怖かった焼きそば

36度になった。

低体温の俺の体温をちょっと越えてきた。
なかなかやるのう、とほくそえむ。
しばらく外にでる用事をつくるまい。

さて師走ということもあって、なんやかやで、机の周りに処理すべきいろんなものが積みあがっていくのだが、夜型で作業をするからなのか、こびとさんがちっとも手伝ってくれないために、ちっとも終わりが見えない。

やってもやっても片付いた感なし、という状況は、スキー旅行のときのホテルの風呂場を思い出させる。

髪の毛を洗い、いざすすぎにかかると、すすいでもすすいでも頭の泡が消えない。「なんだ、ここのシャンプーすげえ。泡でまくり」なんつって何杯も洗面器にお湯を作って頭にかける。友達も「すげえ」なんつって大笑いしてるんだが、なんのことはない、隣にいたやつが、お湯をかけてる俺の頭にシャンプーを垂らし続けていただけだ。目を閉じてお湯かけてるわけで、根が真面目な俺はまさかそんなくだらないことしてるとは思わない。

と言う流れで言えば、子供の頃、車で行った家族旅行の帰りに寄ったドライブインも思い出す。

そこで頼んだ餡かけかた焼きそばが、食べても食べても無くならない(麺がふやけて量が増えるのだ)ので、俺は半べそをかいて恐怖?を訴えた。みんな食べ終わろうとしているのに、自分の食べている皿の料理はちっとも減らないのだ。父親は「早く食べないと置いていく」と脅すし、魔法にでもかけられているように焼きそばは減らないのである。いや、むしろ増えた感すらあった。

父は他界してもういない。
今は連れていくと言われてもきっぱり断る。

英語圏で書道を紹介しています。収入を得るというのは本当に難しいことですね。よかったら是非サポートをお願い致します。