第四章 青年時代と四門出遊
太子は武芸に関しても比類なきものがありました。従兄弟でもある提婆達多(だいばだった)や異母弟の難陀(なんだ)達と弓術大会で競いましたが、太子にはまったく歯がたちませんでした。相撲をとったときでもそうでした。提婆達多と難陀が二人してかかってきも、地面に放り投げました。ただし、太子はいつも慈しみの心をもっていたので、決してけがをさせることはありませんでした。
それを見ていた人々や遠近の民衆たちは、
「浄飯王の太子は、ただ智慧がみんなより優れているだけでなしに、勇ましく、武芸に