岡部廉

65歳 地方在住 学生時代から新左翼運動に没頭 投獄歴あり(三里塚) 労働組合運動に転…

岡部廉

65歳 地方在住 学生時代から新左翼運動に没頭 投獄歴あり(三里塚) 労働組合運動に転身 自己の労働争議の金銭和解経験あり その後別の介護会社入社 役員となる(ブル転) 今、地域のNPO 活動で頑張ってます。趣味 柴犬 空手 難しい本をよむこと

最近の記事

早朝の悪夢のような思考

朝、6時半。LINEの着信音が鳴った。 40年来の友人からだった。 いつものように唐突に「なるほど、としか言えない」とあった。 彼からのLINEは、わたしの「思考の大切なトリガー」なので、早速開く。 目に飛び込んできたのは、眠気を吹き飛ばす緊迫した内容だった。 以下、投稿したご本人の全くの未知の方であるが、『X(旧Twitter)』への投稿という公開前提のメッセージなので、全文を引用する。 「(日本語でも書いておきます) 純粋に政治という観点から見ると、パレスチナ

    • ガザのジェノサイドと「申命記」「ヨシュア記」

      2023年10月7日のハマースの襲撃の目標の一つは、この日ガザ近くの砂漠で開催されたブラジル発祥のレイヴ(フェス)のイスラエル版だった。 その日は、ユダヤ教の「シャバド」(安息日)で、祝日、「律法感謝祭」であった。 イスラエル人と世界から集まった人々、数百人が殺戮され人質となった。220万人のガザという「絶望の監獄」からのパレスチナ人の絶望的「蜂起」と残虐な殺戮。 映像では、パラグライダーで降下するハマスの兵士たちとそれを知らず、楽しく舞い踊る女性たちの姿が見えた。

      • 再生

        斎藤幸平『人新世の資本論』第4章の読解

        斎藤幸平の『人新世の資本論』第4章「人新世のマルクス」の読解です。

        • 可能なものの現実的限界の彼岸の思考の倫理的義務

          スロベニアの哲学者、スラヴォイ・ジジェックは、パレスチナで起きていることことについて韓国のハンギョレ新聞に寄稿して、以下のように述べている 「ハマスとイスラエルの強硬派はコインの裏表だ。私たちは、境界線をハマスとイスラエルの強硬派の間に引くのではなく、二つの極端な勢力と平和な共存の可能性を信じる人たちの間に引かなければならない。 私たちは、二つの極端な勢力と交渉してはならず、代わりに反ユダヤ主義と戦い、同時にパレスチナの権利のために闘争しなければならない。理想的な話に聞こ

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          認知症フレンドーテック第二回ハッカソンに参加して

          認知症フレンドリーテック第二回ハッカソンに参加した。自分自身は「誰でも楽しく買い物ができる仕組み作りーLINEでつながる関係性」のチームに参加した。 少し長い文章になるが、興味のある方はお読みください。  ハッカソンでは認知症の方が日常生活を安心してすごすために有効な支援をITテクノロジーの領域から取り組んでいる。 認知症ケアの関係者とテック関係者がチームを作り、「缶詰」となり、開発を競う取組であり、コンテストでもある。私も昨年から参加させていただいている。 上記した

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          終末論的妄想と破局願望の裏返し

          最近のあちこちで起こる地震、プレートテクトニクス理論が正しいとすれば日本列島が乗っかるプレートが大きくずれ、跳ね上がる前段の「軋み」のように思える。プレートテクトニクスとは、地球の様々な変動の 原動力を地球の全表面を覆う十数枚の厚さ数十kmほ どの岩盤(プレート)の運動に求め、そのプレートの境界部に様々な変動が生じることにより、地震や火 山をはじめとする様々な地学現象を統一的に解釈し ようという考え方であり、1960年代の後期に登場した(これとは全く異なる説を唱える地学者もい

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          水鏡天満宮、移転するって

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          ライナーノーツにはこうある。 「闘病を続けていた坂本 龍一が、2021年3月末ごろから「日記を書くようにスケッチを録音していった」と語り、その中から気に入った12スケッチを選び、まとめたというオリジナルアルバム。2017年リリースの『async』以来、約6年ぶりとなる本作は、たった一人で自分自身や世界と対話するように、日々の感じるままをピアノとシンセサイザーで紡いでいる。その表現の意識は旋律よりサウンドテクスチャの造形に向かい、水面に落ちる水滴が起こす波紋のように、シンセサ

