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はま寿司炙りうなぎ ボルドー熟成酒にはこれだった

 はま寿司をテイクアウトし、風味が軽めのネタからスタートした。

 後半は食べ応えのあるネタたち。まぐろ(レアステーキ)、えび、シメサバ、アナゴ、ウナギ、蟹味噌、ホタルイカ、いくら。ビール、日本酒を合わせた方が間違いなさそうなネタが多い。それでもワインにいくのが我がNote。

 軽いネタには軽快なロワールのワインを合わせたが、今回は少し酒質の強いものを。ドイツのリースリング、サルディーニャ島のヴェルメンティーノを主体に。ウナギにはピンポイントでボルドー35年熟成酒を合わせた。

プリンツ, ハルガルテナー, トラディション クーベーアー トロッケン, ドイツ, ラインガウ, 2018, 13%, 2,816円
Prinz, Hallgartener Riesling Tradition Q.b.A. Trocken

 ワインについては先日のNoteに。香りにはフレッシュなグレープフルーツ、レモン、目の醒める爽快な柑橘香。ピュアで透明感強い果実味、シャープでメリハリの効いた酸味。フェリシティで購入。

 大切りうろこまぐろレアステーキ×1皿(1貫)(100円。税抜、以下同)。マグロやサバと違い”大きな”ウロコがあるのが名前の由来。身はメカジキのように淡いピンク、肌色で、赤身特有の風味は軽く、脂もさっぱり。そのため炙られてもくどさはない。リースリングの甲高い果実味、清々しい酸味と、炙られてリッチになったうろこまぐろの風味に相性抜群。相性: ★★★★☆

 えび三種盛り×1皿(3貫)(150円)。スタンダードのエビに。リースリングの甲高い果実味にエビの甲殻類特有のグリップのあるフレーバーが調和しそうと予想し、期待通り。ただ、期待を超えるレベルではない。相性: ★★★☆☆

 天然赤えび 炙り塩レモン×1皿(1貫)(150円)。炙られて風味が増幅したエビ。それを引き締める塩とレモン。ワインのミネラル感が塩に、柑橘香はレモンにスムーズに繋がり、そのまま塩、レモン、ワインが一体となってエビの甲殻類特有のグリップの強いフレーバーに高いレベルでシンクロ。相性: ★★★★☆

 炙りしめさば×1皿(2貫)(100円)。〆鯖はワインに手ごわい。先日、いかにもシーフードフレンドリーなワインに合わせたがことごとく微妙な相性に絶句したばかり。

 リースリングの甲高い果実味と清々しい酸味とはケンカせず。ネタが良い意味でクセがほどよく抜けていて、風味も軽めで、ワインと繋がりやすいことも要因。相性: ★★★☆☆

 ゆず塩煮あなご×1皿(2貫)(100円)。アナゴのとろけるような柔らかい身から広がる軽快な脂、ほのかに土っぽい素朴な香り、それらがゆず塩できゅっと引き締められた素晴らしいバランス。リースリングの甲高い果実香はゆずに絶妙につながり、ワインの酸味はアナゴの軽快な脂をさっぱりとリフレッシュ。相性: ★★★★☆

 続いて炙りうなぎに合わせるべく、35年熟成ボルドーをグラスに。

シャトー・ラ・ラギューヌ, ボルドー, オー・メドック, 1988, 12.5%, 18,700円
Chateau La Lagune, Haut Medoc, Bordeaux, France

ワインについては先日のNoteに。メドック格付け3級。茜色がかった色調。香りにはドライフルーツ、紹興酒。果実よりも熟成によりスパイスや樹皮などの複雑な香りが強い。驚くほど滑らかなタンニン。

 炙りうなぎ×1皿(2貫)(150円)。先日、アナゴ寿司とこのワインの相性が期待ほどではなく、ウナギではどうかと試してみた。この炙りうなぎは見た目の通り、タレのかかった皮の部位が少なく白い身の部位が多い。通常のウナギより脂も味わいも軽快だが(蒲焼きと比較すると特に)、弾力のある身の奥からジンワリと風味が広がり、甘辛のタレと絶妙に調和。そこにボルドー熟成酒を。ほぐれた果実香はドライフルーツのよう、ビターネスやほのかにグリーンなノートは、ウナギに振ったスパイスのように作用し極上の調和!相性: ★★★★★

 この熟成ボルドーにはワカサギの佃煮、カラスカレイ味醂漬、マグロのテール照り焼き、アナゴ寿司といろいろ合わせたが正解は炙りうなぎだったか。

 続いてクセ強3兄弟。蟹みそ、ホタルイカ、いくらには何を合わせようかとセラーを眺める。

 お気に入りのサルディーニャ島、ピエロ・マンチーニのワインがあった。大好きなワインでリピートしているが、最新2022ヴィンテージがリリースされていたので早速購入。ヴェルメンティーノ品種の力強い果実味、潮の香り、そしてよく馴染んだ樽の香り。樽香は魚卵などのクセの強い食材に反発することも多いが、このワインのほどよい樽香はよくよく溶け込んでいてそういうことがほぼない。先日はウニとも良い相性を見せてくれた。

 今回も期待通り。ワインが含む潮の香りも手伝って、クセ強の3種のネタとも反発せず調和をみせた。高度なシンクロではないが、強烈な個性のネタとの余韻をしっかりまとめたのはさすが!

 さて、そのサルディーニャ島の白ワインと3種のクセ強のネタとの相性。

ピエロ・マンチーニ, マンチーニ プリモ, ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラDOCG, イタリア, 2022, 14%, 2,125円
Piero Mancini, Mancini Primo, Vermentino Di Gallura, Italy

 1965年設立。創業者のマンチーニ氏は歯科医だったが、以前から抱いていたブドウ作りへの興味が高じて畑を購入しワイン生産へ。
 香りにはグァバ、パッションフルーツ、パイナップル、開放的な熱帯果実にほんのり潮風。スウィーティのようなグリーンな果皮の柑橘、微かなハーブ香がワインにアクセント。
 味わいにはジューシーでミネラルのニュアンスのほろ苦さ、やや穏やかな酸味、力強い湧き起こる潮のような余韻、海の恵みと太陽の恵が同時に溢れるワイン。フェリシティーで購入。

 大葉かにみそ×1皿(2貫)(100円)。蟹みその濃厚なコク。ねっとりと旨味が広がる。潮香を伴うワインがしっかりと距離を詰める。大葉の爽やかさもそれを手伝う。ケンカせず、余韻はきれいに纏まる。相性: ★★★☆☆

 富山湾産大振り生ほたるいか×1皿(2貫)(150円)。イカがピタリとシャリに貼り付いていてなんとも可愛らしいビジュアル。それでもホタルイカが含む磯の香りはパワフル。磯臭さといってもよい。この香りに、ワインの潮香がみごとに調和し、肝のようなほろ苦さをもそのまま包み込む。これほどクセの強いネタとも調和するとは素晴らしい懐の広さ。相性: ★★★☆☆

 いくら×2皿(2貫)(300円)。噛むとプチプチと弾けて飛び出す海の恵み。魚卵特有のクセのある香りに、豊かなコクが広がる。ワインが伴う潮香が、クセの強い魚卵の風味をも包む。太陽をたっぷり浴びた厚みのあるトロピカルな果実味とほんのりとした樽香、どう考えても魚卵とは反発しそうだが、サルディーニャ島の潮香がすべてを解決。相性: ★★★☆☆

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