人間、この律儀なもの【マーケティング読み物】
こんにちは、リサーチャーの牛尾です。
今日は、「人間って律儀ですよね。マーケティング実務においては、律儀な人びとを相手にしているということを忘れちゃいけませんよね」という話です。
人間、この律儀なもの
やれお正月だといって大酒をくらう人、やれハロウィンだといってコスプレして街に繰り出す人、やれ旅行先だからといって訳のわからぬキーホルダーを買う人。
こういった人びとを見ていると一種の感動を覚えざるを得ません。
嗚呼、人間ってのはなんと律儀なのか!
だって律儀じゃないですか。
酒を飲みたければ好きな時にかっくらえばいい。コスプレしたければ、誰も止めはしません。勝手にやればいいのです。そしてキーホルダーがほしければAmazonか楽天市場でいますぐ注文すればいい。
ところが彼らはそうはしない。わざわざ正月を待つ。ハロウィンを待つ。温泉場に出かけていく。
嗚呼、なんと律儀なのか!
リサーチをやっていると、本当に人間って律儀よなぁと思います。
「律儀」は、「面倒くさい」と言い換えても結構です。「愛おしさを感じる面倒くささ」ですね。
そこでは高価なものほどよく売れる
で何を言いたいかと言うとですね、マーケティングにおいては「人間は感情の生き物。感性に訴えかけるべし」なんてことをよく言いますが、しかしそれと同じくらい「人間は律儀なもの」と意識しておくことも重要よなぁと思うのです。
例えば以下の記事の真ん中あたりにこんな文章があります。
(セブンティーンアイスの自販機は日本中に置いてあり、商品ラインナップは場所ごとにカスタマイズされている。そして)観光地など非日常の場所になると、いわゆる定番ものはあまりウケないんですよ。せっかくならいいアイスを食べたいという心理が働くのか、少し価格が高い(200円)のスペシャルセレクションが好まれます。ですから観光地などではお客様の“ハレの気持ち”を満たすことができる高額商品のラインナップをあえて揃えたりもします。
デフレに苦しむこの現代日本においてですよ、観光地=非日常の空間ではむしろ高いものほど好まれるっていうんだから、嗚呼、律儀!
この理屈でいくと、オシャレスポット(渋谷、原宿、代官山など)や、アクセスが容易ではないスポット(駅から離れておりLUUPなくしてはたどり着けないような場所、山頂、離島など)にあるお店はガンガン値上げすべきなのかもしれませんね。
その方が、たぶん売れる。
脳内会議
というわけでですね、マーケティング施策を考えたり、データを分析したりする時には、【何事にも感情的・感性的に対処するA氏】と共に、【何事にも律儀なB氏】という人物を頭の中に置いておく。そして脳内で会議をする。
そうすると、いいアイデアが浮かんでくると思うんですよね。
ウォルト・ディズニーは、「夢想家」「実務家」「批評家」という3つの視点を意識的に使い分けることで素晴らしいアイデアを生み出したと言いますが、それと同じことです。
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