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昨日は「令和」の満1歳の誕生日だった。 (そして友達のうじのくんの誕生日でもあった。)

昨日は「令和」の満1歳の誕生日だった。
(そして友達のうじのくんの誕生日でもあった。)

おめでとうございます。

去年の昨日は在シドニー日本国総領事館へ記帳に行った。
色んな意味で「こんな機会はないのだから」と思って張り切って行った。

なんせ総領事館の記帳所に拙作の「令和」が展示してあったからだ。
こんな機会はそうそうなかろう。

大盛況で総領事館からウインヤード駅くらいまで日本人の列ができているかと思ったのだが、10時前に階下のロビーに到着したときには若者男子二人、女性が3人がリフトが解除(自由に行き来はできない)されるのを待っていたくらいで長蛇の列は無し。

こんな若者諸君がこんなに早くこんな会場に来てるのはどうしてだろう、という疑問が湧いた。どちらかといえば年寄り諸氏でいっぱいだと思っていたからだ(女性陣が年寄りだとは言ってないからね!!!プリーズ!!!)。これは俺の考えが浅かったかもしれん。申し訳ない。と、それで俺にピンときた。「Youtuberに違いない」。

さて先にも書いたように、大変光栄なことに改元のお祝い記帳にはじまる総領事館の様々なお祝い行事のための「令和」の書(写真)のご用命を賜っていた。身の引き締まる思いというこはこういうことだと、お電話くださった松尾首席領事の声を聞きながらひしひしと感じた。

字を書くことを生業とさせていただいている者として日本国の節目の国家的行事に関われることを本当に名誉である。特にこれは今上天皇に関わるお言葉なのだ。

これまで自分に関わってくれたいろんな人のことを思い浮かべた。

母のことはもちろん、亡くなった父や祖父母。また熊本の母方の祖父母や親類みんなも、あっちの世こっちの世でさぞ喜んでくれているだろうと思ったわけである。

サイズはA2。写真で見る感じよりも大きいと思う。
墨は3種類を混ぜてあって、筆は和筆をつかった。
作品の乾燥にもしっかり時間をかけ、表装作業も物凄い緊張の中で行った。糊が乾いてきちんと成功しているのを確かめるまでは気が気ではなかった。

これま仕上げた作品の中で一番気を遣った作品であることは間違いない。切り出しをして、A2サイズにカットし、額に入れるまで、全く気が抜けなかった。領事館の方にうけ取りに来ていただいて、作品をお渡しした途端、ふーーーーっと肩の力が抜けるのが分かった。

記帳は2席、真新しい白いテーブルクロスのかかったテーブルに用意されていた。

記帳ノートには2番目に名前を書かせていただいた。全体では4番目。
やっぱり緊張する。陛下と皇后陛下のお写真も書くところをご覧なのだ。
うっかり名前を間違えるわけにはいかない。

そのあとNHKの取材を受け、SBSの取材を受け、SBSラジオの取材を受けた。いきなりに弱い俺は答えもしどろもどろでうまくいかず、まあ採用されるとは思わないが、いい経験だったと思うことにする。

会場に居た者は片っ端からインタビューをされていた。
例の若者二人もである。

彼らはテレビ局のインタビューに臆することなく答えていた。YoutuberならTVの取材は美味しいところだ。再生回数も増えるだろう。

しかし、という逆説の接続助詞が正解なのかどうか、笑いを取ろうとしている感はなく、とても真面目でしっかりとした受け答えではないか。Youtuberは笑いを取るという俺の個人的な認識は間違っていたかもしれないという思いが過る。しっかりとしたコンテンツを提供するYoutuberもいるのかもしれない。

普段は知らない人に話しかけたりはしないのだが、俺は機会を伺い、思い切って聞いてみた。

突然知らんおっさんが話しかけたことにも彼らはとても丁寧に答えてくれた。彼らはYoutuberではなかった。勝手に俺が間違っただけなのに、とても残念な気がした。Youtuberならサインをもらおうと思ったのに。

しっかりしてる若者はしっかりしている。
しっかりしてない大人はしっかりしていない。

いつの時代も。
多分、令和でも。


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