事件簿小説版・雷祭殺人事件(微ネタバレ)【天樹征丸/さとうふみや/講談社文庫】

元クラスメイトの朝木秋絵が住む雲場村を訪れた金田一一と七瀬美雪

その村では雷を崇める夏まつりが開催される。
金田一らは祭りを楽しみ朝木家に戻ると、離れでセミの抜け殻に覆われた、自称昆虫学者・武藤恭一の死体が発見される。

事件のポイントは「消えた足跡」。

一はそのからくりを見破り真相に辿り着くことが出来るのか。



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『はじめに』
とにかく暑い毎日が続き、時季も読書の秋ではないですが、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

「金田一少年の事件簿」と聞くと、マンガ・アニメ(時々ドラマ)をイメージされる方が多いと思いますが(少なくとも私はそうです)、数は少ないですが小説版も発刊されています。

この本の主題になっている「雷祭殺人事件」は、魅力的な登場人物や、やけにドロドロした人間関係が中心の内容だったため、アニメ版を見たのは学生時代にも関わらず、とても印象的だったことを覚えています。

そのため、いまだに犯人や物語の推移・トリックの内容をきっちり覚えていましたので、「アニメ版と小説版の違いを感じながら」+「私自身の記憶とのすり合わせをしながら」読了しました。

1.蝋人形を想起させる異様とも言えるほどの白い肌を持った少女・時雨。
2.まるで葬送の献花のように、大量のセミの抜け殻=空蝉を纏って息絶えていた武藤。

など、魅力的な登場人物や現実離れした異様な殺人現場が登場するため、読者は感情移入し作品に没頭し易いと思います。

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雷祭殺人事件以外にも、

学校のPC機材を媒介にして、ある生徒が交換殺人をしてしまった

「共犯者X」

一と美雪が吹雪で迷子寸前になってしまい、ようやくたどり着いた雪山山荘を舞台にした

「迷い込んできた悪魔」


の二編も収録されています。

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両編とも、学校・雪山の山荘という推理物の定番を舞台にした短編で、途中に「読者への挑戦状」という形での謎解き要素があります。その内容が程よい難易度だったため一気読みになること必須です。

この二つの短編はアニメで見覚えが無いため、小説オリジナルなのかなと思い調べてみると、どちらもアニメ版として放送されていました。

人間の記憶なんてあてになりませんね…

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私と同年代で、毎週月曜日のゴールデンタイムに、「金田一少年→名探偵コナン」の流れでTVを見ていた方に特におすすめな作品で、昔を懐かしみながら読むのに最適な作品です。

もちろん、いつもと違う金田一少年の事件簿の楽しみ方をしたい方にも、小説版はおススメです。



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