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【後半】はま寿司26種58貫 イタリア白ワイン王道ソアーヴェ2種+α

昨日のNoteに続き、はま寿司でテイクアウトしたお寿司たちにワインを合わせていく。

後半戦は以下の寿司ネタたち。
・まぐろ三種盛り(まぐろ、まぐろたたき、とろびんちょう)
・サーモン三種盛り(サーモン、大とろサーモン、焼きトロサーモン)
・えび三種盛り (生エビ、甘エビ、えび)
・炙りのどぐろ
・ゆず塩煮あなご
・炙りしめさば
・炙りうなぎ

イタリアの白ワインソアーヴェ2種を主体に、一部のネタには山形県のロゼスパークリング、イタリア サルディーニャ島の赤ワインに合わせる。

三大ソアーヴェのうちの二つの造り手、ジーニとイナマを先ずはひと口。ソアーヴェはほとんどのネタによく馴染む最大公約数的な働きを見せてくれた。これぞ!という光る相性のものもあった。エビにはワインの中の香り、風味がよく統合されたジーニとの相性が極上だった。

ジーニ, ソアーヴェ・クラシコDOC, イタリア, ヴェネト, 2021, 2,920円
Gini, Soave Classico DOC, Italy, 12%,

1700年代からブドウ栽培農家としてガルガーネガ種を栽培してきた歴史ある造り手。最高のソアーヴェのひとつとして広く知られる。

香りは軽快で爽やかなグレープフルーツの柑橘香に花梨、ほのかに白い花。微かに潮の香りや干しワラやハーブのニュアンスも入りバランスよくきれいに纏まり上品。
味わいは瑞々しい果実味にキュッと舌を引き締める酸味、軽快でフレッシュ。果実味と他の要素の統合が素晴らしく上品、中盤から余韻に塩味のニュアンスや硬質でスーッと冷ややかなミネラルのほろ苦さもあり、ソアーヴェ・クラシコの魅力をギュッと上品に凝縮。

イナマ, ヴィン・ソアーヴェ, ソアーヴェ クラシコ, 2021, 12%, 2,134 円
Inama, Vin Soave Soave Classico, 2021

すべて手摘みで収穫。破砕してから4〜8時間果皮と果汁を接触。醸造はステンレスタンクのみを使用。

香りにはパイナップルなどのトロピカルな香りが軽快ながらトップに明瞭に。リンゴジャム、白桃も。グラスを回すと微かにほしわらやハーバルなニュアンス。アカシア。表現力豊か。トロピカルなフルーティさのメリハリはスクリューキャップも手伝ってか。
味わいはほんのりとまったりした質感で舌への馴染み方が心地良い。みずみずしく当たり、中盤からしなやかでハリのあるミネラル。酸味は中庸、ドライなフィニッシュ。

さて、お寿司に合わせていく。少々マニアックになってしまうのでさらっと読み飛ばしていただけましたら。

まぐろたたきに。
まぐろの赤身の力強いフレーバーも、ソアーヴェの軽快な柑橘系の果実香が受け止める。特にイナマのメリハリの効いたトロピカルなニュアンスは瞬時、違和感を覚えるが、余韻にかけてマグロの風味に一体化していく。
ジーニ。相性: ★★★☆☆
イナマ。相性: ★★★☆☆

とろびんちょうに。
ビンチョウマグロはほかのマグロと比べて漁獲量が多く、マグロの中でもっともリーズナブル。身は淡いピンク色で、加熱すると白くなるため高級ツナ缶の原料にされることも。
ツナ缶にもなるほど脂は豊か。それでいてマグロのように赤身の強いフレーバーが少なく、余韻はこざっぱり。このバランスが白ワインのソアーヴェにはちょうど良い。特にトロピカルなニュアンスにメリハリの効いたイナマとの繋がりはシームレス!
ジーニ。相性: ★★★★☆
イナマ。相性: ★★★★☆

サーモンに。
サーモンのリッチな脂にソアーヴェの軽快な果実香とほろ苦さが寄り添う。期待通りだが、期待以上の相性ではないか。
ジーニ。相性: ★★★☆☆
イナマ。相性: ★★★☆☆

大とろサーモンに。
サーモンからしたたるように広がる脂に、イナマのメリハリの効いたトロピカルなニュアンスには微かに違和感。ケンカするまでではないが。ネタに脂が強い分、ワインにもう少し潮香や塩気が効いたものが合いそう。
ジーニ。相性: ★★★☆☆
イナマ。相性: ★★★☆☆

焼きとろサーモンに。
炙られて香ばしさが加わり、脂にメリハリがつき、口内でのボリューム感がアップ。このリッチになった風味が軽快なソアーヴェとはバランスしづらいか。イナマのメリハリの効いたトロピカルなニュアンスはほんの微かだが生臭みも立ち上げる。
ジーニ。相性: ★★★☆☆
イナマ。相性: ★★★☆☆

生えびに。
茹でられたものよりもエビのフレーバーが穏やかに、繊細に、甘みを含んだトロリとした食感とともに力強く広がる。そこにソアーヴェの軽快な柑橘、ミネラル感やほろ苦さが絶妙に寄り添う。特にトロピカルなニュアンスが溶け込んで一体となったジーニとは極上のマリアージュ。
ジーニ。相性: ★★★★☆
イナマ。相性: ★★★☆☆

