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一部が合わないからと言って全てを拒否することは愚かである。 世間すべてと意見が合うなんてことは絶対にないから、 許容できる範囲で見て見ぬふりをする。 諍いを避けるにはそれしかなかろう。

雨が降っていた。
やることは山ほどあるのに全然ヤル気がしない。
シェアメートのトレーニングにくっついてジムへ。

それでも全くやる気がわかず、
あくびしながらマシンをいじっているとヒデは泳ぐという。

「れんさんも行こうよ」

いや、俺は行かない。

このジムは結構広くて割といい感じなのだが、
俺と意見が合わない点もある。

一部が合わないからと言って全てを拒否することは愚かである。
世間すべてと意見が合うなんてことは絶対にないから、
許容できる範囲で見て見ぬふりをする。
諍いを避けるにはそれしかなかろう。

だからこのジムにプールがあったとしても
俺が近づかなければよい。

まあそういうことだ。
俺はこのプールのことを苦々しく思っているのだ。

家にある風呂からジャグジーから大浴場あたりまではいい。
水やらお湯やらを溜めてみても命の危険も多くはない。

しかし25メートルプールともなると命の危険しかないではないか。
いやそれ以上かもしれない。

いや、俺の論としてはだ。
泳ぐこと自体おかしくはございませんか、
人類の進化に逆らう愚行じゃないですか、ということだ。

遠いご先祖様たちが一体どんな思いで
水中から陸へ上がってきたか。

ひたすら進化の過程を歩んできて、
辛いこともあっただろう、
悲しいこともあったろう。
それでも諦めないでみんな陸地を目指したのだ。

やっと、
やーっとの思いで陸上生活が可能になった。
そのときのご先祖様の喜びようといったら、
そりゃもう言葉にできないくらい嬉しかったことと思う。
(言葉があったかどうかはこの際無視)

それをだ。
そんな苦労も知らない現代人が、
わざわざ水に戻ろうとする。
しかもこれまたわざわざ穴を掘ってまで水を溜めて。

あーーー嘆かわしい。
先祖の心子孫知らずとはまさにこのことである。

知ったかぶりで無知な現代人のやりそうなことだ。
ご先祖様が聞いたらどんなに悲しむか…。

しかもこれがそんな現代人の無知を利用して、
今更戻れない水中への思いを強くさせ、
人類を滅亡に導こうとする輩、地球外生物の企みだとしたら?

だから俺は泳がない。
泳がないことこそ、ご先祖様への供養。
人類を守る正義中の正義。
子孫としてのあるべき姿、
子孫の鏡なのであるのである。



たぶん。

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