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ワインとの相性絶句の〆鯖 ロワールの魚介フレンドリーワイン、シチリアの海ワインも歯が立たず

スーパーで購入した柚子〆鯖太巻(300円)。〆鯖はお酢が効いていて臭みが抜け、柚子の柑橘香とほろ苦さとの重なりが素晴らしい。〆鯖のみで食べるのとはまた違った楽しさが広がる。

それでもサバはサバ。癖の強い食材なので、満を持してワインは4種準備した。いずれも白ワインで、山梨の甲州品種、ロワールのミュスカデ品種、シチリアのグリッロ品種、ハンガリーの3品種ブレンドのもの。そして残念なことに、いずれのワインも盛大に反発し、サバ特有の青魚の臭みがはっきり立ち上がってしまった。甲州とハンガリーだけは多少踏み止まった。柚子の香りで途中まで良い感じきても、余韻に生臭さがドンと立ってしまう。

ロワール
ハンガリー
シチリア
山梨

まずは山梨の甲州ブドウで造られたワインから。

メルシャン, 玉諸甲州, きいろ香, 2020, 10.5%, 2,838円

ワインについては先日のNoteに。
甲府盆地の中央部に位置する甲府市玉諸地区で収穫された甲州ブドウを使用。香りにはカボスなど和柑橘、大ぶりな梨。みずみずしくも芯がありたおやか、こぎみよい酸味。ゆるゆるとほろ苦さ。信濃屋(実店舗)で購入。

柚子〆鯖太巻にワインを合わせる。柚子の香りが抜けた余韻に、サバの青魚特有の香りが残る。そこにワインが当たると派手に生臭みが立ちあがってしまう。ワインの柑橘香とほろ苦さがなんとか取り繕ってくれようとするが、それでもうまくいかない。相性: ★★☆☆☆

続いて魚介に相性の良いロワールのミュスカデを。

クリスチャン・エ・パスカル・リュノー, ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ, シュール・リー, クロ デ ボワ ゴーティエ, 2021, 12%, 1,980円
Christian Et Pascale Luneau, Muscadet De Sevre Et Maine, Sur Lie, Clos Des Bois Gautier, France, 2021, 12%

ミュスカデにしてはややしっかりとした色調。
香りにはメロン、洋梨のみずみずしい軽快なフルーティ、ほんのりパンの酵母香、柑橘香はやや控えめ。
味わいはみずみずしく軽快な口当たりながら、じんわりと旨みが残り思いのほか長めの余韻。こぎみよく舌にキュッと刺激の残る酸味。余韻にはほろ苦さ。

柚子〆鯖太巻に。ワインは通常のミュスカデよりも深みや旨みをはっきりと感じ、それが悪い形で〆鯖にぶつかり、生臭みがどっと立ち上がる。シーフードフレンドリーなミュスカデがここまでコテンパンに追い返されるとはせつない。相性: ★☆☆☆☆

そういえば先日、魚介に相性の良いソアーヴェすらも炙りしめサバとの相性には難しさがあった。

では海のワインならばと思い、シチリア島の地場品種で造られるワインを。

クズマーノ, シャマリス, イタリア, シチリア, 2021, 12.5%, 1,650円
Cusumano, Shamaris, Sicilia, Italy,

2021年は『ルカ マローニ』で93点、『ジェームズサックリング』で92点と、千円台のワインとしては異例の好評価。
「シャマリス」は“輝く海”を意味。シチリア西部パレルモ県にあるモンレアーレ地区の、標高400mに広がるモンテ ピエトローゾにある北向きの畑に植えられたグリッロ種から造られる。6ヶ月間澱と共にステンレスタンクに置く(シュールリー)。トスカニーで購入。

香りには洋梨、白桃、貝殻を嗅ぐような潮の香りをほのかに、ほろ苦さ伴うハーブを軽やかに、ボリュームは中庸で大きすぎず。
味わいの果実味はでしゃばらず穏やか。余韻にほんのり舌が冷んやり乾くような、ほろ苦さ、塩味、そして鼻腔を潮の香りが抜けミネラル感豊か。

柚子〆鯖太巻に。ワインの豊かなミネラル感ですら、〆鯖に当たると堪えがたい生臭さが立ってしまった。相性: ★☆☆☆☆

最後に、ハンガリーの白ワインを。自然派のような滋味豊かな風味で、サバのワイルドな香りを包み込めるか。

パーツァイ, アグネシュ, ハンガリー, バラトン, バダチョニ, 12.5%, 2,574円
Patzay, Agnes, Badacsony, Balaton, Hungary,

ワインについては先日のNoteに。
バラトン湖近くで、3種のブドウをブレンドして造られる。ヴェルシュリースリング 、スルケバラート(ピノ・グリ)、リースリング。
香りには花梨蜜や黄色い花、貝殻などの硬質なミネラルのニュアンス。キュッと詰まった酒質、やや酸化的ニュアンスを好意的に伴いまったりした印象。開栓から1週間ほどたつが、風味は発展を続けている。じっくり楽しみたいワイン。ハンガリーワインショップより購入可能。

柚子〆鯖太巻に。柚子の香りにワインの深みのある果実味が繋がり、好意的な範囲の酸化的ニュアンスがサバにふわりとかぶさる。それでも余韻にはサバの生臭みが若干立ち上がってしまう。相性: ★★☆☆☆

では、〆鯖には一体どんなワインが合うのだろう。シェリーのニュアンスを感じるクセの強いスペインのワイン(以下)やイタリア サルディーニャ島のヴェルメンティーノなどか。またリベンジしたい。


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