甘エビに。
甘えびのネットリとして舌に貼り付くような甘みに、ソアーヴェの爽やかな柑橘とほろ苦さが絶妙。生エビと同じく、ワインの中の様々な香りや風味が統合されてバランスの良いジーニとの相性は極上。
ジーニ。相性: ★★★★☆
イナマ。相性: ★★★☆☆

えびに。
茹でられたことで甲殻類特有のグリップのあるフレーバーがさらに増す。ここにソアーヴェの軽快で爽やかな柑橘香、ほろ苦さがピタリとはまる。やはりジーニとの相性が極上。
ジーニ。相性: ★★★★☆
イナマ。相性: ★★★☆☆

炙りのどぐろに。
柔らかい身は噛むと心地よい弾力を感じる。噛み進めていくと脂の旨味がジンワリと広がる。ややクセのある愛らしい磯の香りは軽快なソアーヴェで受け止めるにはやや荷が重いか。トロピカルなニュアンスがやや目立つイナマには微かに反発し生臭みがほのかに。
ジーニ。相性: ★★★☆☆
イナマ。相性: ★★☆☆☆

ゆず塩煮あなごに。
ホロホロのあなごの身の奥から、優しい脂、素朴な土のような香りが広がる。それを爽やかに引き締めるゆず塩。余韻にソアーヴェをひと口すすると、想定外の生臭みが立ってしまった。特にイナマのメリハリの効いたトロピカルなニュアンスが裏目に出た。アナゴの繊細で素朴な風味に、軽快なソアーヴェでは余韻のリードがうまくいかず。アナゴを甘ダレで補強するか、ワインをもう少し強いものを合わせるかで余韻をコントロールすべきか。
ジーニ相性: ★★☆☆☆
イナマ。相性: ★★☆☆☆

炙りしめさばに。
酢できれいに締められたワイルドな磯の香りを含むサバの脂。ワインと合わせるにはハードルが高いが、イナマのメリハリの効いたトロピカルなニュアンスが思いのほか同調。ジーニはやや生臭みが立ってしまう。
ジーニ。相性: ★★☆☆☆
イナマ。相性: ★★★☆☆

さて、まぐろと炙りうなぎにはロゼスパークリングと赤ワインを。

ベルウッド・ヴィンヤード, コレクション・ヴァン・ペティアン ル・ペタル, 山形県上山市, 2022, 12%, 2,750円
Bellwood Vineyard, Collection Vin Petillant, Le Petale, 2022

山形出身の鈴木(ベルウッド)智晃さんが独立して上山市に設立したワイナリー。 山形県上山市産の黒ブドウ4品種(メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ブラック・クイーン、カベルネフラン)を使用し、スキンコンタクトを行い皮の旨味を引き出したワイン。
香りには青果のダークチェリー、アメリカンチェリーにバラ。イチゴキャンディやバナナまでいかないがボジョレー・ヌーボーに共通するフレッシュ、チャーミングなフレーバー。
味わいには滋味溢れるチャーミングな果実味、しっとりあたりゆったりと残るタンニン。こぎみ良く快活な酸味、余韻はドライ。気まぐれなペティアンがきれいなバランス!

パーラ, チェントセーレ, カンノナウ, イタリア, サルディーニャ, 2021, 14%, 2,189円
Pala, Centosere Cannonau, Sardegna, Italy

パーラは創業1950年。海抜150~180mに位置する粘土石灰質土壌の畑から樹齢平均35年のブドウを使用。名前のチェントセーレは「何百もの夜」という意味。なんだかロマンチック。
香りには完熟アメリカンチェリーに野イチゴ、ドライローズ。全房発酵かヴェジェタルなニュアンス。黒コショウのスパイス、ミント、ダークチョコレートのビターなニュアンス。
味わいには瑞々しくもパワフルで甲高い調子の果実味。強めのアルコールに喉が少し熱くなる。甲高い酸味、中盤から余韻にかけてビターネス。しっとり当たり持続的なタンニン。

炙りうなぎに。
うなぎのどこか土の香りのような素朴なニュアンスと甘ダレが、パーラのスパイスのニュアンスと甲高い果実味に絶妙に寄り添う。ベルウッドのチャーミングな果実味とはじける泡の刺激との相性も悪くない。
ベルウッド・ヴィンヤード。相性: ★★★☆☆
パーラ。相性: ★★★★☆

まぐろに。
ベルウッドの泡の刺激、チャーミングではじけるような果実味が、まぐろの血合いや鉄分をきれいに包む。パーラとも悪くはないがワインの風味が強くマグロの中の繊細な風味を圧迫してしまう。
ベルウッド・ヴィンヤード。相性: ★★★★☆
パーラ。相性: ★★★☆☆

それにしても、初めて試したはま寿司は私のなかで高評価。コスパのよさはもちろん、さらにシャリの固さ、ネタの水分含有量やフレッシュさ(プレゼンテーション)は私が求める感じ。リピートしたい(決して川口春奈のスマイルに釣られたわけではない。念のため)。

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