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現実問題(働かない弟)

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引きこもり、アニメオタクの働かない弟のことをさらけ出しています。 働いてくれー!
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#引きこもり

現実問題(働かない弟⑩-父親の死)

現実問題(働かない弟⑩-父親の死)

その日は雪が舞う、寒い日だった。

職場に母からの電話がきて電話口に出た。

「お父さんが道に倒れてるところを発見されて、病院に運ばれたって!」

その言葉に一瞬、頭の中が真っ白になった。

早く病院に行かなくちゃ。

「きっと大丈夫!」そう自分に言い聞かせながら病院に向かった。

でも、大丈夫じゃなかった…病院に着いた時には父親はもう息を引き取った後だった。

仕事中の急性心筋梗塞だった。

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現実問題(働かない弟⑨)

現実問題(働かない弟⑨)

弟が働きもせず、家でパソコンをいじり、テレビを見て過ごしていく毎日。

父親も母親も幾度となく「仕事を探せ!」と言ったが、聞く耳を持たず、奨学金の返済の催促や税金の催促だけがやってくる。

電気工事士の資格を持ってるだけに、その関係の仕事にこだわる弟。
しかし、その求人がないのだから仕方がない。

こだわっている場合じゃないのだ。
コンビニのバイトでも新聞配達でもなんでもやって、せめて、奨学金の返

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現実問題(働かない弟⑧)

現実問題(働かない弟⑧)

警察のお世話になって帰ってきた弟は、普通じゃなかった。
親が泣くようなことをしでかしていた。

借金だ。借金を抱えて戻ってきたのだ。その額は150万円
複数のキャッシング会社からお金を借りていた。

うちは貧乏なのだ

150万円をどうやっても返せる訳がない。
仕事もしていないのに、どうやって返そうというのか。
奨学金の返済もあるのに。
親は絶望に近いものを覚えたに違いない。
働いたお金が只々、息

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現実問題(働かない弟)⑤

現実問題(働かない弟)⑤

引き続き、弟のことをさらけ出してみよう。

家賃滞納の衝撃的なことがあったが、何とか大学を卒業することができた。

そのまま、大学のある青森での就職も決まった……のだが、またまた、ダメさをさらけ出すのである。

電気工事関係の就職先で、寮があり、家具家電も会社で半分の費用を負担してくれるという、今時にない待遇の会社だった。そこを、たったの3日行っただけで辞めてしまった弟である。

何が嫌だったのか

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現実問題(働かない弟)①

現実問題(働かない弟)①

身内のことを情けなく、さらけ出してみようとおもう。
結局、何を言ってもお金がなければ、生きていくことができないという、悲しい結論にたどり着く。

私には、働いていない36歳の弟がいる。もう、働かなくなって、10年が過ぎている。
誰が何を言おうと聴く耳をもたず、部屋に閉じこもり、パソコンやテレビと一日中向き合っている。
何を考えているのか、自分の弟ながら、さっぱりわからない。

社会問題にもなってい

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現実問題(働かない弟)②

現実問題(働かない弟)②

さて、引き続き、身内のことを情けなく、さらけ出してみようとおもう。

社会福祉協議会へ行き、担当者と面談をして、どれだけ生活が苦しいかを訴えてくる母。そして、フードバンクからの食料品を幾つももらってくる。もちろん、生鮮食品はないけれど、お米、お菓子類、コーヒーなどをもらえるだけで、とても助かっているらしい。
自分の息子が働かないことを他人に話すのは、どんなに情けなくて、惨めだろうか。

でも、弟が

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現実問題(働かない弟)③

現実問題(働かない弟)③

さて、引き続き、弟のことを情けなく、さらけ出してみようとおもう。

3人兄弟の中で唯一、大学を卒業している弟だが、大学に行かせたことが裏目となって表れた出来事がある。
普通、大学に入学して、希望を持ち、将来を見据えたりするものだろうが、弟は違った。

大学の為に実家を離れたことで、自分勝手に好き放題できることに解放感を覚えたのか、好きな物を好きなだけ食べた結果、ガリガリだった体は、嘘のようにあっと

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現実問題(働かない弟)④

現実問題(働かない弟)④

引き続き、弟のことをさらけ出してみよう。

山形から青森へと、行く予定のなかった長旅をすることになった両親。

家賃を3ヶ月も滞納しているという衝撃の事実に、一体どうなってるのか確かめに行かずにはいられなかったのだ。大家さんにも頭を下げに行かないといけなかった。情けない。

無事に青森に着き、弟の部屋を見た両親は、さらに衝撃を受けた。部屋の中に物が溢れていたのだ。

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