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論理的思考が苦手なのにコンサルタントになった私が苦手を克服するまで

私は元々あまり落ち込まないタイプですが、社会人生活をスタートした戦略コンサルティング会社での日々は、これまでの人生の中でかなり苦労した期間です。毎日辞めたいと思っていた時期すらありました。(笑)

コンサルティングは、論点を構造的に整理し、事実に基づいて答えを出し、理路整然とした言葉で伝えることが基本的な価値です。つまり、論理的な問題解決が基本です。


ところが、私はまず直感で結論を出すタイプなので、論理的にきっちりと積み上げて考えるのは苦手意識がありました。コンサルタントにも直感は必要ではありますが、入社したばかりの新人については、まず論理的思考力を鍛えることが求められます。


そんな中で私は、論点整理や効率的な調査分析ができず、疲れて数字などのミスも増える、という完全な悪循環に陥っていました。パフォーマンスの出ていない自分は無価値だと思い、かつてないほど自己肯定感が下がっていました。

コンサル時代の苦悩は苦手を伸ばそうとしてしまったから


2社目の就職先となる投資ファンドのファウンダーと出会い、次のような言葉をかけてもらいハッとしました。


短所は長所の裏返し。だったら長所と捉えて徹底的に伸ばした方がいい。

論理的に詰めて考えることに苦労したということは、裏を返せば、直感で結論を出すことが得意だということ。同じ特性でも、見方によって短所とも長所とも取れます。それなら長所として捉えて、自分の特性が合う世界を選んでいこう、と決意しました。


そして、漠然と足りないものを底上げする発想がそもそもの間違いだったことに気づきます。私は学生時代から起業したい思いがあり、将来の起業を見据えて、経営者視点で事業に向き合う人間になりたいと思い、戦略コンサルを選びました。また、何となく苦手意識のあった論理的思考力を底上げすべきだと思っていたからこそ、論理的な問題解決を行うコンサル業界が魅力的に見えたのです。


でも、この選択が結果的に自分を追い詰めてしまいました。


足りないものを底上げしようとしたのは、大学時代までの「万遍なく」を良しとする発想があったと思います。私が受験した東大の文科一類(法学部)は、特定科目で高得点を取るよりは、まずは全科目で平均以上を狙う方が効率的な戦略でした。また、大学のカリキュラムも「万遍なく」が重視され受験勉強の延長のように感じていました。


この発想の延長で入ったコンサルティング会社での挫折を経て、私は得意を徹底的に伸ばす価値観へ大きく転換していきます。

得意を発揮してはじめて苦手の底上げが活きた


コンサルをやめた私は、次のキャリアとして投資ファンドを選びました。


私にとって、投資の世界はとてもエキサイティングでした。投資はより直接的に自分の責任が結果に反映されます。また、投資すると決めた意思決定者の一人として、投資先をよりよくするために、強い当事者意識をもって行動します。取締役として参画した「スタジオ・ヨギー」では、外から応援するよりも、当事者として経営することにとてもやりがいを感じました。


何より、投資の世界では私の強みである直感を存分に発揮できました。世間から十分評価されていない事業を発見してギャップに賭けるのが投資です。裏を返せば、投資は論理だけではうまくいきません。論理だけでいい会社がわかるならみんなが儲けられるはずですから・・・。


自分がユーザーになったと想定して心から「使ってみたい!」と思えるサービスは伸びます。「ロジカルには理解できるけど私だったら使わないな」と直感的に思うものには投資しません。頭だけで考えたビジネスは筋が悪いです。私はそれを見抜く力は結構あると思っています。


「この経営者いいな」とピンとくるのも直感です。発する言葉の重みや、窮地に陥ったときに見え隠れする本性など、言葉にできない部分も含めて無意識のうちに判断しているのだと思います。


勝ち負けがある世界で、直感を信じて伸びる事業を見極めることが、私の強みを最大限発揮するやり方だったのです。


そして不思議なことに、得意な直感を発揮すればするほど、苦手な論理的思考力の重要さを身をもって実感するようになりました。


いい会社を見極める力は直感だとしても、その理由を説明して賛同を得るためにはもちろん論理が必要です。その際、コンサル時代に苦しみながらも学んだ論理的思考のベースが大きく活きてきました。


今となっては、仮説を置いて論理で説明する点ではコンサルも投資も同じだとわかります。ただ、私にとっては投資の分野の方が自分の直感で結論を決める度合いが高い点が合っていたのだと思います。
漠然と足りないものを底上げするのではなく、まず得意能力を徹底的に発揮するマインドがあって初めて足りない能力の底上げが活きてくる。これが本来あるべき順番だったのです。

目指すは「天下一武道会」


いまの私の目標は、例えて言うならば「天下一武道会」に出ることです。「天下一武道会」とは、あのドラゴンボールに登場する超人だらけの格闘大会です。これになぞらえて、特定の領域でNo1になった人同士の人間関係を「天下一武道会」と表現しています。


何かの領域でNo1の人同士で付き合えれば、お互いの力を出し合って自分にできることの幅を広げることもできます。それに「自分が得意なこと」と「周囲から求められること」がフィットしている状態は気持ちとしてもハッピーです。


そのような素晴らしい「天下一武道会」の参加資格を得るためには、とにかくまず何かの領域でNo1になる必要があります。いわゆるジェネラリストでは参加資格は与えられません。


いまの私にとってNo1になれるかもしれないテーマが「パラレルアントレプレナー」であり、「天下一武道会」に出るために自分を磨いています。そこからさらに世界を広げて自分のできることの幅を増やしたいですし、様々な領域の「超人」の方々との出会いが今からとても楽しみです。

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