          大江健三郎 わたし

           大江健三郎が亡くなった。彼の憲法9条を守るなどの政治的な主張には興味がなかった。ただ、50年前のある時期、彼の小説を、夢をみるように、貪るように読み続けていた。15歳から17歳の2年間ぐらいだとおもう。  先日、ラジオ番組で作家の高橋源一郎が大江を追悼した発言のなかで「大江さんの小説の魅力は『孤独』を描いていること」という趣旨のことを言っていた。散歩中に聞いていたそのラジオの言葉に、ふと、「大江健三郎」の小説を読み耽っていた、50年前、つまり半世紀前のそのときの自分の「孤独

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          異次元のミャンマー 瞑想とケアの融合2020.1.24-28

          タンリン・タバラワ・イェイクター僧院、瞑想センター ヤンゴンから1時間。 亜熱帯のジャングルをぬけたぬかるんだ道の向こうに、アジールのような2キロ四方の「コミュニティ」があった。 人が往来し、炊き出しの調理場や精神障害者のクリニック、西欧からのヨギーの宿泊施設を過ぎ、コンクリート7階建てのセンターがあった。瞑想療法(マインドフルネス)と病院を退院した方の療養施設。喜捨とボランティアで運営。中心はお坊さん、尼さん。アメリカ人のボランティア、ポルトガル人のボランティア、台湾

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          フィンランド研修視察報告 2017

          -福岡県介護福祉士会研修事業に参加して- 2017.9.24-29 <研修の目的> 1. 今回の研修の目的は、フィンランドが1990年代から実施している「保健医療福祉共通基礎資格」である「ラヒホイタヤ」( Lähihoitaja)*の制度の学習とこれを実施する職業訓練学校の視察および高齢者施設の見学であった。今回の感想はこの「ラヒホイタヤ」を中心に書いてみたい。 2. フィンランドに研修を設定した背景としては、厚生労働省が2017年2月7日、医療・福祉系の専門職を養成

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          沖縄 2016.4.28

          私は沖縄の基地問題に対して、今、なにもできていない。元海兵隊員に残忍に殺された島袋里奈さんを思い、慟哭する沖縄の人々の姿を映像で見、こころが潰れる思いをもつだけだ。 反対の声をあげているとは言い難い。 政治利用しようという施政者、差別用語をつかいながら、真逆の批判をする政治屋を批判する資格はないかもしれない。  沖縄には学生運動をしていた70年代後後半から80年にかけて何回か訪れた。当然、当時の習わしで、多勢でヘルメットをかぶりデモをする。そのままバスに乗り、移動する。

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          レヴィナスを翻訳で読むことの意味

          レヴィナスを翻訳でよむのは意味があるのか、かと言って今更フランス語を学ぶわけにもいかず、などとかんがえたのはレヴィナスの同じ文章の別の翻訳を読んで考えた。 レヴィナス 「存在の彼方へ」(160頁 村上靖彦訳) しかしすぐさま、感受性(=享楽)の脈動である不完全な幸福の「核の解体」(denucleation nucleationは核生成) 現在を再発見する営為の彼方での、<自我>と自分自身との不一致・動揺・不眠。 わたしを苛立たせる苦痛、あるいは眩暈のなかで私を深淵のよ

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          syuukatu?

          例のごとく、今の問題意識(すこし停滞気味)。 レヴィナスの言ってることは何度読んでもさっぱり分からない。 そこで内田樹氏の解説本をノートをとることにした。書き写し、頭に入れ、「咀嚼」する。40年ぶりぐらいの作業。昔は得意だったが、衰えた頭と老眼には辛いことがわかった。 もう一つは昨年亡くなった小田嶋隆氏の『諦念後』 「ジジイだって、歳をとるのは初めての経験なのだ。許してあげてほしい」って俺のこと? 小田嶋氏が「スポーツジムに通ってみた」「断捨離してみた」「同窓会に出

          ロシアのウクライナ侵略戦争の一年の日に

          ロシアによるウクライナ侵略戦争から1年。ハンナ・アーレント『全体主義の起源3全体主義』を読んでいる。  1949年に「全体主義の起源」を探るために記された本書は、「ナチズムとスターリン主義の同質性」はナチスドイツとソ連のイデオロギーと政治体制の存続をかけた死闘そのものの中に生まれ、「全体的支配機能のもつ政治構造」は「人種の名において行おうと」「「弁証法的唯物論」(=スターリン主義のこと)「の歴史法則を担ぎ出そうと、実際にはそれほど大きな大きな違いはない」と断じている。 確

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